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利用者の視点で独自性あふれる価値を生み出し、持続可能な福祉の未来を創造

地域ニーズに応じた保育と福祉を実践するプロ

砂田正英

砂田正英 すなたまさひで
砂田正英 すなたまさひで

#chapter1

日本文化や自然に親しみ、グローバル感覚を養う多様性に富む保育を展開

 「実行と改善を繰り返し、健全で持続可能な福祉の未来を創造します」と話すのは、社会福祉法人「開花」の理事長・砂田正英さん。1978年に開園した比津ヶ丘保育園をはじめ、松江市内に、乳児園や認定こども園、企業主導型保育園、児童・学童クラブを運営し、子どもたちの成長を支えています。

 「私たちが大切にしているのは、画一的な施設にしないこと。例えば、『比津ヶ丘保育園』では日本文化の伝承をテーマに、茶道や和太鼓を学びます。『認定こども園わらべのその』では、草花や野菜の栽培を通じて自然に親しみ、『融合こども園』では英語教室を軸にグローバル感覚を身につけ、それぞれが特色ある保育を実践しています」

 保守的で安定志向が強いとされる分野において、「利用者の視点で価値を考える」という理念を一貫。バラエティーに富んだ保育・幼児教育に取り組んでいます。

 「従来の福祉は、『そこにある』存在自体が評価されましたが、今は利用者が主体的に選ぶ時代です。安心感とともに、納得感と満足感をかなえる体験を届けられるよう、各施設の在り方を設計しています」

 子どもの感受性や好奇心を養う活動プランを構築する過程で、異世代間の交流が道徳的情操の育成に有用だと感じた砂田さん。学童クラブと同一建物内に、高齢者向けのデイサービスとサービス付き高齢者住宅を開設。日々の暮らしの中で、ふれあえる場を提供しています。

 「子どもは高齢者を思いやる気持ちを育み、高齢者は子どもから活力を得る。地域住民の“関係性”を築き、地元への愛着心やコミュニティーの醸成につなげています」

#chapter2

ビジネスの現場で手腕を振るい、利用者から選ばれる保育の提供を決意

 2013年に理事長に就任して以来、砂田さんは、子育てにまい進する保護者のニーズを満たすべく、保育施設を拡充。純資産は倍以上となり、地域の福祉基盤として発展を遂げてきました。

 以前は大手産業機械メーカーに勤めるビジネスマンで、海外展開に尽力。東南アジア・インドの統括社長として、参入戦略をけん引した経歴を持ちます。

 「やりがいのある仕事でしたが、『このまま海外にいていいのだろうか』と考えるようになりました。日本で待機児童問題が深刻化しているニュースを見て、妻の父が経営する保育園が頭をよぎりました」

 長年地域に貢献してきた実績があり、共働きの増加を背景に需要が高まっている市場。自分のビジネス経験が、どこまで通用するのか試したい気概も後押しし、事業を引き継ぐことに。

 「まず驚いたのが、『選ぶ側』という意識の欠如です。当時は空きがない園が多く、保護者さまも『利用できるだけでありがたい』という心境だったかもしれません。大事なわが子を預ける場所だからこそ、『ここでいい』ではなく『ここがいい』であってほしいと思い至り、独自性を打ち出すことを指標にしました」

 各園を一様にそろえず、オリジナリティーを追求。創意工夫したカリキュラムは、従業員の知見も広げています。

 「当方は、本人の希望に即した施設に入職できる体制を整えています。転職せずとも、さまざまな現場でキャリアを積めることでモチベーションが上がり、定着率もアップする好循環を生んでいます」

砂田正英 すなたまさひで

#chapter3

学習における地域格差の解消を目指し、多様な学びが得られる場を創出

 砂田さんのもとには、「複数園を運営するよりも、すべての要素を取り入れた大型園を作ればいいのでは?」といった問いが寄せられることも。小規模園にこだわる姿勢には、利益だけでは測れない意義があります。

 「大きな園をひとつ運営する方が経営面では効率的かもしれませんが、子どもたち一人一人に寄り添った保育をしたいという現場の思いを尊重しています。また、異なる個性を持つ施設が生み出す相乗効果もあります。グループ合同運動会では、各園の魅力を掛け合わせた演目をお子さんが楽しみ、保護者にも喜ばれています」

 前職でも「1+1が3以上になる瞬間」を見てきた砂田さん。違いを受容し、相互理解を深めることは、子どもの社会性を育む上でも重要だと提言。教育サービスが不足している現状にも目を向け、学童クラブ事業を充実させることを構想しています。

 「都市部の学童には塾などの機能が付加されていますが、地方ではまだ十分とは言えません。学習機会の差が知識の差として現れ、全国の学力調査の結果にも影響を及ぼしています」

 数多くの園児を迎え入れてきた経験から、「子どもは適切な環境を整えれば、どこまでも伸びる」と確信。質の高い学びや体験を通して、一人一人の可能性を切り開きたいと言います。

 「子どもたちの生きる力を育み、人生の選択肢を増やすことが目標です。私たちがかじ取りを担い、地域全体の教育や福祉を改革することで、島根にいても、多様な学びが得られる環境を当たり前にしていきたいですね」

(取材年月:2026年3月)

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専門家プロフィール

砂田正英

地域ニーズに応じた保育と福祉を実践するプロ

砂田正英プロ

社会福祉法人 理事長

社会福祉法人開花

子どもの個性や家庭のニーズに応じた複数の保育施設を運営。特色の異なる環境を整え、利用者が納得して「ここがいい」と選べる体制を整備。学童事業にも取り組み、教育機会の提供を行っています。

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