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アトピーの原因と症状に合わせた漢方養生法

植松光子

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1:「アトピー」の意味とは?


「アトピー」とはギリシャ語で「奇妙な」という意味のatopiaに由来し、家系内に出る異常な過敏反応として1923年に名づけられました。
また中国語では「四弯風(しわんふう)」と言います。
4つの湾曲した場所(肘、膝)にできる風(痒みのこと)の意味で、すでに数100年前の本に書かれています。


2:奇妙な病気アトピー性皮膚炎


本当に奇妙な病気です。かゆみの原因がわからないのですから。
また悪化や再発の原因もわからないのです。
単なる痒み、例えば虫刺されでしたら、ストレスで痒みがひどくなることはありません。
体の中から痒みが沸き起こって、1000匹の蚊に刺されたような痒みだと患者さんは話してくれます。

3:アトピー性皮膚炎の特徴


痒みを伴う発疹が繰り返し出現。発疹は顔や首、肘や膝の窪みに現れやすく、ひどくなると全身に広がることもあります。
約80%の患者さんは5歳までに症状が現れます。
アトピー体質という遺伝的な要素は、気管支喘息、アレルギー性鼻炎などにかかりやすい傾向があります。

4:アトピーの原因は皮膚にではなく体の中にある


近年は「免疫力」とよく言うようになってきました。「免疫力」とは「疫(病気)を免れる力」のことです。
ウイルスや病原菌、がん細胞などから体を守ってくれる力です。
しかし免疫の働きに異常が起こると体に害を与えない物質に対しても過剰に反応し、体を攻撃し、その結果身体を守るはずの免疫が逆に身体を傷つけてしまうのです。
アレルギー疾患であるアトピーもその一つです。

5:アトピーの出やすい場所


アトピーの出ている場所に印をつけるとよくわかります。
左右対称です。ということは身体の中から出ているのです。
肝経という経絡というものがあります。
陰部⇒鼠径⇒脇腹⇒乳⇒喉⇒首⇒眼⇒頭頂部(百会)と流れています。

この流れに沿って見事に左右対称に出る人がいます。
「肝経」に症状が出る人は、神経が昂る、イライラ、肩こり、生理前に乳房が張る、乳汁が出る、頭痛、陰部のかゆみ、おりものが黄色い、眼が痛むなど一人の人がいくつか症状を重ねて持っています。
アトピーを治す漢方薬でこれらの症状も改善するのが漢方の特徴であり、不思議なところです。

6:顔や頭にでるアトピー


このような人は頭や神経をよく使う人です。
血の熱が上部に行ってしまうので、赤くなるのです。治し方は上の熱を下へ下げることです。
その為に、ウオーキングやゆっくりお風呂に入るのがオススメです。
漢方薬も上部の熱を下げる処方を使います。


7:下半身や手の先に水泡ができるアトピー


このような人は水が溜まりやすい体質です。胃腸が弱い人、食べ過ぎの人も起こります。
水は重いので体の下の方へ下がっていきます。腕でしたら手の先、指に水泡が出ます。
足でしたら足の甲、足の裏などに大きな水泡やジクジクが出ます。

解決法は水分を追い出すこと。
シャワーではなく、ぬるめのお風呂にゆっくり入って、うっすら汗をかくとよいです。
漢方薬は利尿作用のあるもの、お茶はドクダミやハトムギ入り、紫蘇ショウガ茶もよいです。

紫蘇茶

8:水泡のあるアトピーによい食べ物


まず利尿作用のある瓜類のキュウリ・冬瓜・西瓜・ゴーヤ。
ハトムギ・枝豆・ソラマメなどの豆類があります。


ハトムギの皮をむいたヨクイニンはイボにも効果がある医薬品であり、食べ物です。
固いのでいったんゆでてから一回分ずつ冷凍しておくと便利。お米と一緒に炊き込むと甘くておいしいです。
薬膳的効果を期待するのなら毎日とると効果が出ますので、炊き込みご飯は手軽です。
お米1合につき大匙1杯くらいが適量です。

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植松光子
専門家

植松光子(薬剤師)

有限会社ウエマツ薬局(漢方薬膳サロン ウエマツ薬局)

症状や悩みに合わせた生薬を煮出す「煎じ薬」を取り扱う漢方専門薬局。「ほっとできるサロン」としてアトピーや不妊のほか心身の悩みに寄り添い、薬膳の知識や適切なスキンケアをアドバイス。

植松光子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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