コラム
労基署から指摘された残業代の清算金の取り扱い
2017年10月30日 公開 / 2020年4月29日更新
昨今、労働基準監督署からの監督が厳しくなっており、指摘に基づき、残業代の清算を行うことがあります。その場合、過去の残業代について支払う場合、修正申告や更生の請求などを行う必要はあるのでしょうか。解説していきます。
賞与が未払であれば、原則的に、法人税法上の債務確定の基準に従い、
〔1〕年度末までに債務が成立していること
〔2〕年度末までに原因となる事実が発生していること
〔3〕年度末までにその金額を合理的に算定することができるものであること
の3つの要件の全てに該当するかどうかを判断することになります。
法人税法上、使用人に対する賞与(臨時的な給与の支給)については、次に掲げる賞与の区分及び時期に支給されたものとして取り扱うこととされています。
法人税法上、賞与は、給与のうち臨時的なものをいうとされていますから、時間外手当遡及精算金についても各従業員に対する賞与になると考えられます。
時間外手当遡及精算金は、内容的には過去数年分にわたるものになることもありますが、労働基準監督署の調査における指摘によるものですから、上記1の債務確定の基準の〔1〕債務の成立、〔2〕具体的給付原因の発生、〔3〕金額の合理的算定の3つの要件の全てを満たすことになるのは、支払った日、またはその金額を全員に通知した日と認められます。よって、その事業年度に損金算入すればよいため、修正申告や、更生の請求等の処理は不要であると考えられます。
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