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オンラインカジノに日本国内で参加するのは違法です!!

2021年6月28日 公開 / 2021年7月2日更新

テーマ:消費者トラブル情報と対処法

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 消費者問題

コロナ禍で仕事が減っている方もいらっしゃる中、今、インターネット上では、「副業」「稼げる」などの言葉が飛び交い、簡単に稼げるかのような情報が多数見られます。その中には、オンラインカジノや海外ブックメーカーなど、参加するだけで違法になるものもあり、注意が必要です。

また、特に若者を中心に、アフィリエイトビジネスとして、違法なカジノやブックメーカーの情報商材をSNSなどで広めれば稼げるなどと勧誘し、杜撰な情報商材を買わせたりする悪質商法も起きています。更に、こうした海外ブックメーカーの会員を加入させればマージンがもらえるなどのマルチ商法などのトラブルも起きています。
*参考:国民生活センター「アフィリエイト・ドロップシッピング内職」「アフィリエイト・ドロップシッピング内職」

こうしたオンラインカジノのWEBサイトの説明や、先ほどの関連した悪質商法の勧誘トークの中には、「運営会社もサーバーも海外だから違法ではない」「海外で認められているから問題ない」「本当に違法なら、ネット上にたくさんある運営サイトが全部摘発されているはずだか、実際は違う」などと、違法性を打ち消すような説明をしているものもあります。

しかし、日本の法律では、日本国内で購入できるのは公営ギャンブルと宝くじ協会の宝くじだけです。たとえサーバーが海外でも、日本国内でこうした賭博を運営したり、オンラインカジノに参加したり海外の宝くじを購入したりすることは、刑法第185条~187条の賭博罪や富くじ罪に関する法律に抵触します。

そのことについて、国として明確に示している一つに、平成25年の衆議院での国会答弁があります。
【衆議院議員 階猛議員の質問(抜粋)】
一 日本国内から、インターネットを通じて、海外で開設されたインターネットのオンラインカジノに参加したり、インターネットで中継されている海外のカジノに参加することは、国内のインターネットカジノ店において参加する場合だけでなく、国内の自宅からインターネットを通じて参加する場合であっても、刑法第百八十五条の賭博罪に該当するという理解でよいか。

二 上記一の「日本に所在する者」にサービスを提供した者には、国内犯が適用されるか。すなわち、海外にサーバを置いて賭博サービスを提供する業者にも、賭博開帳罪(同法第百八十六条第二項)が成立し得るという理解でよいか。

三 賭博罪の成立要件とされる必要的共犯に関して、共犯者の片方(賭博に参加する者)が国内、もう片方(賭博開帳者)が国外に所在する場合に共犯関係は成立し得るのか。片方を罰する事が出来ない(非可罰的な)状態にあっても、両者による共犯関係を立証することが出来ればもう片方の者の罪は成立し得るのか。

四 日本国内から、インターネットを通じて、代行業者を通じて海外の宝くじを購入する行為は、刑法第百八十七条第三項の「富くじを授受」する行為に該当するという理解でよいか。


【質問に対する答弁(回答者:安倍内閣総理大臣(当時)】
一から三までについて
 犯罪の成否については、捜査機関が収集した証拠に基づいて個々に判断すべき事柄であることから、政府として、お答えすることは差し控えるが、一般論としては、賭博行為の一部が日本国内において行われた場合、刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八十五条の賭博罪が成立することがあるものと考えられ、また、賭博場開張行為の一部が日本国内において行われた場合、同法第百八十六条第二項の賭博開張図利罪が成立することがあるものと考えられる。

四について
 犯罪の成否については、捜査機関が収集した証拠に基づいて個々に判断すべき事柄であることから、政府として、お答えすることは差し控えるが、一般論としては、富くじの授受行為の一部が日本国内において行われた場合、刑法第百八十七条第三項の富くじ授受罪が成立することがあるものと考えられる。
*出典: 衆議院WEBサイト「平成二十五年十月二十二日提出 質問第一七号 賭博罪及び富くじ罪に関する質問主意書」、「衆議院議員階猛君提出賭博罪及び富くじ罪に関する質問に対する答弁書

要約すれば、日本国内で賭博行為の一部(金銭の受け渡しも含む)や、海外宝くじやブックメーカーの受け渡しがされた場合は、政府としては、犯罪として成立すると考えられると回答しています。

法律の考え方の一つに、「クリーンハンズの原則」があります。簡単に言うと、法律は、法律を犯している者を保護しないという考え方です。
もし、オンラインカジノや海外ブックメーカーに、違法と知りながら、あるいは繰り返し参加している場合は、「元々法律を犯している」ことのなる可能性があります。すると、もしトラブルが起きた際、公的機関では相談などを対応してもらえないとか、返金請求などが一部出来なくなるケースも考えられ、要注意です。

なお、勧誘時などで、オンラインカジノの刑事事件で不起訴処分になった例があるから問題ないかのような説明をしている場合があります。不起訴処分になった場合、制度上「前科」はつきませんが、警察の逮捕歴はそのまま残ります。それで問題があるかないかは個々人の判断によりますが、そうしたリスクも踏まえて十分注意してください。

もし、オンラインカジノや海外ブックメーカーの勧誘を受けたり、トラブルに巻き込まれたりしたら、まずは局番なし188の消費者ホットラインに電話し、お近くの消費生活センターへ相談してください。

この記事を書いたプロ

池見浩

消費者の権利と責任を社会に確立する消費生活のアドバイザー

池見浩(消費者考動研究所)

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