経験を糧に事業を特化。「先生」ではなく気軽に話せる税の相談役でありたい（2/3）

実務経験があるからこその説得力と理解度でクライアントの悩みをサポート

　前述のように、手塚さんが大学卒業後の進路として選んだのは化粧品メーカーでした。「およそ10年間、営業職や社長秘書、アンテナショップの店長、通販システムの構築と幅広い業務に携わりました」。美容業界で過ごす日々は充実していましたが、徐々にある思いが芽生えます。
　
　「お客さまの側でもっとお役に立ちたいと考えるようになりました。目の前にいる人を喜ばせたいという気持ちが強くなっていったんです」

　時を同じくして、結婚や出産といった自身のライフステージにも変化があり、仕事と家庭を両立していくこととなります。

「これからの人生を見すえたときに、何かもうひとつ強みになるものが必要だと一念発起。国家資格を中心に調べていくなかで、よりクライアントに向き合い、困り事にこたえていく税理士にたどり着きました」
　　
　手塚さんは税理士事務所に転職し、働きながら大学院に通います。税理士の資格を取得し、資産税を専門にキャリアを積みました。「大学院で出会った先生や仲間とは、案件の相談をしたり連携したり、今でも連絡を取り合っています。刺激を与えてくれる大切な存在です」

　税理士を目指した日から研さんを重ね、2021年、ついに独立を果たします。「私は美容関連、そして資産税にまつわる税務とふたつの実務を経験しています。現場に身を置いたり、実際に取り組んだりしてこそ得られるものってありますよね。私がこれまで培ってきた知見を存分に生かすべく、税務も顧問も特化することに決めました」

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