年老いた母に「年間180万円」の生活費を援助 ・・・「贈与税」はかかるの?
年末調整・確定申告の時期が近づいてきました。今回は、すっかりおなじみとなった、住宅借入金等特別控除についてとりあげたいと思います。
実は、住宅借入金等特別控除は時限立法であり、その時々の経済状況において制度の改正が繰り返され、現在に至っています。税額控除であるため、控除できる所得税や住民税を納めていないと、その効果は得られないのが基本です。
◆対象となる家屋等
住宅借入金等特別控除の対象となる家屋等は、一定の要件を満たす「新築住宅」、「中古住宅」、「家屋の増改築等」です。
「新築住宅」とは、住宅を新築した場合又は新築住宅を購入した場合を指し、面積要件を満たすものをいいます。面積要件の1つは、床面積が50㎡以上の家屋であること、もう1つは、床面積の2分の1以上が、専ら自己の居住の用に供される家屋であることです。なお、認定住宅の適用を受ける場合は、各種証明書の提出が必要になります。
「中古住宅」とは、新築住宅の面積要件を満たし、取得日以前20年以内(耐火建築物は25年以内に建築されたもの、新耐震基準適合住宅は築年数要件なし)で、建築後使用されたことのある家屋等をいいます。
「家屋の増改築等」で適用する場合は、複雑な要件を満たす必要がありますので、税理士もしくは工務店に相談してください。。
◆対象となる住宅借入金等
対象となる住宅借入金等は、期間が10年以上のものに限られます。また、借入先は、金融機関等だけでなく、勤務先からの社内融資でも適用されます。しかし、社内融資の場合は、金利が1.0%以上でなければなりません。なお、フラット35を含む民間の金融機関等からの融資等の場合、金利水準は問われず、1.0%未満であっても住宅借入金等特別控除の対象となります。
家屋とその敷地を一括して購入した場合は、その両方の購入に係る借入金が対象となりますが、家屋に係る借入金があることが要件とされます。家屋の新築の日前2年以内にその家屋の敷地を借入金で購入した場合も、新築家屋を目的とする抵当権が設定されているなどの要件を満たせば、敷地に係る借入金は適応対象となります。
◆住宅借入金等特別控除額
住宅借入金特別控除額は、「年末借入金等残高(4,000万円を限度)×1%」となります。なお、一定の要件を満たせば、限度額は引き上げられます。
なお、所得税の住宅借入金等特別控除可能額のうち、所得税において控除しきれなかった額は、翌年度の住民税から控除されます。
◆必要な手続き
原則として確定申告により控除されますが、給与所得者については、最初の年分について確定申告をすれば、その翌年以降の年分(控除期間内)については年末調整より控除できます。