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厚生年金基金を取り戻せ

細川豪

細川豪

テーマ:企業年金

厚生年金基金に加入していたのに忘れていませんか?


請求しないともらえない、終身で受け取れるのに
現在100万人超の方が未請求の眠れる年金を起こしましょう!


多くの方が入っている厚生年金基金とは


厚生年金基金とは、国が行う老齢厚生年金の一部(報酬比例部分)の支給を代行し
これにプラスアルファ部分を上乗せして年金給付を行う仕組みです。



これを見てもお分かりの様に、厚生年金の一部を企業が運用代行することで、
うちの業界は年金の上乗せをできる仕組みがあるんです。
というキャッチフレーズでリクルートと離職を減らす仕組みとして
多くの企業が採用してきた経緯があります。

運用代行することで、国の年金の一部と企業独自の年金を足して規模のメリットを
生かした運用ができるという事情や、バブル経済の頃なら、そもそも運用が
うまくいっていたので国に任せるよりもいいよね。という企業側の事情もありました。

未請求者が100万人超でもしかしたら自分もかも!


私は現在48歳ですが、FPとして独立するまで転職を何度か経験しました。
それも、半分は勤めていた会社が倒産したり
営業権を譲渡して廃業したりといったことでの
やむを得ない転職でもありました。

その間に、厚生年金基金に加入していたかもしれないと思いましたが、
記憶がありません。

しかも、転職して住所が変わっており、また基金に加入していたのではと
思う基金が解散しており、「あなたはこの厚生年金基金に加入していました」
将来は〇〇円年金が終身でお受け取りになれます。
つきましては60歳で年金の受け取り請求を行ってください。

というお知らせも来ないのです。
要は、あれ?もしかしたらと思い出さなければ一生受給権がある年金を
受け取れないという事態になるのです。

年金給付のイメージ



*日本年金機構HPより

国の老齢厚生年金の代行部分(報酬比例部分)に上乗せして
基金が独自に支給する年金をプラスアルファ部分と言い
代行部分と併せて基金から支給されます。
厚生年金基金加入員期間にかかる部分(基金代行部分)の支給義務は
基金等に移されているため、国から支給される老齢厚生年金(報酬比例部分)は
代行部分が差し引いて支給されることになります。

だから厚生年金と違う請求を起こさないと支給されないという仕組みなわけです。


解散や代行返上、退職時の取り扱い


基金の母体企業の経営悪化で基金を解散しますという事例が出てきて
解散に至ったり、代行部分の運用がうまくいかないので、これ以上代行しても
損失を穴埋めしないといけない重荷にしかならないから国に代行していた部分を返そう。
これが代行返上です。
どちらにしても、基金の運用を全部、一部止めます。ということです。

解散や代行返上、自分が企業を退職した場合の取り扱いについてですが
平成26年4月1日以降に解散、代行返上した場合と
平成26年3月31日までに解散、代行返上した場合とで扱いが分かれます。


*日本年金機構HPより

解散等の時期が平成26年3月31日までの解散等は企業年金連合会に移管され
年金給付をする仕組み。
解散等の時期が平成26月4月1日以降の解散等は基本部分は国が、プラスアルファ部分は
企業年金連合会が担っています。

今回の私の場合


記事冒頭にも書きましたが、結果的に転職回数が多く、転職した企業のどこで
厚生年金基金に入っていたか記憶がなく、その厚生年金基金が解散したりして
母体企業もろとも連絡がつかない状態でした。

そこで、企業年金連合会に問い合わせをすることとしました。




企業年金連合会のHPから必要事項を入力して送信を押す。



受付されましたと、時間がかかるかもという案内がでます。




数日後、メールが帰ってきまして、なんとあなたが入っていた厚生年金基金が
ありますとの回答。(正確には同姓同名、基礎年金番号が一緒、生年月日が一緒)

現在、コールセンターに電話して、年金引継ぎのお知らせ、移管完了通知書の再発行
依頼をしたところです。
本来は、この通知書などは、基金が解散、代行返上して、企業年金連合会に引き継がれたときに
来ていたはずのものですが、引っ越しを繰り返したせいで、おそらく通知が不着となって
送付先に戻ってきている事案だろうと思います。

冒頭でお話しした未請求者が100万人超いて、私を含めた未着、不着が65万人以上いるのですから
制度そのものの問題でもあります。

届いているのに返答していない人も40万人いるわけで、これらは反応するかしないかを
自分で決められますが、不着の場合はどうしようもありません。

マイナンバーで紐づけてあれば、基礎年金と紐づけてあれば、転職、転勤でも追跡は
できたはずです。このあたりは制度設計の修正を待ちたいと思います。

でも、これで消えた年金、見つけられない年金とならずに済みました。

気を付けたほうがいい方々と対処法


気を付けたほうがいい方をまとめると

①お知らせが郵送されているが、結果的に無視している人
これらは、インセンティブがあれば無視はしなくなるので、
中身をしっかりと読むことが大事ですね。

②転職が多い人
どこの企業年金で基金に加入していたか覚えていればいいのですが、
覚えてないなら企業年金連合会に問い合わせ。

③退職後に引っ越しした人
こちらも郵送が不着になりがち。
連合会に問い合わせ。

④結婚して姓が変わった人
③と同様ですね。

⑤わずかしか働いてないからもらえないと思い込んでいる人
1か月でも働いていて、当該企業が破綻していても、記録が企業年金連合会に
引き継がれているはず。しかも請求時効は現在適用されていないため
企業年金連合会へ問い合わせ。


各企業年金の窓口

*金融広報中央委員会 知るぽるとより



今回の企業年金連合会は企業年金全体のエルボー的な役目をしています。
解散、代行返上された基金の原資の移管や確定給付企業年金や基金を転職時に
持ち運ぶ中継基地として、さらに受給者に年金の給付をする役割などを
担っています。
以前は厚生年金基金連合会でしたが、平成17年に今の企業年金基金連合会に変更となりました。

ちなみにiDeCoを所管し、持ち運びなどの業務を担うのは国民年金基金連合会です。

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細川豪
専門家

細川豪(ファイナンシャルプランナー)

いわみマネークリニック株式会社

保険と家計の見直しで、10年間分の貯蓄を約500万円増やすことに成功。その方は子供の教育資金の借入をせずに大学進学資金を準備できました。節税や資産運用関連など、多数の相談実績があります。

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