風邪を引かない7つの知恵
皆さんは「ヘリコバクターピロリ」あるいは「ピロリ菌」と呼ばれる細菌をご存知ですか?ピロリ菌は、胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、がんの発症に関与していることがわかっていますが、薬の服用で除菌することも可能です。
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薬の服用で7~8割は除菌に成功
ピロリ菌は、簡単にいうと胃に住み着いて悪さをする細菌です。感染者が多いのはおもに発展途上国ですが、日本においても50歳以上の人では感染率が7割以上と非常に高くなっています。ピロリ菌は飲み水や食べ物を介して感染するといわれ、この世代に感染者が多いのは戦後の衛生状態が悪い時代に生まれ育ったためと考えられています。ちなみに若い世代の感染率は先進国とほぼ同水準です。
ピロリ菌に感染するとほとんどの人が軽い胃炎を起こし、胸がむかむかしたり、胃に痛みを感じたりします。また感染者が必ずかかるというわけではないものの、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんの原因になることもわかっています。
ただ幸いなことにピロリ菌は薬の服用で除菌することが可能です。もっとも代表的なのが3剤併用療法で、抗生剤2種類と胃酸を抑える働きがあるプロトンポンプ阻害薬を1日2回、1週間服用します。この方法で7割~8割の人はピロリ菌の除菌に成功します。除菌が失敗に終わった場合は、再度除菌を実施します。
現在、ピロリ菌の検査と除菌の費用は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍がある患者の場合は保険が適用されます。この場合、再除菌も1回に限って保険が効きます。それ以外の方は自費になってしまいますが、慢性的な胃の不調を抱えている方や胃がん家系の方などは一度医師に相談されてみてはいかがでしょうか。