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昨年からのコロナ禍の影響もあり、マスクや感染予防関連商品以外にも、「注文した覚えのない荷物が届いた」というトラブルが多発しています。
中には、契約していないのに請求書や振込用紙が同梱されていたり、悪質なものだと「代金を支払え」などと連絡してきたりするケースも確認されています。
このような「送り付け商法」には、特定商取引法の「ネガティブオプション」として、従来から次のようなルールがあります。
- 荷物を受け取った日から14日間
- 、送り付けた事業者の引き取りが無い場合は、期間後自由に処分してよい。
- 事業者に引き取りを請求し、請求した日から7日を過ぎても事業者が引き取らない場合は処分してよい。
- 期間が過ぎた後、事業者は、引き取りも代金の請求も一切できない。
- 事業者が引き取る場合は、全て事業者が手配・負担する。
しかし、実務上は、よくわからない不審な送り主に引き取りを請求することはほとんどありません。実際は何もせずに14日間保管しているケースがほとんどです。
送り付け商法に関する法律が改正されました
こうした送り付け商法に対応するため、このたび特定商取引法が改正され、新しい送り付け商法のルールが2021年7月6日から適用されます。
大きな改正点は、注文や契約をしていないにもかかわらず、金銭を得ようと一方的に送り付けられた商品を受け取ったら、「保管せずに直ちに処分してよい」に変わったことです。
もちろん、代金を請求されても、元々契約していないので支払う必要はありません。
*出典・参考:消費者庁「一方的に送り付けられた商品は直ちに処分可能に!!」
すぐ処分する前にここに注意!!
しかし、自分に覚えのないもの全てが適用されるわけではありません。
あくまでも「注文や契約をしていないにもかかわらず、金銭を得ようと一方的に送り付けられた商品」という条件があります。「よくわからないから」と安易にすぐ処分すると、後でトラブルになる可能性もあり、注意が必要です。
[注意が必要な事例]
・初回500円のサプリメントを注文した。1か月後、自分は注文していない2回目の商品と振込用紙が入っていた。
⇒最初に定期購入の契約を結んでいる可能性があります。一方的に代金を支払わないと、受け取った消費者側の債務不履行としてトラブルになるかもしれません。きちんと確認してから対処してください。
・ネット通販で商品を注文したが、なかなか商品が届かず、ネット上では詐欺サイトと書き込みがあった。3週間後、その事業者から覚えのない違う商品が届いた。
⇒この場合も、契約関係があり、「身に覚えのない送り付け」にはなりません。自己判断やネット上の書き込みを信じて、捨てたり受取拒否したりせず、とりあえずそのまま開けずに保管することをお勧めします。
・中には、「もしかしたら注文したかも?」「家族か誰かが頼んだのかな?」など、注文・契約していないことに確信が持てない代引配達がくる場合があります。お金を払わずに、宅配業者に相談して、一定期間保管してもらってください。その間に調べて判断し、場合によっては受取拒否します。
・「家族や友人のプレゼントだった」「販売店からの景品だった」というケースも多くあります。処分する前に確認しましょう。
今回、法律上は「すぐ処分できる」ルールに改正されました。しかし、上記のような注意点を踏まえると、確信を持って「注文も契約も絶対にしていない!!」と言い切れる場合以外は、少しの間処分せずに、調べたり、消費生活センターに相談したりすることをお勧めします。
また、処分する際は、必ず荷物の荷姿や送り状の写真を撮って、記録を残しておきましょう。
なお、改正された特定商取引法の詳細については、消費者庁の「令和3年特定商取引法・預託法の改正について」も併せてご参考ください。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。