発達障害者と一緒に働くことで見えてくるもの
子供の変化を実感できる ひだち教室の特徴
当教室の特徴はなんと言っても、体験活動にあります。
人は座学よりも体験の方がより多くを学べるという考えのため、体験活動を重視しています。
勿論、単純に体験活動をするのではありません。
ソーシャルスキルを身に着ける、コミュニケーションの取り方を学ぶ、情報を受け取るポイントを学ぶ、多種多様な技術・知識を持った人達と出会うことで新しい世界を知る等、ねらいは多岐にわたります。
行く場所や内容は様々で、子供もそれに呼応して様々な表情、言動、行動を見せます。そんな様子を保護者はビデオで見ることが出来、我が子の意外な姿を見て驚きます。
さらに活動を続けていくと、子供の変化に気が付きます。
「暗かった表情が明るくなった」「興味・関心をなかなか持てないタイプだったのが、色んなことに興味・関心を持つようになった」「趣味が増えた」「コミュニケーションを積極的にとろうという姿勢が出てきた」「苦手なことにも頑張るようになった」「出来る事が増えた」「問題行動が減った」といった声をよく聞きます。
対象は悩んでいる人全て
長年発達障害に関する専門知識を学び、発達障害児・者に対して指導・支援してきているので、得意分野ではあります。
しかし、診断はないけど発達障害の疑いがある人、いわゆるグレーゾーンと呼ばれる人達、診断も疑いもないけど悩みを抱えた人達とも長年関わってきています。
私に出来ることなら、発達障害の有り無しに関わらず、悩んでいる人全てに力になりたいと思い、対象を限定していません。
年齢は3歳~40歳と設けてはいますが、それ以下、それ以上も可能です。
動ける教室として
ひだち教室のコンセプトは「動ける教室」。
ひだち教室は体験活動を重視しているので、必然的に外での活動が多く、よく動き回ります。
生徒が家庭や学校等で何か問題を起こした時は可能な限り動くようにしています。勿論保護者からの要望があればですが、動いて欲しいと思ったら、遠慮なく言って頂きたいと思っています。
第三の選択肢としての教育・相談機関
子供にとって、教育や相談の第一の選択肢は家庭や学校。ここで学び、トラブルを解決できるのが理想です。
しかし、現代社会ではなかなか難しいです。
そこで、第二の選択肢である相談センター等の公的機関や放課後デイといった補助金をもらっている機関を利用される人は多いです。
本来ならそれらが最後の砦としての役割を担って欲しいところですが、そういう構造になっていないようです。専門知識がある人、ない人がおり、イメージしていたサービスを受けられないといった意見もよく聞きます。そしてよく聞くのが、アドバイスばかりで行動まではしてくれないという言葉です。
当教室は第三の選択肢として、最後の砦(受け皿)という位置づけにあり、他ではなかなかしてもらえないような指導・支援をしています。
ソーシャルスキルトレーニング
読み書き計算といった基礎的な学習は教えますが、ソーシャルスキルトレーニングを重視しています。
教室内でトレーニングも行いますが、外での活動を通して実践的なソーシャルスキルを身に着けられるようにしています。
教室内と外とでは、子供達の様子は違います。教室内では見えてこない課題が外で見えてくることが多々ありますので、外での活動はソーシャルスキルを身に着けると同時に、生徒一人一人が抱える課題を見つける場でもあります。
ワークスタイルの確立
大人の生徒もいるので、仕事に関しても考えていく必要があります。
私は理論よりも実践が大事だと思っているので、生徒と一緒に単発バイトをすることがあります。
同じ目線で、同じ仕事、同じ人達と関わり、生徒とツーカーの会話が成立しやすい状況にした上で、「何が出来て、何が出来なかったか」「どういう人がいて、どういう人が苦手か」「どういうアドバイスがあったら良いか」といった事を、バイト後にご飯を食べながら聞くようにしています。勿論愚痴も聞きます。
「自分にはどういう仕事が向いているのか」「どういう雰囲気の職場が合っているのか」「どういう自助能力をつけていけば良いのか」等の自己理解を深めていきます。他者理解も深めてもらいますが、まずは自己理解からです。