◆新法施行により、成年被後見人の亡くなった後の権限も・・◆~成年後見手続き~

山口里美

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テーマ:成年後見手続き

おはようございます!
司法書士 行政書士 山口里美です。

昨日の誕生日にあたり、
FBやメールにて沢山のお祝いメッセージを頂きましたことに、改めて御礼申し上げます。

昨日お話した、
「成年後見事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」につき
もう一つお伝えいたします。

成年被後見人が亡くなった場合、成年後見人が事務処理(死後事務)として、
いったい何ができるのかが問題となっておりました。いわゆるグレーです。
考えられる主なものは、
 ①遺体の引き取り及び火葬
 ②葬儀等の施行
 ③未払いの医療費、施設費等の支払い及びそのための預貯金の払戻し
等です。

改正後の民法第873条の2によりますと、
成年後見人は、成年被後見人が死亡した場合において、必要があるときは、
成年被後見人の相続人の意思に反することが明らかなときを除き、
相続人が相続財産を管理することができるに至るまで、
次に掲げる行為をすることができる。
但し、③の行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。

①相続財産に属する特定の財産の保存に必要な行為
②相続財産に属する債務(弁済期が到来しているものに限る)の弁済
③その死体の火葬または埋葬に関する契約の締結その他相続k財産の保存に必要な行為
  (①及び②の行為を除く)
としています。

これも実際の運用が待たれるところですが、
①の財産の保存に必要な行為は、具手的には時効の中断、雨漏りの修繕等 と解すことができます。

そして、③の行為をするためには裁判所の許可を得る必要がありますが、
実際の葬儀をすることや永代供養をすることの契約は、③に含まれないと解釈されています。

更に、改正民法の873条の2では、後見人が同条1号から3号までの死後事務を行うことができるのは
「相続人が相続財産を管理することができるに至るまで」に限られています。
どのようにそれを判断すればよいのかわかりにくい。
これは、財産の引き出しを依頼された金融機関も判断に迷ううところではないかと思います。

取り急ぎ、10月13日に施行されるポイントにつきお伝えしましたが、
実務の変更については、もう少し経過を見て追って御伝え致します。





皆様も、佳き水曜日をお過ごしください!



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