ブランディングでファンを作る①50代までに培った経験とスキルで差別化

河本扶美子

河本扶美子

テーマ:50代・60代の週末起業 ブランディング

前回のコラムで、50代以上でより充実した生き方・働き方を実現する方法は、
今まで培ってきた経験やスキルを活かした専門家
として新たな道を切り開き、まずは副業としての起業や週末起業をスタートさせて
その経験やスキルを求めている潜在の顧客にネットを通じて自分を知ってもらい、
ファンになってもらうことだという話をしました。
https://mbp-japan.com/tokyo/firstbrand/column/5106409/
今回は、あなた自身のファンをつくる「50代からのブランディング」
についてステップ1~ステップ3に分けて書きたいと思います。

ステップ1「差別化できる強みを見つける」

最初のステップは、潜在顧客に皆さんが他と明確に「違う」ということを
知ってもらい興味を持ってもらうために、
棚卸を行い差別化できる自分のスキルや経験は何であるのか?
を知るということです。

50代以上の方々の独立や副業を含めて個人事業主として働きたいという相談を
受けている中で、多くの方が仰るのは「今までやってきたことではなく、
他の新しいことで事業を行いたい」ということです。

そのお気持ち、よくわかります。
せっかく企業に所属するのではなく独立・個人事業主としての道を歩むのであれば、
何十年もやってきたことではなく新しいことがやりたい思う方も少なくないでしょう。
長年、所属していた企業にそしてお客様に貢献し、真摯に仕事と向き合い
行ってきた方ならなおさらでしょう。
しかしながら、ここで改めて考えなくてはならないのは
「中心にいるのはあくまでもお客様」
であるということです。
当たり前のことですが、お客様は自分の課題を解決してくれる
最高の経験とスキルを持った人を探しています。
みなさんは、50代まで働いてきた中で培った経験やスキルがあります。
企業には属さずに専業主婦として家族のために頑張ってきた方にも勿論!
専業主婦だからこそ得られた経験やスキルがあります。
それは皆さんが思っている以上に、他よりも差別化されたものであり、
あなたの強み=強力な武器でもあります。この経験やスキルを使わない手はありませんよね。

では、さっそく自分の棚卸!・・・と具体的な作業に入る前に、
この棚卸と強みの抽出の際によく陥ってしまう失敗例をご紹介します。

●顧客から見た自分の強みや価値に気付かない。
●自分が強みと考えていることが、周りにとってはニーズがない。
●自分では強みと思っていたが、同じ土俵で戦う競合が多すぎる。
●強みを盛り込みすぎて、本当の強みが伝わらない。

最終的に強みかどうかを判断するのは顧客でありマーケット
です。
ですから相手からどう見えているか、どれくらい競合がいるかの影響を受ける
ということも忘れてはなりません。
また、非常に重要なこととして「強みを盛り込みすぎない」という点があります。
「強みは多ければ多いほどいいじゃないか」と考えがちですが、そうでもないのです。
コロナをきっかけにオンラインとオフラインの境目がなくなったことで、今は全世界に
ライバルがいるだけでなくAIやロボットもライバルである状況です。
また、強みをたくさん盛り込むということは、その分みずから競争相手を増やすという
こともでもあります。

本当の強みを見つけて磨きをかける

本当の強みを見つけて、磨きをかけていくには
「差別化されたスキルと経験」「顧客」「価値」
の3つの視点から考えることをお勧めします。

「差別化されたスキルと経験」は、冒頭でもお話ししたように
「自分自身を知ること」と置き換えて考えてください。
分かっているようで、自分自身のことは様々なバイアスがかかってしまい
分からないものですから。
まずは、差別化されたスキルと経験を自分自身が既に分かっているかどうかを
確認してみてください。
具体的な方法は簡単です。
15秒で明確かつ具体的に顧客があなたを選ぶ理由を説明してみてください。
また、1分間であなたの得意分野、自分が他の人には絶対に負けないといえる
ところを説明してみてください。答えられたでしょうか?

もし、すらすらと答えられた方は、それがまさにあなたの「差別化されたスキルと経験」
であり、自分でも明確にわかっていると言えます。そうでなければ以下の方法で
棚卸を試してみてください。

1.顧客や会社のスタッフ、経営者仲間から客観的な強みをいくつか抽出する。
なぜ自分を選んでくれるのか、何を期待して選んでくれたのか、
サービスを利用し続ける理由など。
2.その中から自分の好きな分野をピックアップする。
3.さらにその中であなたの得意分野だと自分が思うものに絞り込んでいく。

ポイントは、先に「好き」なことから入るのではなく、第三者の客観的な声を中心に
強みを抽出し、そこから「好き」そして「自分が考える得意分野」に絞り込むことです。

続いて「顧客」です。これは冒頭でもお話ししたように「マーケットと顧客を知る」
と捉えて考えていきます。
実は「今まで培ってきた経験やスキルを活かした専門家」としてブランディングを
していくには「どこ」で勝負するかのマーケットを選ぶことも重要なのです。
なぜなら、全ては顧客が評価するものだからです。
「○○といえば、あなた!」と「誰に」評価してもらうのか、つまりどのマーケットを
狙うのかをひとつだけ選択して、その分野でブランドが確立するまで深堀をすること
が大切です。
ひとつだけ選択する理由は、それによってより顧客から見た時の専門的なイメージが
増すことと、限りある時間で深堀するのに効果的という2点があります。

最後に「価値」ですが、これは「あなたの強みを強化する」と置き換えます。
強化し続けることで、他者の追随を許さないあなただけの価値、ブランドができあがります。
大事なポイントは日々における「優先順位」と「時間配分」です。

全体の時間を「強みの強化」「新しいことへの取り組み」「弱みの克服」と分けた時、
どの分野にどれだけの時間を割くのが理想的でしょうか?ひとつの目安として、全体の約6割を強みの強化へ、3割を新しいことへの取り組み、残りの1割を弱みの克服に振り分けて考えてみてください。1日10時間働いているとして、6時間、3時間、1時間と具体的に割り振ってみると、「優先順位」がいかに大切かが実感いただけるでしょう。

よく陥る落とし穴として、ついつい自分の弱点が目について「弱みの克服」を最優先してしまう人がいます。でも冷静になってみると、たとえ弱みを人並みレベルまで克服したとしても、その間にライバルが成長して、強みで太刀打ちできなくなったらその後どうなるでしょうか?ですから、あなたにアドバンテージがある強みを磨くことに一番多くの時間を割くことが重要といえるのです。

今回お伝えした「差別化されたスキルと経験」「顧客」「価値」の3つを洗い出し、あなたの本当の強みをあらためて発見し磨いて、あなた自身のブランド確立の為のベースを作ってください。

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河本扶美子
専門家

河本扶美子(経営コンサルタント)

株式会社ファーストブランド

2人に1人は50歳以上の日本。より多くの人に年齢や定年という枠に囚われず自律したキャリアを目指してほしい。10年間多くの50代以上の創業に携わったノウハウをベースに50歳以上の起業のお手伝いをします。

河本扶美子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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