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異文化交流特別レッスン

小室千雪

小室千雪

4月15日(土曜日)、新4~5年生のクラスに、ギリシャから来日中のテオ君が特別参加、他の子どもたちと一緒に英語のレッスンをしました。

この話があった時、ギリシャのテオ君のために、楽しい特別レッスンをしようと考え、何通りもプランを検討しました。しかし、結局普段通りの自然体が一番良いという想いが強くなり、いつもと変わらぬ寺子屋式レッスンを行うことにしました。

改めて考えてみると、私を含め、みんなギリシャのことをよく知らないのです。

子どもたちの中にはギリシャという国の名前も、どこにあるかもよく知らないという子がいるありさま。これではちょっと恥ずかしいし、失礼です。そこで、数週間前から世界地図を広げてギリシャを指さし、ゼロから勉強をはじめました。異文化交流の「1丁目1番地」からのスタートです。

もちろん、英語のレッスンとして、初めて会う人への挨拶や自己紹介の練習も改めて。
クラス全員が外国からきた外国人に自己紹介するのは初めてでした。全員興奮気味で、モチベーションアップがはっきりわかりました。

英語が母国語でない人と「英語を共通語にコミュニケーションする」貴重な体験を子どもたちがどうやりとげるか興味津々でした。で様子を見守っていたのです。

私は改めて驚きました。目的意識をしっかりもった時の子どもたちの吸収力の凄さ。この年齢の子どもたちにはキャパシティーがまだ充分あるので、事前準備のレッスン効果はいつもと一味も二味も違うものでした。

当日までの子どもたちの心はこんな感じ。
わくわくドキドキ。ギリシャ人ってどんな人?テオ君ってどんな子かな?英語上手かな?日本語しゃべれるのかな?
好奇心と心配が入り混じりながら、いつの以上に集中してレッスンに取り組んでいるようでした。

さて、当日。4月15日、15時30分。テオ君がご両親とやってきました。

寺子屋の子どもたちは明らかに緊張気味。これにつられてテオ君も硬くなっています。
ひとりの女の子が部屋に置いてあるクマのぬいぐるみをテオ君の横に置き、他の日本の子供たちとの間の`国境‘をつくりました。それでも自分は横に立ったまま、モジモジ。

私は子どもたちの緊張を無視して、普段通りのレッスンをはじめました。

先ずはいつもの歌の練習から。何回も歌った歌で、歌詞もしっかり頭に入っているはずなのに、いつもより声が小さくて、自信無げ。私は内心ニヤニヤしながら
意識的にポーカーフェイスでレッスンを進めました。
それから、Ice-Breaking time! そして、自分の名前を言った後、おはじきじゃんけん。
このあたりから、少し空気が柔らかくなり、ひとりひとりの自己紹介に入りました。今日は何人かのお母さん方が参加していましたので、自己紹介がしっかりできると、大きな拍手。テレ笑いと安堵の吐息が重なりあううちに、全員の元気モードにスイッチが入りました。

世界にはいろいろな国があることを、地図を見ながら勉強をしたあと、ギリシャについてのQ&A。
ギリシャはどんなところ?
人口は? 首都は?
おいしい食べ物は?

続いて、テオ君一家の今回の日本旅行について。
日本食は食べた? 好きな食べ物は?
日本語はできる?

実はテオ君、ギリシャで日本語の勉強をし、空手を習っています。
ひらがな、カタカナも書けるし、これが驚くほど達筆。また、少しだけ日本語もしゃべります。そして、お寿司が大好き。

もうテオ君に対する壁が崩れました。
‘鮨が大好きなテオ君、空手教えて!‘





このあと普段のレッスンに戻り、単語を書く練習したり、簡単な英文を読む勉強をしたり。
それが終わると、テオ君ファミリーを囲む懇親会がはじまるまで、テオ君を交えて子たちはカードゲームや遊びにふけりました。
本当はレッスンの後、庭に出てBBQを楽しむ予定でしたが、あいにくの雨。
肩を寄せ合って、室内でのウエルカムパーティを開きました。
親子共々異文化の壁を乗り越えて新しいフレンドシップの誕生です。





私は英語の勉強は、教科の英語で終わらせてはならないという持論を展開しています。そしてまた子どもの英語習得はファミリープロジェクトであるという意見をもっています。
ですから、機会あるごとに、親子ともどもこのような異文化交流の場を設けています。

今回も、ギリシャの人と知り合いになれて、本当に新鮮な経験ができたと
お母さん方全員大喜び。
私を含め日本人にとって、急にギリシャという国が身近な存在になりました。
テオ君一家にとっても普通の日本観光旅行では経験ができない楽しいひと時が過ごせたはずです。




この日のレッスンでの気づき:

子どものコミュニケーション英語力はモチベーションがあると上達が早い。
もっとお話をしたい、一緒に遊びたいという純なモチベーションです。
英語習得のギアチェンジ効果大ありです。

また、保護者の英語レッスンに対するに対する理解も、自らが外国人と接することで
より深まっていきます。
わが子にどのような異文化教育、外国語教育の場を与えていけばよいか考える良い機会となると思います。

とにかく英語を話すとちょっとドキドキする、楽しいという実体験をしてもらいたいと考えています。
その機会をつくり「英語は面白い」と思ってもらうことが
我々に求められることではないでしょうか?

子どもたちに異文化を体験してもらい、共通言語の英語でコミュニケーションすることで自分の世界が大きく広がるということを実感してもらいたいと考えています。

この原稿を書いているときにテオ君のお母さまからSNSが入りました。

‘『親子で本当に楽しいひと時を過ごしました。日本で新しい人たちにも出会い友達ができました。本当に素敵な一日をありがとうございました!』

最後に、いちばん大切なこと。私自身も楽しみました!


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小室千雪
専門家

小室千雪(英語講師)

株式会社team CK

子どもの英語学習の「はじめの一歩」。将来、グローバルで活躍できるように文化・習慣なども含めて「世界共通語の英語」を指導する。また、全世代を対象にニーズに応じたマンツーマンのオンライン講習も開講中。

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