ファイナンシャルプランナー事務所始めました。
こんにちは。増子です。
秋の空気と冬の空気が2・3日ごとに入れ替わっているような天気が続いているため、体調の管理が難しくなってきているようです。
そろそろインフルエンザもはやりだす頃です。
予防接種などの準備は早めに行うようしましょう。
さて、本日は、病気やケガなどで仕事を長期間休養することになった場合の所得補償についてです。
私は不動産会社を経営しているのですが、「病気やケガで働けなることが怖いので家が買えないんです」といったような相談を受けることが良くあります。
住宅ローンを組む際に、将来的に病気やケガをした時の心配事として医療費の負担以外にも、「仕事を休むと収入が途絶えてしまうのではないか」という生活費の不安をあげる方は多いです。
当然ながら、働かなければ給料は入ってきませんが、会社員の方は仕事を休んだからといっていきなり収入がゼロになることはありません。
健康保険法や労働基準法などさまざまな制度によって、生活が守られているからです。
今回はこれらの制度について一つずつ説明していきます。
有給休暇
まずは有給休暇です。
有給休暇の日数は勤続年数により異なります。
例えば、入社から6年6ヶ月経った社員には年間20日付与されることが法律で決められています。
有給休暇の取得時効は2年間です。
年間20日付与される方は、最大40日間の有給休暇を取得できます。
有給休暇の使用理由に制限はなく、病気やケガで仕事を休んだ場合は有給休暇を申請するのが一般的です。
傷病手当金
次に、療養期間が有休休暇の取得日数より長引きそうなケースを説明していきます。
会社員の健康保険には「傷病手当金」という制度が有ります。
長期にわたり病気やケガのため仕事に就けなくなくなり、給料が払われなくなった場合、その間の生活保障をしてくれる所得保障の制度です。
連続して3日間を含み、4日以上仕事を休むと「傷病手当金」の給付対象になります。
支給額は1日につき、標準報酬日額×2/3を受け取ることができます。
日給1万円なら6,666円、月給30万円なら20万円という計算になります。
支給期間は最大で1年6ヶ月です。
最近は、精神疾患で「傷病手当金」を利用している方も増えてきています。
精神疾患は長期の療養になりやすいため、1年6ヶ月の期間は貴重です。
「傷病手当金」は勤務先に申請しないと給付を受けることができないため、注意が必要です。
もし、長期の療養等が必要になった場合は、必ず勤務先に相談し、「傷病手当金」の給付を申請しましょう。
「傷病手当金」は意外と知られていない制度ですが、病気やケガ等で会社を長期にわたって休むことになってしまう場合には、かなり有効な制度です。
「傷病手当金」は生活を支える大きな助けとなりますので、この機会に、頭の片隅に置いておいて下さい。
障害年金
「障害年金」とは病気やケガで生活や仕事などができなくなった場合、年金や一時金で給付される国の公的年金です。
障害年金には1級から3級まで有り障害の重さによって認定される等級が異なります。
年金の給付金額は1級が一番多くなります。
障害年金に該当する障害よりも軽い障害が残った場合には、一時金として「障害手当金」を受け取ることができます。
「障害年金」には基礎年金と厚生年金があります。この辺は一般的な年金のシステムと同じです。
基礎年金は1・2級のみが対象ですが、会社員の方などが加入している障害厚生年金は3級と一時金に対応しています。
自営業の方よりもサラリーマンの方の方が障害年金の給付ハードルは低いといえます。
支給額は収入によって異なるため、正確な金額の算出はできませんが、概算の月の平均としては、
・1級 約16万円程度
・2級 約12万円程度
・3級 約6万円程度
と言われています。
「障害年金」は申請の手続きが面倒なため、請求できる状態なのに請求されてないケースも多いようです。
給付金専門の社会保険労務士の方もいらっしゃるので、多少費用はかかりますが、相談して申請を任せるのも良いかもしれません。
ちなみに「傷病手当金」と「障害年金」併給できません。
どちらか金額が高い方が優先されて支給されるため、一般的には「傷病手当金」が優先されます。
「障害年金」は「傷病手当金」の支給期間が満期を迎えた後に、支給を申請することになるかと思います。
就業不能保険
就業不能保険とは、病気やケガによって働けなくなってしまった時に、毎月のお給料のように収入をカバーすることができる民間の保険です。
最近では、西島秀俊さんと渡辺直美さんのCMで知名度も上がって、注目も増しています。
就業不能保険の保険金は月10万円から50万円程度が一般的です。
就業不能保険は就業不能状態になってから、60日から180日まで(この日数は保険会社によって異なります)給付を受けることができない免責期間があります。
保障は60歳前後まで受けられるため、「傷病手当金」よりも長期間保障を受けることができます。
保険料は基本的に掛け捨てになります。
長期の療養が想定される精神疾患は、免責事項にしている保険会社が多いため、加入する際に確認して下さい。
「傷病手当金」や「障害年金」では生活費が不足してしまいそうな場合は、就業不能保険はリスクの保全としては有効な手段といえそうです。
まとめ。
いかがでしたでしょうか。
長期療養の不安は、多かれ少なかれ誰にでもあることだとは思います。
日本は世界的に見ても、公的セーフティネットや民間の生命保険の充実度は間違いなくトップクラスです。
このような制度や保険を知っておけば、万が一の状況に陥った場合で冷静に対応し、リスクを最小限に抑えることができるでしょう。