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三段に重ねる、ご先祖様へのおもてなし

西村賢

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テーマ:仏事のあるくらし

三段に重ねる、ご先祖様へのおもてなし

――静岡のお盆に受け継がれる「三段盛」――

お盆には、盆棚を整え、季節の食べ物や故人の好物をお供えして、ご先祖様をお迎えします。
そのお盆飾りのなかで、静岡市を中心とした静岡県中部に受け継がれているのが、「三段盛(さんだんもり)」と呼ばれる供物台です。
三つの丸い台が縦に並ぶ、すっきりとした姿が特徴で、一般的には一対で用い、盆棚や祭壇の左右に飾ります。高さがあるため、お供え物が美しく見え、限られた場所にもすっきりと飾ることができます。
古くから伝わる供え方の一例では、
•上段に「つみ団子」
•中段に「お菓子」
•下段に「果物」
を盛ります。
つみ団子は、白い団子を積み重ねてお供えするもので、地域や家庭によって数や積み方が異なります。お菓子には落雁や羊羹、砂糖菓子などを、果物にはその季節に採れるものや、故人が好きだったものを供えます。夏場は傷みやすいため、日持ちするお菓子や果物の缶詰などを用いることもあります。
三段盛そのものが、仏教の教義として必ず必要と定められた仏具というわけではありません。しかし、三つの段を一つひとつ整え、心を込めて食べ物を盛る所作には、「今年もどうぞお帰りください」「ゆっくりお過ごしください」という、ご先祖様への温かなおもてなしの心が表れています。
お盆の飾り方は、同じ県内でも地域や宗派、各家庭の習慣によって異なります。三段盛もまた、土地の暮らしのなかで大切に守られてきた、静岡ならではのお盆文化の一つです。
形だけを整えること以上に大切なのは、亡き人を想い、感謝の気持ちを込めてお供えすること。
三段に重ねられたお供え物の一つひとつには、目には見えない家族のつながりと、受け継がれてきた祈りの心が込められているのです。






三段盛(さんだんもり)
静岡市を中心とする県中部のお盆で用いられる三段式の供物台です。一対で飾り、一般的には上段につみ団子、中段にお菓子、下段に果物をお供えします。
飾り方は地域やご家庭によって異なるため、その土地の習慣を大切にしながらお飾りください。


三段盛の向き――正面はどちら?

三段盛は、盆提灯と同じように三本の脚で支えられています。一般的に三本脚の道具は、「一本の脚がある側」を正面として扱います。
では、その正面をどちらへ向ければよいのでしょうか。
三段盛は、ご先祖様や仏様へ食べ物をお供えするための供物台です。そのため、一本脚のある正面を仏様側へ向け、お参りする側から見ると二本の脚が手前に見えるように置くのがよいとされています。
一方、三本脚の盆提灯は、ご先祖様をお迎えする灯りという意味合いから、一本の脚をお参りする側へ向けて飾る場合があります。
つまり、飾り方の目安は次のとおりです。
•三段盛:二本の脚をお参りする側へ
•盆提灯:一本の脚をお参りする側へ
三段盛は「仏様にお供え物の正面を向ける」と覚えると、分かりやすいでしょう。
ただし、お盆の飾り方には地域やご家庭、寺院による違いがあります。長く受け継がれている飾り方がある場合は、その習慣を大切にしてください。

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西村賢
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陽光堂 (株)西村商店

企画・デザインから生産、販売まで一貫管理。伝統技術と革新を融合し、仏壇・仏具の多様なニーズに応えます。

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