Calling-休日の薬剤師
新型コロナが猛威を振るって、身近になったものは色々あります。zoomは会社の働き方、コミュニケーションに変化をもたらしました。マスクは私たちの顔を日常的に半分多い、中東世界の女性が顔を覆うような風景がこの日本でも普通になりました。
そしてもう1つ、商業施設などに入る時にアルコール消毒液を手に吹きかける事もそうでしょう。新型コロナの、感染症法対策における位置付けが変わった現在も、アルコール消毒液を手に吹きかけることは珍しくありません。
今はだんだん新型コロナ騒動も落ち着いてきて、感染症上の分類も5類に移行し季節性のインフルエンザと同等の扱いになりました。でもマイクソロフトの元社長のビル・ゲイツ氏は、今後感染症によって甚大な被害が人類に襲ってくるとの予測を立てております。それは、何も根拠のない話ではありません。地球温暖化によって、これまで歴史上、人類の経験したことのない感染性のある病原体が地球上を汚染する可能性を指摘しいてるのです。
人類は感染症対策として様々な抗菌剤、抗ウイルス薬を開発してきました。それによって救われた命は数え切れません。でも同時に、それらの抗菌剤や抗ウイルス薬では有効性が乏しくなった抵抗性のある病原体が残ってきたことも確かなのです。
病院内では、様々な感染者患者に対して抗菌剤を投与しますが、病院の中で感染が広がり、ハイブリットな耐性を持つ病原体(MRSA)を作り出してきてしまったわけです。
そのため現在、抗菌剤を適切に用いるための専門性を持った薬剤師も数多く病院内で活躍してます。
全ての病原体の感染を防ぐことは難しいとしても、一律に建物や駅構内でアルコール消毒を行い感染の広がりを未然に防ぐ取り組みは今後もとても大切な意味を持つことは間違いありません。
丸石製薬の「ウエルセプト」
そこで今日は手洗浄で用いる消毒液の1つ、丸石製薬のウエルセプトを紹介したいと思います。
私どもの薬局の入り口に常備し、また普段調剤業務を行う私たちも使っているこのウエルセプトには以下のような特徴があります。
- 肌に優しく刺激が少ない
- 使用後、肌が滑らかに感じる。
これらの特徴は、乳酸や硫酸亜鉛などの添加物が入っていることが影響しているものと思われます。
ウイルスにも効果を発揮する
加えてこのウエルセプトには大きな特徴があります。通常のアルコール消毒液はウイルスに対して効果を持ちませんが、このウエルセプトは、通常、塩素消毒が必要とされるノロウイルスも含めて、ウイルス類に効果を持つというデータがあるのです(一部のアルコール消毒液には「ウイルスに効く」という謳い文句があるものもありますが注意が必要です)。
通常のアルコール消毒液とは異なり使い心地が良いため評判が良く、私どもの関わる2つの施設でも使っていただいてます(手が荒れている時、アルコール消毒は辛いですね・・)。
薬剤師がお勧めするアルコール手洗浄のやり方
ここで1つ、薬剤師としてアルコール消毒液の使い方のアドバイスをさせていただきたいと思います。
多くの方の消毒液の使い方を見ておりますと、只、掌に伸ばして擦るといった使い方をされているように感じます。
でも実際のところ、雑菌が多いのは、指先や爪です。特に爪はケラチンタンパク質で出来てており、顕微鏡で見るとその表面はとてもざらついております。雑菌がとても留まり易い場所です。その爪の表面が目や鼻の粘膜に触れると、雑菌やウイルスの体内への侵入を許してしまう事になりかねません。
そこで以下のようにアルコール消毒液を使ってみてください。手順は4つです。
- 左掌に少し多めにアルコールを取る。
- 右手の指を丸め、写真のように左掌に溜まったアルコールで爪の部分を殺菌する(掌の中で円を描くようにする)
- 左手をひっくり返し、溜まったアルコールを右掌に移し、同じように左手の爪部分を殺菌する。
- 最後に指の周りや気になるところを殺菌する。
こうすると、とても効果的に指や手、さらには爪部分を殺菌することができます。
(もちろんこの方法は正式なものではありません。何をもって「正式」とするかは議論の余地があるでしょうが、少なくとも医師が手術前に行う手殺菌のやり方とは異なっています。けれども、何か商店の入り口で立ち止まる時間もあまり取れない状況で行う手洗浄の方法としては、これがベストな方法ではないかと感じます)。
ウエルセプトには100mlの携帯用タイプもあり、お出かけに大変便利です。ぜひ、ふじやま薬局までお問い合わせください。お待ちしております。