Quality of Life
英語は何歳から習うのがよいか?
「実体験」が教える最適な時期と取り組み方。
親が子どもに習わせたい習い事で、近年金メダル争いを演じているのは、「英会話」と「水泳」だそうです。
確かに、確かに。
英語は、2020年度から小学3年スタートの義務教科になりました。これは、英語がこれからの日本人に絶対必要なスキルになったことを意味します。算数で「九九」を習いはじめる感覚です。
一方「水泳」は、まったく泳げないカナヅチは困る、と親のだれもが思います。水を怖がらず、せめて平泳ぎとクロールは25メートルぐらい泳げるようにしたい。平泳ぎは「水に浮く」という感覚、クロールは「前に進む」という感覚、同時に「潜る技術」と「息を継ぐ技術」を身につけます。海、川、湖とご近所付き合いしている日本人としては「命を守る」必須のスキルです。
さて、習い事は何歳からはじめるのがよいか。ここでは、英語に限定して考えてみましょう。
ネット情報によれば、ママ友の間では「3歳説」で盛りあがっているようです。すでに保育園、幼稚園、児童保育の場で、英語のゲーム、遊戯などが取り入れられ、英語が身近な存在になっています。「お受験」が頭をよぎり、競争心が刺激されるのかもしれません。ただ、これはほんの一部、実際の平均は、4~5歳だそうです。
書物で仕入れた知識ですが、日本の伝統芸能(歌舞伎、能、狂言、舞踊など)の世界では、6歳の6月6日が「稽古はじめ」の日と定められているそうです。これは数え年ですから、実際は5歳、幼稚園の年中さんですね。
私個人の意見を申せば、基本からしっかり積み上げていく習い事は、このくらいの年齢からはじめるのがよいと思います。
ただ少々早くても、少々遅くてもあまり影響ないので、気楽な目安と考えてください。
その上で、私からの「おすすめ」があります。
出来れば、小3の授業がはじまる前に。
小学3年生の新学期、仮にクラスは35名。英語の授業がヨーイドンです。このスタート時、クラスはすでに「英語力」で3分割から4分割されています。
早くから英語を習い、英語大好き・大得意のグループ。英語好きというわけではないが、とにかく教育熱心な家庭の子で、エリートコースまっしぐらグループ。こうした子どもたちをコアに3つ、4つに。
現場の英語の先生は、どのグループに焦点を合わせて授業をはじめるか大いに悩みます。
私はこの段階での「スタート遅れ」は、大変深刻、影響大だと思っています。
以下、子どもに人気のある習い事を並べてみます。水泳、学習塾(英語主要科目)、音楽教室(ピアノ)、英語、そろばん、書道、サッカー・野球、武道、バレエ、絵画、将棋・囲碁・・・それに最近急上昇のプログラミング。
この中で、あなたのお子さまの将来に「影響が大きい」と思われる習い事は、何ですか?
「やはり英語かな?」と思われた方は、小3の授業がはじまる前に挑戦させましょう。
これが第一の「おすすめ」です。
正規の授業がはじまった時、すでにトップクラス。誰にも覚えのあることですが、できる教科の授業は楽しいものです。余裕しゃくしゃく、宿題も苦になりません。先生はもちろん仲間たちからも一目置かれます。自信がつきます。ここで一気にプラスのスパイラルに乗ってしまえば、あとは楽です。
英語の成績が上がったら、不思議なことに他の教科の成績も上がった、という事例がたくさんあります。これは他の教科にない英語独特のパワーです。
最後につけ加えておきます。英語学習の基本になる「聞き取り」と「発音」とトレーニングは、4~5人の小グループで行うのが効果的という事実です。
「お子さまと英語の関係」を絶えずチェック。
さて、英語の授業が正式にはじまりました。勉強はすべて先生方にお任せ。期末の成績通知表をみて一喜一憂。これだけはやめましょう。絶えずお子さまと英語の関係をチェック、観察してください。
「好き/キライ」「楽しい/苦痛」「得意/不得意」。大ざっぱで結構です。
わが国では、江戸時代の後半頃から、子どもの教育(初等教育)の基本を『読み・書き・そろばん』と言ってきました。大多数の庶民の人生設計に必要不可欠なスキルとだという認識です。現在の英語教育は、この『読み・書き・そろばん』に準じる位置づけになったと考えてください。
ですから、このまま放置しておくと「英語キライになりそう」「落ちこぼれになりそう」と思ったら、すぐ手を差し伸べてください。「問題はやわらかいうちに解決」が鉄則です。
なぜそうなった?理由はいろいろでしょう。思いつくままに列挙すると、
