保育園選びで後悔しないために
「子どもがおじいちゃん・おばあちゃんと同じ建物で過ごす施設」と聞くと、少し不思議に感じるかもしれません。しかし実際に現場で毎日見ていると、この仕組みが子どもの心をどれだけ育て、高齢者の暮らしにどれだけの活力をもたらしているかを実感します。
私は松江市内で保育施設・学童クラブ・デイサービス・サービス付き高齢者住宅を一体的に運営しています。
この取り組みは、「子どもの感受性や好奇心を養うプランを考える中で、異世代間の交流が道徳的情操の育成に有用だ」という確信から生まれました。理論や研究からではなく、子どもたちと向き合う現場から生まれた発想です。
今回は、異世代交流が地域と子どもの成長に与える力についてお伝えします。
なぜ保育と高齢者福祉を同じ場所に作ったのか
子どもの感受性や好奇心を養う活動プランを構築する中で、私は「異世代間の交流が道徳的情操の育成に有用だ」という確信を持ちました。そこから生まれたのが、学童クラブと同一建物内に、高齢者向けのデイサービスとサービス付き高齢者住宅を開設するという取り組みです。
デイサービスに通う高齢者の方々と、学童クラブの子どもたちが、廊下ですれ違い、食事の時間に顔を合わせ、時には一緒に何かを楽しむ。このような日常の積み重ねが、子どもの中に思いやりと老いの現実への理解を自然に育みます。
高齢者の側にも変化が生まれています。子どもは高齢者を思いやる気持ちを育み、高齢者は子どもから活力を得る。子どもたちの声と動きが、高齢者の方々の毎日に表情をもたらしています。笑顔が増えた、よく話すようになった、という声が現場から届いています。
地域住民の関係性を育てることが、福祉の本質
今の社会では、保育と高齢者福祉は行政上も運営上も別々の領域として扱われることがほとんどです。しかし私は、それが地域のつながりを分断する一因になっていると感じてきました。
だからこそ、学童クラブと高齢者施設を同じ建物に置くことにこだわっています。子どもの祖父母世代が自然に交わり、地域住民としての関係性が生まれる。その積み重ねが、地元への愛着心やコミュニティの醸成につながっていきます。
これは単なる事業の組み合わせではなく、地域全体の関係性を設計するという思想から生まれた仕組みです。
縦割りで分断されがちな保育・教育・高齢者福祉を、同じ空間・同じ時間軸で融合させるという発想は、全国的に見ても独自性の高い取り組みです。この仕組みが、島根の地から全国に広がっていく可能性があると信じています。
学習機会の格差:地方の子どもたちに届けたいもの
もう一つ、私が真剣に向き合っている課題が学習機会の地域格差です。都市部の学童には塾などの機能が付加されていますが、地方ではまだ十分とは言えません。学習機会の差が知識の差として現れ、全国の学力調査の結果にも影響を及ぼしています。
子どもたちの生きる力を育み、人生の選択肢を広げること、それが開花の学童クラブ事業の目標です。島根にいても多様な学びが得られる環境を当たり前にしていく。その実現に向けて、事業の充実を着実に進めています。
子どもの可能性は、生まれた場所によって決まるべきではありません。質の高い学びや体験を通して、一人ひとりの可能性を切り開くことが私たちの使命です。
前職でのビジネス経験を活かし、地域の教育格差を解消するビジネスモデルとして学童クラブ事業を設計することが次のステージだと考えています。多くの子どもたちが、どこにいても可能性を広げられる社会を、島根から実現したいと思っています。
実行と改善を繰り返す、持続可能な福祉の未来へ
2013年に理事長に就任してから、私は実行と改善を繰り返すことを経営の核に置いてきました。前職の大手産業機械メーカーで東南アジア・インドの統括社長として海外展開に携わった経験が、福祉事業の経営にも活きています。就任以来、純資産は倍以上に成長し、地域の福祉基盤として着実に発展を遂げてきました。
保育・教育・高齢者福祉を一体的に運営することを通じて、地域全体の教育と福祉を改革し、島根にいても多様な学びが得られる環境を当たり前にしていきたいと考えています。
大きな園をひとつ運営する方が経営面では効率的かもしれませんが、子どもたち一人ひとりに寄り添った保育をしたいという現場の思いを尊重しています。数字の効率よりも、人の豊かさを優先する。それが社会福祉法人としての責任であり、私の使命です。
健全で持続可能な福祉の未来を創造するために、社会福祉法人開花は島根の地で挑戦を続けています。保育・学童・高齢者福祉に関するご相談はお気軽にどうぞ。


