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Quality of Life

小室千雪

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あなたにとっての“Quality of Life”とは?



先週末自宅でくつろぎながら、ネット配信の記事を見ていましたら、デンマーク人の
ライフスタイルに関しての記事が目に飛び込んできました。

わが家では5月末から2週間ほどデンマークの友人ご夫妻(大学教授と現役医師)を
お迎えして一緒に過ごしたばかり。

私自身も昔々デンマークの音響機器メーカー(Bung & Olufsen)に勤務していた
ことがあり、当時は年に数回本社出張をしていたので、
この記事が身近なものに感じられました。

というわけで、以下この記事をベースに、思いつくままに“たわごと”を連ねます。

デンマークの会社は社員にフレックスタイムで働くことを奨励しています。

仕事開始は朝7時。仕事終了は夕方16時。この間のフレックス。
子育て中のお母さんは子どもをピックアップに行くと言って15時退社はあたりまえ。
これ、コロナ禍などが来る遥か遥か前のハナシですよ。

また、夏季休暇は必ず3週間。どんなに忙しくても、この日が来ると仕事をやめて、
家族と休暇に入ります。
上層部、いわゆる幹部でさえも超!緊急の仕事以外は完全にシャットアウト。

日本で日本人のお客様相手にビジネスしている私は、彼らの“ぶっちぎり?!”身勝手ルールに
あきれました。背伸びしたビジネス目標を日本スタッフに与えたご本人様が夏季休暇中!
3週間連絡できず。

「なに考えてんのよ」「信じられない」とヒタイに青筋を立てる毎日でした。

同時に、アジアを統括していたデンマーク人の直属上司も日本人スタッフ全員に
1週間の夏休みを取ることを厳命しました。
なんと、その責任者は私なのです。

1週間の休暇でも当時の日本では長かったのです。
「休暇中はオフィスに来ないでください」と厳しく言うのが大変でした。

日本人は、何事もタイミングが大事、お客様第一と考えていましたから、
休暇中にビジネスのチャンスを逃すのではないかと心配しました。
責任のあるポジションについていた私も同じ気分です。

普段着忍び足で会社に来て、メールをチェック、顧客に電話をする・・・
そんな部下が何人もいたようでしたが、私は片目どころか両目をつぶって
不問にしました。
当時を思い出すと“苦笑い”がこみあげてくるばかりです。

私はあの時に《文化の違い》というものを実体験したと思います。
デンマーク人(北欧人)にとって、家族と一緒に過ごす時間や自分がリフレッシュする
時間は、“仕事”と同じくらい、あるいはそれ以上に大切なもの。








理屈ではこれは「よ~く」わかります。反論する余地がまったくありません。

しかし、1年のうち3週間、全員が仕事から抜けるとどうなるか?
当然効率が落ちます。
只今進行中の仕事を抱える身としては「これ、コワいですね」。

私は「う~んと」考えました。うなりながら考えたという意味であり、
たくさん考えたという意味でもあります。

「休暇の問題だけを比較するな」と心の声。
「プラスもあればマイナスもある」。
どこかに「プラスマイナス=ゼロ」にする、帳尻を合わせの工夫があるはずだ。

「これだ!」と思った例を挙げます。

デンマークの会社はミーティング時間を最長1時間と決めていました。
これは基本ルールで、誰ひとり異議をとなえません。各部門の責任者が丁々発止、
即決即断。当然ミーティングの中身は濃いものになります。
同時に気づいたことですが、デンマーク企業のビジネスプランは
1年=11か月強の時間枠で作られていました。

結局共同作業というのは「あたりまえの文化」と「あたりまえの文化」の
ぶつかり合いで成り立っているのです。

「夏季休暇3週間取るのがあたりまえ」の文化の人と、
「大事な仕事があれば休みを返上するのがあたりまえ」(当時)の文化の人の
 協業です。
「あたりまえの文化」は一筋縄でいきません。
 簡単にこわれる「あたりまえ」もありますし、歴史に紡がれた、
 大げさに言えばDNAに組み込まれたような「あたりまえ」もあります。

人それぞれ、変えていい「あたりまえ」と、変えてはいけない「あたりまえ」があります。
忘れてはいけないことは、ひとつの「あたりまえ文化」には
たくさんの特殊事情が紐づけられていることです。

夏季休暇3週間の「あたりまえ」でいえば、デンマークの日照時間について
考えなければいけません。

[冬季]日の出8:15 日の入り15:45
[夏季]日の出4:30 日の入り22:00

ここに住み、暮らしてみると「夏季休暇3週間」が彼らの“Quality of Life”の中で
どれだけ重みをもつものかわかるのでしょう。

さて、話が長くなりましたので、結論を急ぎます。

私は現在子どもたちに英語を教えたり留学のお世話をしたりしています。
それは英語(米語)が世界共通語で、使えると世界が広がり楽しいからです

以下、私自身の体験を踏まえての結論ですから自信をもって申し上げます。
英語が使えると人生の選択肢が大きく拡がります。

仕事も、友だちも、趣味も、娯楽も・・・絶対オトクです。

ただ誤解しないでください。
英語(米語)を学ぶことは、英語圏の文化に同化することではありません。

あなたにとっての「あたりまえの文化」を主張し、相手を説得するため。
同時に相手にとっての「あたりまえの文化」を理解し、納得するため。

コトバ・文化が異なる人とのコミュニケーション。
英語はそのために役立つ便利な道具なのです。

私は英語でビジネスができたおかげで、上記のような経験ができ、
その地の大切な友人と十数年かぶりの再会を果たしました。

人生80年、いや100年と言われる今日この頃。
人生の価値は人それぞれだと思いますが、時にはあなた自身やファミリーの
“Quality of Life”を考えてみるのもよいかもしれません。

私の友人は結婚する時ご主人から
「朝メシは、ごはん、みそ汁、納豆のような日本食にしてくれ」と
注文がついたそうです。
「これがわが家のあたりまえの文化になっています」と笑っていました。


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小室千雪
専門家

小室千雪(英語講師)

株式会社team CK

子どもの英語学習の「はじめの一歩」。将来、グローバルで活躍できるように文化・習慣なども含めて「世界共通語の英語」を指導する。また、全世代を対象にニーズに応じたマンツーマンのオンライン講習も開講中。

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