ALC壁の特徴と注意すべき弱点
シーリング材は、住宅の外壁や屋根の隙間を埋めるために使用される重要な建築材料です。これにより、雨水の侵入を防ぎ、建物の防水性を高める役割を果たします。しかし、シーリング材にも様々な種類があり、その中でも「ブリード現象」と「ノンブリード」のシーリング材に注目することが重要です。本記事では、ブリード現象の詳細と、それを防ぐためのノンブリードシーリング材について解説します。
シーリング材の役割
シーリング材は、建物の外壁や屋根、窓枠などの隙間を埋めるために使用されるゴムのような弾性のある材料です。主な役割は以下の通りです。
■雨水の侵入防止
■建物の気密性向上
■熱の出入りの制御
■音の遮断
■建物の構造的な動きへの対応
シーリング材の主な種類
■アクリル系
特徴:最も安価で、湿潤面でも接着性が高いため、仕上げ塗料に適しています。水性で作業性が良い、湿った場所にも施工可能。
デメリット:耐候性と耐久性が低い、屋外での使用は不適
耐用年数:約5年
■ウレタン系
特徴:密着性、弾力性に富み、下地の動きに追従しやすいため、さまざまな仕上げ材に対応可能です。価格が手頃で新築時や大量に使用する場面でよく採用されます。
デメリット:紫外線に弱く、表面を塗装で覆う必要がある
耐用年数:約5年から10年
■シリコーン系
特徴:耐久性が高い、紫外線に強い、埃を吸着しにくい 柔軟性や耐熱性に優れ、密着性が高いのが特徴です。湿気の多い場所に適している。
デメリット:密着力がやや劣る、上から塗料を重ねられない
耐用年数:約10年
変成シリコン系
特徴:耐久性、耐候性、耐熱性がある、伸縮性も高いため、外装や高温が発生する場所に適しています。塗料を上から塗ることができる。
デメリット:価格がやや高め
耐用年数:8年から12年
シーリング材のブリード現象とは
ブリード現象は、シーリング材に含まれる可塑剤(柔軟性を保つ成分)が表面ににじみ出てくる現象です。ブリード現象の主な原因は、シーリング材中の可塑剤が時間とともに揮発し、表面に移動することです。この現象が起こると以下のような問題が発生します。
■塗装面の変色(黒ずみ)
■表面のヒビ割れ
■材料の崩壊
■美観の低下
■塗膜の劣化促進
ノンブリードシーリング材とは?
ノンブリードシーリング材は、可塑剤の揮発を防ぐために設計されたシーリング材です。これにより、塗装後に表面が変色したり、汚れが付着しにくくなります。主に、変成シリコンやウレタンを基材としたものが多く使用されています 。
ノンブリードシーリング材の利点
美観の維持
可塑剤が揮発しないため、塗装後の表面が変色しにくく、美しい外観を長期間維持できます。
メンテナンスの軽減
汚れが付着しにくいため、定期的な清掃や再塗装の頻度が減少します。
長寿命
可塑剤の揮発が抑えられるため、シーリング材自体の寿命も延び、長期間にわたり効果を発揮します 。
耐用年数
シーリング材の各種類にもよりますが、可塑剤を使用しないノンブリードタイプであれば、可塑剤入りよりも耐用年数が延長されます。
まとめ
シーリング材は、住宅の防水性を確保するために非常に重要な役割を果たします。しかし、ブリード現象により、塗装後の美観が損なわれることがあります。これを防ぐためには、ノンブリードシーリング材を選択することが有効です。ノンブリードシーリング材は、美観を維持しつつ、長期間にわたる耐久性を提供するため、特に美観が重視される場所や、メンテナンスの頻度を減らしたい場所に適しています。シーリング材の選び方や施工方法を正しく理解し、適切なシーリング材を選ぶことで、建物の防水性と美観を長期間にわたり維持することが可能です。