義援金に関する税務あれこれ
平成27年国勢調査によると、一般世帯数のうち「ひとり親と子供から成る世帯」は一般世帯数の8.9%であり上昇を続けています。未婚、別居、離婚および死別などの理由により、子供を1人で養育している親を中心に、所得税法上の所得控除である寡婦(寡夫)控除との関係を確認していきましょう。
■寡婦(寡夫)控除の概要
所得税法上、寡婦(寡夫)控除は、「住居者が寡婦又は寡夫である場合には、その者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から27万円を控除する」とされ、納税者本人が「寡婦(寡夫)」である場合に、その者の各所得の金額の合計額から控除される所得控除の一種です。
また、寡婦控除の特例として、「寡婦」のうち「特定の寡婦」に該当する場合には、27万円に8万を加算した35万円が寡婦控除の額となります。
所得税法上の「寡婦」および「寡夫」とは、夫(妻)と死別し、若しくは離婚した後婚姻をしていない人、又は夫の生死が明らかでない一定の人で、扶養親族がいる人又は生計を一にする子がいる人です。なお、「母子及び父子並びに寡夫福祉法」における寡婦と所得税法上の「寡婦」とは異なり、また、「自動扶養手当法」に基づき児童扶養手当が支給されている母または父であっても、所得税法上の「寡婦」または「寡夫」に該当するとは限りません。
個人住民税においても寡婦(寡夫)控除がありますが、本稿では説明を省略します。
■シングルマザー(ファーザー)と寡婦(寡夫)控除
子供を1人で養育しているという点では、同じ状況にある親であっても、「寡夫」の要件には本人の所得制限があるのに対し、「寡婦」にはなく(ただし、「特定の寡婦」には本人の所得制限があります)、シングルマザーとシングルファーザーとでは要件が異なります。