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植松光子

アトピーや不妊の悩みに寄り添い薬膳の啓蒙を進める漢方の専門家

植松光子(うえまつみつこ) / 薬剤師

有限会社ウエマツ薬局(漢方薬膳サロン ウエマツ薬局)

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コラム

春のアトピーと花粉症皮膚炎に注意

2024年1月23日

コラムカテゴリ:医療・病院


①春の特徴

人は自然界の中で生活をしています。したがって自然界から多くの影響を受けます。
春は芽が吹き、小鳥はピイチク鳴き始めます。
冬の寒さから大地も暖まり始め、生き物も動き始めるときです。

人の体内のホルモンも動き始めます。
空には風が吹き始めます。
春一番も吹きますと、花粉も飛び始めます。
すべてが動き始めるので風邪(ふうじゃ)の対策が大事です。

②花粉症とアトピーの関係

風はそよそよ吹いているときは心地よいのですが、春一番のように強い風は風邪(ふうじゃ)と言います。「邪」とは健康に悪い影響を及ぼすものを指します。
風邪を引き、インフルエンザが流行するのも冬から春先です。

風邪を引くと体に熱がこもるので、アトピーの人はすぐ肌が赤くなります。
花粉も風と一緒に飛び始めます。鼻水、くしゃみだけでなく、肌の弱い人は顔や首、上半身がガサガサと荒れ、赤い発疹が出てかゆみが起きます。くしゃみや鼻水はでないで、皮膚だけに症状が出る人もいます。

③花粉症皮膚炎とは

花粉に触れることで、皮膚が赤くぶつぶつしてかゆくなるなどの症状を起こす病気です。
時に上半身、顔では眉毛の上、瞼、ほおなどや首、肩背中の上部に起きます。
瞼は「眼の蓋」という意味です。眼にほこりや花粉がはいらないよう、保護する役目です。

同様眉毛も眼を保護するためにあるので、その上に花粉が溜まるのです。
外を歩いて顔がかゆくなってきたらミストをかけ、ティッシュでそっと抑えます。
ジネンミスト

外から帰ったら、肩や、首、髪の毛の花粉をよく払って、家の中に持ち込まないようにしましょう。
外出する時はマスクや花粉用の眼鏡、マフラーなどを使いましょう。

④花粉症皮膚炎の治し方

花粉症皮膚炎は私が店頭で見ている限りでは、アトピー性皮膚炎の方、または皮膚が薄くて弱い方に多く出ているようです。
このような人の肌はアレルギーを起こしやすいのです。

食べたものが皮膚を作るので、食事と食べ方は影響します。これについては後半で詳しく述べます。
したがって胃腸を丈夫にして、皮膚を丈夫にしていけば起きなくなります。

また現在出ている症状にあった漢方薬と皮膚を丈夫にする栄養素を摂っていけば軽くなっていきます。
ステロイド軟膏は皮膚を薄くする副作用が知られています。

皮膚が薄くなると皮膚の下の血管が透けて見え、ステロイド酒皶や赤ら顔になり、これは治すのはむずかしいのです。
ですから顔には極力ステロイド軟膏は塗らないでプロトピック軟膏などにしましょう。

そのために漢方の軟膏を使い、漢方薬を飲むと早く改善されます。

⑤花粉症皮膚炎のスキンケア

★漢方の軟膏

外出から帰ったら、髪の毛や肩の花粉を払い落とし、すぐ顔や手を洗いましょう。
その後赤いところはウエマツ薬局自家製薬局製剤「中黄膏(ちゅうおうこう)」を薄くやさしく塗ります。これは漢方の軟膏で、つけるとほっとする不思議な軟膏です。

成分は赤みによい漢方生薬「黄芩(おうごん)」と「欝金(うこん)」だけです。添加物は一切入っていません。人気があっていくら作っても売り切れてしまうので、スタッフは休日でも作ってくれています。「愛」がこもっています。

