【日本理化学工業(株)大山社長】講演会
新型コロナの落ち着きとともに、雇用情勢も順調に回復していますが、
企業としては、人手不足・採用難があらためて大きな課題となっています。
採用が難しければと、既存社員の定着促進を図ろうという動きも増えていますが、
離職理由の「本音」としては、人間関係が上位を占めており、社内における円滑な人間関係の構築が、重要なテーマといえます。
今回は、円滑な人間関係の構築に有効なコミュニケーション方法の一つである「アサーション(アサーティブ・コミュニケーション)」をご紹介します。
アサーションとは、自分も相手も大切にする自己表現法で、自他を尊重した自己主張とも言われるものです。
自己主張の3つのタイプ
まず、自己主張のタイプとして以下の3つが挙げられます。
よくドラえもんの登場人物に例えられますが、そうするとイメージしやすいかもしれません。
①アグレッシブ(攻撃的)
相手の権利を尊重せず、自分の権利ばかりを主張。
(ドラえもんでは「ジャイアン」)
②ノン・アサーティブ(非主張的)
言いたいことが言えずに、自分の意思や権利を自分で守れない。
(ドラえもんでは「のび太」)
③アサーティブ
相手の自己主張する権利を認めたうえで、自分自身の意思や権利を主張する。
(ドラえもんでは「しずかちゃん」)
上司など役職者に①の方が多いようなイメージもあるかもしれませんが、
最近はパワハラとなることを恐れて②になっていることも考えられます。
このなかでは、もちろん自分も相手もOKな③が理想とするコミュニケーションです。
では、どうやって実現するか?
Iメッセージ
自分が主張したいことを、主語を「私(I)」にして伝えることで、
印象も柔らかになり、相手に受け入れられやすい伝わり方になります。
(例1)あなたは(You)、間違っています。
私は(I)、あなたと違う考えです。
(例2)あなたは(You)、その業務に時間がかかりすぎだ。
私は(I)、時間がかかっているようで心配です。
私は(I)、もう少し早くしてもらえると助かります。
DESC法
自分が主張したい(相手に伝えたい)をこと、次の4つに分類して伝えることで、
分かりやすく相手の立場を尊重しながら伝えることができます。
D(Describe)描写する
E(Explain/Express)表現する・説明する
S(Suggest/Specify)提案する
C(Choose/Consequence)選択する・結果を伝える
(例)遅刻してきた社員に対して、
怒りにまかせて頭ごなしに叱責してしまいがちですが、
DESC法ではこんな感じになります。(極端な例ですが。)
D 今日は9時10分に出社したね(評価を加えず事実のみ伝える)
E 何も連絡がないと心配になる
S 時間通りに来てほしいし、遅れるときは連絡がほしい
C 時間通り来てくれると心配しなくてすむし、遅れるときも連絡くれると安心する
仮に自分に非があることだったとしても、ストレートに言われると、言い訳したり、抵抗・反発してしまうものですが、これだと素直に受け入れられるのではないでしょうか。
社内において、上司・部下の関係や、同僚間でも有効なコミュニケーション方法かと思います。
家庭でも活用できますね。
ぜひお試しください!