定年後に年金を受け取りながら働くなら起業の方が有利?
起業家は、税務や資金調達、人事労務、法令など、さまざまな問題を抱えています。これらの専門知識が必要な問題を解決するときに、ぜひ検討してほしいのが専門アドバイザーの活用です。
巷には“○○士”を中心に、それぞれの道の専門家がいるので、訪ねていってアドバイスを求めるのがよいでしょう。
もし既知の専門家がいない場合は、商工会議所や自治体などに設けられている相談窓口を活用するのもおすすめです。この記事では、専門アドバイザーの相談窓口や探し方などについて解説します。
定年後に起業すると、さまざまな問題に直面する
定年後に起業する際、アドバイスがほしい方も多いことでしょう。起業すると、これまでの会社員としての経験が生きる場面に多数遭遇する一方で、新しいこともたくさん経験するようになります。
事業を行う中で、壁にぶつかって立ち止まってしまうこともあるでしょう。その際、いったん落ち着いて自分で考えることも必要ですが、信頼できるアドバイザーに新たな視点を教えてもらうことも有効な解決方法のひとつです。
起業家は、資金調達や人事労務、販売ルートの確保など、さまざまな悩みを抱えています。その中には一人で解決できないものもあります。そんなときは一人で抱え込まないことです。というのも、専門知識がないまま抱え込んでいても、正しい結論を得ることは難しいからです。
商工会議所や自治体などを中心に、多くの場所で創業者向けの相談窓口を設けています。ビジネスで悩みを持ったら、一人で抱え込まずにすぐに相談しましょう。そうすれば、解決のヒントが必ずみつかります。
起業家向けの相談窓口は全国に多数設けられている
インターネットで検索すると、多数の相談窓口があることに気づくでしょう。ここで悩んでしまうのが、「どの相談窓口を選ぶべきか」ということです。相談窓口は自身の抱えている課題に応じて選ぶのが良いでしょう。
例えば、税務のほか、設備資金や運転資金など、資金調達で課題を抱えている場合は、その道の専門家である税理士や公認会計士を相談窓口として選ぶべきでしょう。しかし、やみくもに訪ねていっても有効な解決策は得られません。
というのも、専門家ひとりひとりが得意分野を有しているケースが多いからです。つまり、同じ税理士や公認会計士でも「税務は得意だが資金調達は不得手だ」というケースがままあるわけです。
このような状況に陥らないためには、情報収集を欠かさないことです。まず見ておきたいのは「認定支援機関」であるかどうか。
「認定支援機関」とは、国が認定した公的な支援機関で、専門知識や実務経験が一定以上に達している専門機関や専門家を国が認定する制度です。
中小企業や小規模事業者が安心して経営相談などを受けられるよう、国がサポートしています。全国には約25,000カ所以上の「認定支援機関」があります。自宅や職場の近くにもきっとあるはずなので、インターネットで検索してみましょう。
自分に合ったアドバイザーを探して問題を解決する
税務や資金調達に関する問題は、税理士や公認会計士が適任ですが、ほかの課題はどうでしょう。それぞれの道の専門家がいるので積極的に訪ねてみるべきです。知的財産なら弁理士、雇用や労務なら社会保険労務士、許認可関係なら行政書士、会社設立など法令に関する問題なら弁護士などが考えられます。
もしこれらに当てはまらない問題、例えば販売ルートの確保や広告宣伝などについては、専門コンサルタント、もしくは中小企業診断士に相談するとよいでしょう。
いわゆる“○○士”に相談すると、専門知識を活用した役に立つアドバイスが得られるはずです。
しかし、世の中には多くの“○○士”やコンサルタントが存在します。果たして、誰に依頼するのが正解でしょうか。明確な答えはありませんが、専門アドバイザーを選ぶ際にぜひ見て欲しいのが「支援ポリシー」についてです。どのような想いで起業家を支援しているのかぜひ確かめてみてください。
実際に会ってから選ぶことが大切
起業家は誰しも、強い想いを持って創業しているはずです。その想いに応えてくれる専門アドバイザーを選んだほうが、うまくいく可能性が高いと私は考えます。
「法律で○○となっているから□□でないとダメ」などと“あるべき論”だけを振りかざして、頭ごなしにアドバイスをする専門アドバイザーも時折見受けられます。
もちろん、法律を遵守して事業を行うことは当然必要です。しかし、起業家が求めているのは「決められているのだから、○○をしろ!」という答えではないでしょう。起業家の状況を理解したうえで、現実に即した最善策を提案してくれるのが優れた専門アドバイザーであると考えます。
ここまで書いてきましたが、このような専門アドバイザーを、楽をして見つけるのは難しいかもしれません。だからこそ、まずは相談窓口に足を運び、専門家と実際に会ってみるべきです。そうすれば、相談窓口の使い方がわかるだけでなく、どのような専門アドバイザーがいるのか、肌身でわかるはずです。
起業家向けの相談窓口は、商工会議所や自治体などに設けられています。ほとんどの場合、無料で利用することが可能です。
「こんな悩み、相談すると迷惑だろうか」などと思わず、気軽に相談窓口を利用するとよいでしょう。きっと、目の前が開けてくるはずです。