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法人の決算書を見ているとたまに減価償却費を計上していない会社があります。これは法人税では減価償却の計上は企業の任意とされているからです。
例えば、300万円の車を購入し、6年で償却するとすれば・・・
300万円 ÷ 6年 = 50万円
となるから、1年に50万円の減価償却費を計上することになります。
ここが任意であるとされているってことは、50万円でなくても良いってことだね
60万円計上したら、10万円は損金として認められないし、40万円だけしか計上しないってことにしてもいいわけ。
そうすると、赤字決算となってしまう会社が減価償却費の計上を抑えることにより、黒字化をすることも可能となります。
しかし、これは見せかけだけの黒字ってことになってしまうよね。
「パッと見は黒字だけど、よくよくチェックしてみると赤字じゃん!」
てなことになります。
このように減価償却費で調整した黒字の決算書を金融機関に提出する時、「今回は何とか黒字でした」といったところで、あまり意味がありません。
会計事務所に勤務していた頃、何件かの金融機関の方にこの話題を振ってみたことがありました。
その時の話では、
①見かけだけでも黒字であった方がいい
②減価償却を正確に計上していなければ、正確に計上したものとして計算しなおす
と2つの回答がありました。
でも、①の回答をした金融機関は1つだけ。あと3件聞きましたが、みなさん②番の回答でした。
顧問税理士と決算書の数字をどのようにしていくかの話しのとき、このあたりを考えて相談してみる必要があるかもしれません。
私個人としては、赤字となっても正確な決算書を作成することをお勧めします。