子が大学入学時に受けた奨学金を親が一括返済した場合における課税関係
A社は、本社工場の駐車場を広げるために、駐車場に隣接する土地(以下「本件土地」といいます。)を所有者B氏より取得しましたが、B氏から本件土地上の樹木について立木補償金100万円の請求があったため、本件土地の購入代金500万円とともに支払いました。
A社は、本件土地を取得してまもなく、立木を伐採して整地の上、駐車場として利用していますが、工事業者に立木の伐採費用50万円及び本件土地の整地費用30万円を支払いました。
さて、〔1〕立木補償金100万円、〔2〕伐採費用50万円、〔3〕整地費用30万円及び〔4〕立木の売却収入20万円は、税務上どのように取り扱うべきでしょうか。
■ 回答
1 法人が建物等の存する土地を建物等とともに取得した場合において、その取得後おおむね1年以内にその建物等の取壊しに着手する等、当初からその建物等を取り壊して土地を利用する目的であることが明らかであると認められるときは、その建物等の帳簿価額及び取壊費用の合計額(廃材等の処分によって得た金額がある場合は、当該金額を控除した金額)は、当該土地の取得価額に入れることとされています。
これは、土地及びその土地上に存する建物等の取得が、当初から建物等を利用する意思がなく、土地のみの使用を目的とするものである場合には、その建物等の帳簿価額及び取壊費用も土地の取得価額に算入することを示したものであり、その「当初から建物等を利用する意思」がないことを判定する形式上の目安として、「おおむね1年以内に取壊しに着手したこと」を挙げたものと解されます。
なお、この「建物等」とは、建物に限定されるものではなく、その土地上に存するものである限り、構築物や立木等についても同様に取り扱うべきところと解されます。
A社は、本社工場の駐車場を拡張するために、本件土地を購入し、土地代金及び立木補償金を支払った上で、その立木を伐採して売却したものであり、その立木は、本件土地の取得の当初において本件土地を駐車場として利用する目的で取得され、伐採されたものと認められます。
そうすると、上記の取扱いにより、法人が支出した立木補償金の額100万円及び伐採費用の額50万円の合計額から立木の売却収入金額20万円を控除した金額130万円については、本件土地の取得価額に算入するのが相当と考えます。
2 また、埋立て、地盛り、地ならし、切土、防壁工事その他土地の造成又は改良のために要した費用の額はその土地の取得価額に算入することとされています。
A社が工事業者に支払った整地費用の額30万円は、本件土地の改良のために要した費用に他なりませんから、これもまた、本件土地の取得価額に算入すべきものと考えられます。