中黄膏

★漢方保湿剤

顔全体はウエマツ薬局オリジナル化粧品、花しずく潤乳液をやさしく塗っておきましょう。こちらも漢方生薬がたっぷり入っています。紫蘇の葉・ドクダミ・桃の葉が配合され、どの生薬もかゆみによく使う良いものです。
詳しくは:ウエマツ薬局ホームページ

さらに乾燥感のある方には、ウエマツ薬局オリジナル化粧品、花しずく潤美容液をおすすめします。高保湿・高保潤美容液です。
乾燥、敏感肌に漢方専門薬局が開発、潤す効果が永く持続するので喜んでいただいております。
和漢植物エキスがたっぷり配合。

ただし皮膚の赤身や肌荒れがひどいときは注意して症状が出ていない時に狭い範囲で試しにおぬりください。もしピリピリするようでしたら、今はお休みして落ち着いてからお使いになってみてください。

⑥花粉症と食物アレルギー

花粉症と食物アレルギーの関係、ご存知でしたか?
花粉症の患者さんが原因の花粉と似た構造のたんぱく質を持つ食べ物を摂るとアレルギー症状が出ることがあります。

おもに唇、口の中、上あご、喉、耳の中などがかゆくなり、ピリピリしたり赤くなります。
原因は上記のたんぱく質を摂ったためですが、これらは熱に弱く、消化しやすい蛋白質であるため、よく火を通せば食べられます。ほとんどの場合、口やのどの軽い症状です。

ただし沢山食べたり、加熱が十分でない場合、全身症状が出ることがあります。
例えばカバノキ科のハンノキ、白樺(シラカンバ)の花粉症患者さんが豆乳を摂ると全身症状が出ることがあります。

特に症状がなければその特定の食べ物を避ける必要はありませんが、加熱したりアレルギー症状が重い方は医師に相談しましょう。

*参考* 原因花粉の種類と食物

主な食物として果物、豆類、生野菜が挙げられます。
最も多い例としては、カバノキ科(シラカンバ、ハンノキ)の花粉症の患者さんで、バラ科の果物(リンゴ、モモ、サクランボなど)やマメ科(大豆、主に豆乳)で食物アレルギー症状が誘発されています。

その他、イネ科(オオアワガエリ、カモガヤ)・キク科(ブタクサ)の花粉症の患者さんではウリ科果物(メロン、スイカなど)、ヨモギ花粉症の患者さんではセリ科野菜(ニンジン、セロリなど)で食物アレルギー症状が出ると報告されています。

このように、アレルギーの原因となる食物は罹患している花粉症の種類に応じて異なります。

参考:海老沢元宏ほか著書「食物アレルギーハンドブック2018」
ファーアスタイル 2022/No17株日本アルトマーク

⑦ストレスはアトピーを悪化させる

春は移動の季節です。また受験、進学、就職と環境の変化も多い季節です。
環境の変化は気づかずに五臓に影響を及ぼしています。「皮膚は内臓の鏡」といい、五臓の働きは皮膚にすぐ出てきて、アトピーや乾癬などが悪化します。

特に「肝」と関係するといい、カンが高ぶったり、生理前イライラしたり、精神的に不安定になります。
「肝」の気が高ぶらないためにはストレスを溜めないことです。

まず早く寝ましょう。11時に寝ていると「胆」が働きます。決断力が強くなり、翌日の頭の働きがよくなり、不安感が消えます。
早く寝ることが出来ないかたは10分でもよいので早く寝てみてください。

⑧アトピーは再発しやすい病気

再発の原因の一つにストレスがあげられています。
春は上記でのべたようにストレスを受けやすい季節です。毎日ストレスを溜めないように過ごしましょう。

気分を発散させるのもよいです。
朝早いウォーキング。時間がない人は通勤通学時に速足で歩いて軽い汗をかきましょう。

汗と一緒に体の邪気が出ます。早春の芽吹きや花、緑をたくさん見ることもよいです。
枯れたような木から小さな芽が出ていると「命の芽生え」を感じて感激するでしょう。

ヨガ、絵画、音楽、テニスなど、楽しい事を探してストレス発散しませんか?

