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東野修次

事業再生・事業承継に取り組む法律のプロ

東野修次(とうのしゅうじ)

東野&松原&中山法律事務所

コラム

やさしい為替デリバティブの話 (3)

2012年5月22日

為替デリバティブ(通貨オプション)のこと(3)

前回までは、為替デリバティブで損が出る理由をお話ししてきました。
今回は、為替デリバティブで損が出たときに、どうしていけばよいのかをお話しします。

為替デリバティブを勧誘した銀行や証券会社の立場からすれば、企業は、商品の内容の説明を受け、理解して、契約書にサインしたのだから、たとえ企業に損が出ていても、銀行や証券会社が損を補填するわけにはいかない、ということが多いと思われます。
企業としても、取引銀行と契約していた場合は、銀行との関係悪化を恐れて、強く言えないということもあります。

しかし、仮に、為替デリバティブを勧誘された企業が、商材の輸入を全くしていなかったり、為替デリバティブの契約金額が、その企業が必要とするドルの総量を超えていたような場合には、銀行や証券会社の勧誘方法に何らかの問題があったといえることが多いと考えられます。
また、為替デリバティブは、近時のような円高状況下では、多額の損失を企業にもたらすものですから、果たして、勧誘を受けた企業が、そうした損失に耐えられるような財務状態だったのか(そのことを銀行や証券会社は勧誘の際に確認したのか)も問題であり、耐えられないような財務状態だったとすれば、やはり勧誘に不適切な点があったといえることが多いでしょう。

そして、勧誘に問題があったとすると、為替デリバティブから生ずる損失のうち、一部は銀行や証券会社が負担すべき筋合いとなります。

≪金融ADRって知っていますか?≫

問題は、そうした結論を、どうやって実現するのかということですが、近年、「金融ADR」における処理に注目が集まっています。
金融ADRとは、銀行業界や証券業界が設立した、紛争解決のための第三者機関のことです。裁判ではないので、解決のために要する期間が数ヶ月と比較的短く、コストも安い点にメリットがあります。

銀行業界や証券業界が設立した金融ADRでは、弁護士を含む専門家が、中立の立場から、為替デリバティブの勧誘に問題がなかったかを判断します。
そして、問題があった場合には、一定の負担を銀行または証券会社に求める「あっせん案」を提示します。
具体的には、為替デリバティブ契約をいったん解約し、その解約金の一部を、銀行または証券会社が負担するというスキームになるのが一般的です。
実際のところ、銀行や証券会社が何%を負担することになるのかは、事案によりけりなので、何とも言えません。
金融ADRで納得のいく結論が出ないときは、民事訴訟を提起することになります。金融ADRが不得意とする紛争パターン(勧誘の際の説明内容がどうであったかについて、文書等の客観的な資料が残っていない場合等)についても、民事訴訟による解決が検討されることになります。

≪為替デリバティブ問題解決「後」の処理について≫

さて、為替デリバティブによる損失の一部を銀行や証券会社に負担させることができたとしても、残りの部分は企業が負担しなければなりません。
為替デリバティブによる損失で、企業の経営が深刻な状態に陥っている場合は、あわせて、事業再生(私的整理)を試みることが必要です。銀行とリスケ交渉をしたり、会社分割等によって良好な事業だけを切り出すなど、様々な解決策が考えられます。

当事務所では、為替デリバティブ契約や、それに伴う経営悪化への対処も含め、総合的な解決策を提案していますので、お悩みの方は一度お気軽にご連絡下さい。

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