①スタートの出遅れ(案外これが多い)。
②授業が嫌い、先生が合わない。好きな先生の科目は成績が上がり、嫌いな先生の科目は成績が下がる傾向にあります。(身に覚えあり)
③現在夢中になっているもの(サッカーかな?ゲームかな?)があり、英語に興味がもてない。
④英語が本人の性格が合わない(恥ずかしがり屋、引っ込み思案、友達がすくない、何事にも自信がもてないなど)。英語はコミュニケーションを学ぶ教科、性格が影響するケースが大いにあります。
「お子さまと英語の関係」を絶えずチェックしよう。これが第二の「おすすめ」です。共働きのお父さん、お母さん、お願いします。
今こそ、英語教室の出番です。
お子さまと英語の関係が危ういと感じたら、どうするか。一番簡単な方法は、英語教室の有効活用です。
すでに、英語教室利用中の方も、ひとまずご注目。
英語教室のメリットは何か?整理してみましょう。
①選択できる。学校は簡単に変えられません。英語担任の先生もクラスメートや席順も「キライ、合わない」という理由で、簡単に変えられません。しかし、英語教室は簡単に変えられます。子どもの「現在」に最適な学習環境が選択できるのです。教え方、内容、クラス分け、先生、通塾の便・・・などで、ベストな選択をしてください。そして、ダメなら迷わずチェンジ。
②集中できる。英語教室なら、教科書に沿った平均的な授業をしなくて済みます。ひとりひとりの子どもが抱えている課題に合わせた集中レッスンができます。遅れを取り戻す。弱点を補強する。さらに高い目標に挑戦する。課題にもよりますが、3か月から6か月の集中で確かな成果が得られるはずです。
「ELFえいごの寺子屋」では、子どもの「現在地」(能力判定)をしっかり把握することが何より大切だと考えています。そのために生徒、それをサポートする保護者(お父さん、お母さん)と絶えずコミュニケーションをとり合います。
もちろん基本は年齢、学年ですが、学校の授業とは必ずしも並走しません。時には少し後戻りした地点から、時には少し先行した地点から。そして、時には足元をしっかり踏み固める作業もします。
子どもの「英語学習」は、ファミリープロジェクトです。
結論を言えば、子どもの「英語学習」は、家族で取り組む課題である、ということです。見守り、励まし、サポートする・・・お父さんやお母さんは「伴走者」でなければなりません。
お子さまが立派な社会人として独立するまで、いくつの試験を突破しなければならないでしょうか。その主要科目は間違いなく英語であるはずです。10年後、「英語ができる/できない」で、どれだけの有利/不利が生まれるでしょうか。小学3年生に、この理屈を理解させるのは困難です。だから、お父さん、お母さんの出番なのです。
正しいスタート台に立たせてあげてください。そして、一緒に走り出してください。STEP1:「英語はおもしろい、楽しい」と思うまで。STEP2:「英語は得意だ」と自信をもつまで。やがてSTEP3:「英語をパワーにし」、伴走者を追い抜いて、先へ先へと走り出すまで。
「ELFえいごの寺子屋」は、このようなファミリーを想定しながら、今日もレッスンを続けています。
まとめ
最後に、大切なワンポイント。英語力の向上は、なだらかな坂道を上がるようなものです。こんなに続けているのに、さっぱり上達しない。きっと才能がないのだ。こんな思いにとらわれ、「つまらない、キライだ」と投げ出してしまう子どもがなんと多いことか。それを「仕方ない」と、あきらめてしまう親がなんと多いことか。しかし、断言します。やればやっただけ地力はついています。ただ、英語力の上達を実感するのは、ある日突然、ある瞬間です。昨日まで聞き取れなかった音が、今日突然聞き取れた。昨日まで頭の中で考えてから口に出していたフレーズが、今日突然無意識に口に出た。図で説明すれば、右肩上がりの坂道でなく、段差の高い階段を1段ジャンプしたといった感覚です。そうです、初めて逆上がりができた瞬間!ジャンプした後は、またしばらく平坦だらだらが続きます・・・そして、次のジャンプ。そうです、初めて自転車に乗れた瞬間!これを積み重ねて、少しずつ高みに上がっていきます。この感覚は、習い事で一定のレベルまで上達した人は、誰もが経験しているはずです。
「ELFえいごの寺子屋」は、子どもたちにこのジャンプした時の快感・興奮を味わわせてあげたいと思っています。
英語はコミュニケーションの「道具」にすぎません。しかし、この「道具」上手に使いこなせば、「不思議な魔力」を発揮します。