耳鳴り・難聴と漢方 (2)
お正月のごちそうなどで疲れた胃にとって、七草粥や小豆粥などのカロリーの低いお粥だけでも胃がホッとして元気になります。
私が研修でよく行く中国では、朝の出勤は時間が早く、多くの人は外の屋台で熱々のお粥をフーフーしながら食べています。
ひねった揚げパンも一緒に食べていて、お粥は病人食ではないのです。
熱いお粥はカロリー源ではなく、その揚げパンなどの吸収をよくする胃腸の働きのためなのです。
中国の人は良く言います。
「お粥は元気が出るよ」と。
私は長年、皮膚病で名高い雲南中医薬大学附属病院(写真)へ研修に行っていました。
その時お粥のことで感激したことがあります。
飛行機が遅れ、夜中にホテルにつき、寝不足で朝早くから病院で研修を受けている間に私はゾクゾクと寒気がしてきて、咳も出始めました。
夜は歓迎会です。出席をする元気もなくなり、研修が終わると失礼して一人ホテルの部屋で寝ていました。
おなかが空いたな、と思いながら寝ていました。
歓迎会が終わったころ「トントン」とドアをたたく音。
ドアを開けるとなんと病院長の葉先生が研修の付き添いの楊先生と一緒に立っていらっしゃるではありませんか。
びっくりして飛び起きると
「大丈夫ですか? お粥を作ってもらいました。」
とよい匂いのするお粥を差し出してくださいました。
早速頂きました。
鶏ガラのスープの出しが良く効いて、ナツメや松の実、鶏肉など薬膳に使う材料がいっぱい入った熱々のお粥でした。
私が今まで頂いた食べ物の中で一番というくらい滋味でおいしく、胃の腑に沁みわたりました。
おかげ様で翌日から1週間の研修は元気に過ごせ、日本に帰ることができました。
私は歓迎会の時はよく着物を着ますので、覚えていてくださったようです。
若い女医さんたちが「いつもの着物の人がきていない」とおっしゃったようです。
それにしても多くの外国の研修生が来ていらっしゃるのに、私のためにわざわざ院長自らお粥をもってきてくださったのには、中国の方の温かさが心に沁みました。
お米と水の割合です。
食べ過ぎて疲れた胃にお粥はお勧めですよ。
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