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人に合わせる偽りの人生から、本当の自分の人生へ。患者に寄り添い、本来の姿へと導いていく

仮面ひきこもり(心がひきこもった人)を回復に導くセラピスト

服部雄一

仮面ひきこもり(心がひきこもった人)を回復に導くセラピスト 	服部雄一さん
服部雄一さん仕事風景

#chapter1

人間関係がうまくいかないのは、あなたのせいではない

 埼玉県狭山市の静かな住宅街にある、狭山心理研究所。ここでひきこもりの人へのカウンセリングをしているのが服部雄一さんです。こちらでは幼児期から自分を隠してきた「仮面ひきこもり」といわれる人々を治療しています。現在は60人ほどが本当の自分を見つけるためのカウンセリングを受けています。

 仮面ひきこもりとは潜在的ひきこもりと言われることもあり、普段はごく普通に生活し仕事もしていることから、周囲もとくに気に留めることはありません。しかし本人は、社会生活をする上で対人関係の緊張感や違和感を持ちながら生きています。

「彼らの多くは、子ども時代に親との関係がうまくいかずに、孤独な体験をしてきました。そのため本当の自分を出すことができなくなり、いつでも感情を隠しながら過ごしています。それはとてもつらいことです」

 仮面ひきこもりの人は、自分の中にある人間不信と対人恐怖を笑顔で隠し、相手に嫌われないように生活をしていると服部さんは言います。社会的ひきこもりの人とは違い社会参加はしていますが、相手に合わせる苦しさや、いつもひとりぼっちだという孤独感を抱えているのです。

 本人が気付いていない心の奥底にある記憶と向き合うことで、徐々に本当の自分を取り戻していくのですが、回復にかかる時間には個人差があります。そのため、それぞれにあわせたカウンセリングを行い、現在苦しい状況におかれている人に寄り添って、根気強く「自分自身の人生を取り戻す」手伝いをしているのです。

#chapter2

自分の中に眠っていた幼少期の記憶を呼び起こし、本当の感情を取り戻す

 服部さんの研究所でのカウンセリングが効果を発揮するのは、自分自身が何とかしたいと思っている場合だといいます。

「人に言われたからとカウンセリングを受けに来ても、回復は難しいですね。原因はわからないがこのままではいけない、自分を変えたいという気持ちがあることが大切です」

 カウンセリングを受けるには、まずメールで問合せをし、自分が何に悩み困っているのかを伝えます。その後、必要書類が送付されますので、現在の様子や心理状態などを記入し返送、それらの書類をもとに一人一人にあったカウンセリングを開始することになります。

「厳しいしつけや虐待、愛情不足など、自分でもしまい込んでいる幼少期の記憶が原因になっていることがほとんどですから、そこから話を進めていきます」

 本人も気付いていない記憶を呼び起こす作業は、それなりに時間が必要です。そのため信頼関係を築きつつ、焦らずにゆっくりと心をほぐしていきながら、一歩一歩着実に進めていくことになります。

 狭山心理研究所では、対面でのカウンセリングだけでなく、ビデオ通話(スカイプなど)でのカウンセリングにも力を入れています。北海道から沖縄の人までカウンセリングを受けられるのはもちろんのこと、家を出られない人、知らない人が苦手な人にはスカイプのほうが効果的な場合もあります。

 人それぞれ抱えているものが違うため、この問題と向き合うには長年の経験と豊富な知識、そして誠実な人柄が必要です。それらを兼ね備えた専門家が、服部さんなのです。

服部雄一さんセラピー風景

#chapter3

「自分らしく生きたい」という願いを叶えるために

 今までも多くの人の笑顔を取り戻してきた服部さんですが、患者と関わるときに心がけていることは、考えを押し付けないことだといいます。

「私のところを訪れる人は、何事も自分の意志で決めることができない特徴があります。人に合わせる人生を捨てて、自分が決めた人生を生きることが大切です」

 幼児期から相手の顔色を見ながら生活し、自分の気持ちを押し込めてきた人たちは、治療の回数や日時などを決めることすら難しく、相手に決定をゆだねる傾向にあります。これらの原因を突き止めて自分を取り戻すには、時間をかけてゆっくりと取り組むことが必要です。

 狭山心理研究所では服部さんのほか、米国バージニア州のクリニカル・メンタルヘルス・カウンセリングのライセンスを取得したカウンセラーがいます。ひきこもりの治療では、複数のカウンセラーが対応することがあり、患者は自分の状態をより客観的に理解し、問題の解放に繋がるのです。

 「仮面ひきこもり」という心の病を、広く世の中に知ってもらいたいと服部さん。そのためにも、今後はさまざまな方法で発信していきたいとのことです。

 最後に、日々の生活で何かしらの違和感を持ち、何のために生きているのかと感じている人、自分が弱い、自分が甘えているなど、自分を責めている人に、それはあなたが悪いのではなく、仮面ひきこもりの症状だと伝えたいと服部さんは語ってくれました。これからも、さらに多くの人の助けとなっていくことでしょう。

(取材年月:2019年12月)

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服部雄一

仮面ひきこもり(心がひきこもった人)を回復に導くセラピスト

服部雄一プロ

セラピスト

狭山心理研究所

誠実な人柄と確かな知識で、独自の心理療法を行う。患者とセラピストが新しい結びつきを作ることで、本来の自分を取り戻せるよう、一人一人を丁寧にサポート。偽りのない人生のスタートへと導く。

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