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公益法人の設立について その2

内山瑛

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テーマ:税金

公益認定基準
公益法人は、「不特定」「多数」の利益の増進に資するよう、厳格な基準が設けられ得ています。大きくは、公益にに資する活動をしているか、という、「活動内容」の基準、公益目的事業を行う能力や体制が維持できるかという「組織」の基準があります。
二点について、詳しく説明します。

活動内容の公益性について
①公益目的事業を行うことを主としていること
 公益目的事業とは、学術、技芸、慈善その他の公益認定法に限定列挙された事業であって、不特定かつ多数の利益の増進に寄与するものをいいます。公益法人は、公益目的事業を行うことを主たる目的とし、公益目的事業費率が費用の50%以上であることが必要です。50%未満であれば、公益目的事業以外の事業を行うことも可能です。

②特定の者に「特別の利益」を与える行為を行わないこと
 「特別の利益」とは、法人の事業内容から見て、通念上、合理性を欠くような利益・優遇のことです。

③収支相償であると見込まれること
 公益法人は、公益目的事業に係る収入の額がその事業に「必要で適正な費用を賄う額」を超えてはいけません。儲けすぎもダメなのです。

④一定以上に財団をためこんでいないこと
 遊休財産(具体的な使途の定まっていない財産)が一年分の公益目的事業費相当額を
超えてはいけません。

⑤その他(理事等への報酬等への規制、他の団体の支配の規制)
 公益法人の理事・監事等に対する報酬等については、不当に高額にならないような支給の基準を定める必要があります。また、実態として営利活動を行わないよう、他の団体の株式等の財産の保有にも制限があります。

組織の公益性について
①経理的基礎②技術的能力
 業務を他の法人に丸投げすることなく、公益目的活動もそれに関する事務も基本的には自前で行わなければなりません。

③相互に密接な関係にある理事・監事が3分の1を超えないこと
 理事・監事などのうち、親族など一定の緊密な関係にある者の合計は3分の1を超えてはいけません。

④公益目的事業財産の管理について定款に定めていること
 公益法人の財産のうち、公益目的のために消費されるべき財産を「公益目的事業財産」といいます。特に、公益目的事業を行うために不可欠な特定の財産があるときは、その管理について、必要な事項を定款で定める必要があります。
 また、公益のために集めた財産は最後まで公益的に消費するべきものですので、公益認定の取消しを受けたときなどは、公益目的事業財産の残額を、また解散したときには、残余財産をそれぞれ公益目的団体等に贈与する旨、定款に定める必要があります。

⑤その他(会計監査人設置、社員の資格の得喪に関する条件、欠格事由など)

その他の基準について
 以上で説明した基準を満たしていても、次に該当する場合は、公益認定を受けられません。
・理事、監事、評議員のうち、一定の要件に該当する者がいる。
・公益認定の取消しから5年を経過していない。
・定款又は事業計画書の内容が法令等に違反している。
・事業を行うのに必要な許認可を得ることができない。
・過去3年以内、国税、地方税の滞納処分を受けた
・暴力団がその事業活動を支配している。

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