金融円滑化法終了にあたり・・・
コンサルタントとして会社に入ったとき、様々な書類を拝見させていただきますが、その中で最も重要ですべての作業の基本となるものが決算書です。
その決算書からどんなことが読み取れるのか・・・。今日は基本の基本を書いていきます。
まず、損益計算書を見れば、利益が出ているのか出ていないのか・・・、売上はどれくらいあるのかなどはすぐにわかりますね。
そして、その次に見ていくのが、キャッシュフローです。
キャッシュフロー計算書と呼ばれる財務資料はありますが、中小企業では作成していないところがほとんどです。
たまに顧問税理士が作成してくれることもありますけど、そんな小難しい資料を見なくても、損益計算書から大よそのキャッシュフローを見ることができます。それは・・・
経常利益 + 減価償却費
です。この計算式から出た金額が、一年間、商売をしてきたことによって入ってきたカネだと考えていただければいいかと思います。
では、そこから一歩進んで、更に見ていきましょう。
この 『経常利益 + 減価償却費』 で算出した金額が年間を通して会社に入ってきた資金だとすると、その資金から、借入金の返済をしていくことになります。
ですので・・・
経常利益 + 減価償却費 > 借入金の返済額
となれば、資金は回っていると考えることができますが、借入金の返済額が多くなっていると、会社の利益からだけでは返済が追いついていないってことになりますね。
よく経営者の方から聞かれる声として、
「利益が出て税金を払ってるのに、カネが残らない・・・」
というのがあります。これはまさに、この症状が出てるってこと。
これを解消するには2つしかありません。
1.経常利益を増やす
2.借入金の返済額を減らす
事業は順調に進んでいても、キャッシュフローが追いつかないと、資金繰りがタイトになってしまいますから、借入を起こすときには、毎月の返済額をどの程度に抑えれば安全に回っていくのかも考えて金融機関と話をするのも大切なことの一つです。