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ふるさと納税に対する特産品を寄附者及び寄附者以外の者が受けた場合の課税関係

内山瑛

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テーマ:税金

【質問】
私は、今年、A市及びB市に「ふるさと納税」としてそれぞれ寄附をしました。
 A市からは、寄附に対する謝礼として5万円相当の地元特産品が私に送られてきました。また、B市については、寄附に対する謝礼の特産品の送付先の指定ができたことから、田舎の母親を指定し、母親が3万円相当の特産品を受け取っています。
 この場合、謝礼として受け取った特産品については、誰に対してどのような課税がされることになりますか。

【回答】
A市及びB市から謝礼として送られた特産品に係る経済的利益は、その特産品を受けたあなた及び母親の一時所得としてそれぞれ課税の対象となりますが、あなたや母親にその年中に他に一時所得に該当する収入がないときには、その経済的利益の額は一時所得の特別控除額50万円の範囲内となりますので、結果的には課税関係が生じません。(繰り返し受取人として指定するなどして、50万円を超えた場合、申告・納税義務があります)

【解説】
所得税法上、各種所得の金額の計算上収入すべき金額には、金銭以外の物又は権利その他経済的利益の価額も含まれます。
 「ふるさと納税」の寄附金の謝礼として受ける特産品に係る経済的利益については、所得税法に規定する非課税所得のいずれにも該当せず、また、地方公共団体は法人とされていますので、法人からの贈与により取得するものと考えられます。
 したがって、特産品に係る経済的利益については、一時所得に該当することになります(贈与税ではありません)。
 ところで、総務大臣が各都道府県知事等宛てに発遣した「地方税法、同法施行令、同法施行規則の改正等について」と題する通知(総税企第39号平成27年4月1日付)の31~32ページ「〈8〉特記事項」の2の(2)には、「ふるさと納税は、通常の控除に加えて特例控除が適用される仕組みであるが、その適用が、地方団体に対する寄附金額の全額(2,000円を除く。)について行われるのは、当該寄附が経済的利益の無償の供与として行われており、返礼品(特産品)の送付がある場合でも、それが寄附の対価としてではなく別途の行為として行われているという事実関係であることが前提となっているものであるが、その場合においても、当該返礼品(特産品)を受け取った場合の当該経済的利益については一時所得に該当するものであること。」と記載されています。
 この記載内容から考えますと、寄附と謝礼としての特産品の送付に関しては、寄附の対価としてではなく別の行為であるとされていますので、ご質問のような場合における寄附者及び寄附者以外の者が受ける特産品の受領に係る経済的利益については、実際にその経済的利益を受けたあなた及び母親の一時所得として課税の対象になるものと考えます。

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