⑨アトピー性皮膚炎と花粉症、両方あるときの治し方

花粉症と透明な鼻水、くしゃみが多い時、漢方薬は一般的には温める性質の生薬の入った処方を用い、体を温めて治します。しかしアトピーで赤みがあり、かゆい時は熱がこもって症状が起きているので、温める漢方薬を飲むと、さらに赤くなることがあります。

漢方薬は体質改善的な働きがあるので、西洋薬を飲むよりも体に良いのです。しかし使い分けが難しいので、漢方を長く使っている、漢方専門のクリニックや薬局で相談しましょう。

⑩漢方薬を飲むときは

漢方薬は西洋医薬のクスリと違って病名だけでは出しません。
漢方は体質と症状・季節で微妙に調節するのがベテランの漢方相談者です。

皮膚の発疹が赤いか・薄い赤か・じくじくしているか・腫れているか・痒みがひどいか・
身体の上部がひどいか・足などに多いか・くしゃみや鼻水が多いか・少ないか・鼻水は透明か・黄色いか・食欲は?便通は?睡眠は?など細かく聞きます。

さらに舌の色をみて赤いか・苔が厚いか・歯型はないかなどをチェックして、体質を判別するのが漢方の専門家です。
これらは問診と言って聞くことが漢方の特徴です。

「皮膚は内臓の鏡」と言います。五臓のどこが皮膚の炎症に影響を及ぼしているのか見極めて、初めて効く漢方処方がでるのです。
これらをしないで漢方薬を出す人は勉強や経験が少ない人だと思われます。

⑪アトピー性皮膚炎と栄養

皮膚を作るのは胃腸です。そして皮膚によい食事・栄養をとると、治りは早いです。皮膚を作るのは蛋白質であり、その吸収を手助けするのはビタミンやミネラルです。

しかし最近の野菜は味が薄くなっています。例えばサラダほうれん草や人参は香りや色が薄くなっています。皮膚や目に良いカロチンが減っているからです。

カロチンは皮膚や目を酸化から守る働きがあります。栄養を摂っているつもりでも、栄養の少ない食べ物を摂っていることになります。そのために栄養補助食品を漢方薬と一緒に摂ると皮膚の症状の改善は早く、よくなってからも飲んでいると再発の予防になります。

⑫肌に良い栄養補助食品

微量ミネラルを多く含んだ牡蠣のエキスは亜鉛やセレン、鉄など多くのミネラルを含んでいます。とくに亜鉛は傷を修復する作用があります。

また牡蠣肉は500年前の中国の漢方生薬の古典「本草綱目」で李時珍が「牡蠣は虚無感を除き、心理的なわずらいをとる。」と述べています。疲労回復によいタウリンも豊富です。

また「婦人の血・気の流れをよくする」「肌の色を整え、皮膚の色を美しくする」と書かれています。
微量ミネラルは食事ではなかなかとれません。亜鉛の1日の必要量は牡蠣5個分です。そのため栄養補助食品の手助けが必要となってきます。

⑬アトピー性皮膚炎・花粉症に良い食事・健康になる食事

すべての病気の予防の基本はバランスの良い、栄養素がしっかり摂れる食事です。
その食事の基本を頭に入れておくとよいです。

そのうえで、さらにその人の体質、症状にあったものを摂ればよいのです。
まず炭水化物・蛋白質・野菜を4:2:4の割合でとりましょう。

⑭アトピー性皮膚炎の方にお勧めの薬膳

肌を潤す効果のある、白きくらげは、癖がなくとても使いやすいです。
みそ汁やスープなどに入れても良いですし、果物と甘く煮てスイーツにしても美味しいですよ。





梨と白きくらげの薬膳デザート
白きくらげ:効能:から咳、血痰、口の渇きによい。美肌効果がある。

梨と白きくらげの薬膳デザートは「どうせ食べるなら美のもと 薬膳スイーツ」に掲載されています。


あなたの症状、体質に合った漢方をお出し致します。
ぜひ相談にいらして下さいね。

この記事を書いたプロ

植松光子

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