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留学:親離れ&子離れ

小室千雪

小室千雪

5年ほど前から、アメリカ留学のリクルーティング活動をしています。

ふた昔ほど前までは、留学といえば、「学士号取得」、つまり「卒業してなんぼのモノ」でしたが、最近は6か月(1学期相当)、1年といった期間留学が盛んになりました。
これなら在学中に留学し、終了後また復学することも可能で、この形を積極的に採用する高校も増えてきました。

日本からアメリカの学校へ期間留学する・・・主目的は紛れもなく英語力アップです。

 6か月で何ができるの?
 1年で何ができるの?

ネイティブと対等に競うことなど無理のまた無理。では、意味がないかというと、これがオオアリ!なのです。
自分の潜在能力や可能性をしっかり確認する機会になります。
具体的に言えば、現時点での自分の「自立心」と「対応力」を測る最高のモノサシが「留学体験」です。
留学して思うような成果が得られなかった、つまり失敗した場合、ほとんどの日本人は「英語力の不足」を理由にあげます。しかし、それは思い込みにすぎません。

例えば、高校2年生のA子さんとB子さん。ともに英検準2級(±)の英語力で留学に挑戦しました。
6か月後にどうなったでしょう?

A子さんは、英語力が驚異的にアップ。性格も明るく積極的になりました。そして、ひと言「帰りたくなかった」。
B子さんは。英語力はまあまあアップ。でも何か自信喪失気味。そして、ひと言「帰りたかった」。
つまり、A子さんは「アメリカの生活は楽しかった」と言い、B子さんは「アメリカの生活は楽しくなかった」と言っているのです。

この違いはどこから生まれたのでしょうか?

その答えが、「自立心」と「対応力」の差ということです。
「自立心」は、自分だけの力で物事を行っていこうとする気持ち。「対応力」とは、相手や状況に応じて適切に事をなすこと。この二つの言葉はコインの裏表。異文化の中でサバイバルするために絶対必要な要素です。

いや、ちょっと待ってください。「自立心」と「対応力」!これは学生である「あなたの未来を切り開くキーワード」じゃありませんか?

私は、米国への中長期留学の大半の目的は英語力アップと明言しましたが、訂正です。英語力という現実的なスキルのアップと同時に「自立心」「対応力」という未来を切り開くパワーのアップであると言い直します。

少し遠まわりして、拙文のタイトル「親離れ、子離れの訓練」に行き着きます。
近い将来留学をしたいと考えている中高生の皆さんとその保護者の皆さんは「親離れ、子離れ」のトレーニングをはじめてください。

英語力に関しては「英検準2級以上」という基準めいたものがありますが、「自立力」「対応力」については何の基準もありません。
ただ経験的に申し上げますと、子どもの「自立心」「対応力」はファミリーの「親離れ、子離れ」の実態と関係が深いということです。

この質問は、笑いながら聞いてください。「あなたはもう留学に耐えられるに十分な“親離れ、子離れ”をしていますか?」
ちょっと大げさですが「日本の常識は、アメリカの非常識」というコトバがあります。「わが家の当たり前は、隣家の当たり前」ではありません。留学して異文化と葛藤するのは当の学生だけではない、両親(保護者)もそうなのだ、という思いを強くしています。

私の友人であるアメリカ人の教授は「アメリカでは高校生は一人前のおとなとして扱われるよ」と笑いながら言います。




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小室千雪
専門家

小室千雪(英語講師)

株式会社team CK

子どもの英語学習の「はじめの一歩」。将来、グローバルで活躍できるように文化・習慣なども含めて「世界共通語の英語」を指導する。また、全世代を対象にニーズに応じたマンツーマンのオンライン講習も開講中。

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