外壁塗装と外壁張り替えどちらがいいのか

林照剛

林照剛

テーマ:外壁塗装の豆知識

住宅の外壁は、建物の美観を決定づける重要な要素であるだけでなく、家屋全体の耐久性や快適性に大きな影響を与えます。適切なタイミングでの外壁塗装や外壁材の張り替えは建物の寿命を延ばし、快適な住環境を維持するために不可欠なメンテナンス作業です。今回は、外壁塗装と外壁材の張り替えについて解説していきます。


外壁塗装の特徴

外壁塗装は単なる美観の向上だけではなく、建物を保護する重要な役割を果たします。塗装をすることで、雨水の侵入を防ぎ、建物内部の腐食や劣化、カビの発生を抑制します。また、紫外線や温度変化によるダメージから外壁を守り、建物全体の耐久性を向上させます。さらに、特殊な断熱塗料を使用することで、建物の断熱性を改善し、エネルギーコストの削減にもつながります。


塗装に使用する塗料の種類


建物の状態や予算、期待する効果に応じて最適な塗料を選択することが重要です。各塗料のメリットとデメリットを十分に理解し、長期的な視点で選択することをお勧めします。

■アクリル塗料
特徴: 安価で色のバリエーションが豊富。
耐用年数: 5〜7年
メリット: 初期費用が低く、手軽に施工できる。
デメリット: 耐久性が低く、頻繁な塗り替えが必要。

■ウレタン塗料
特徴: 柔軟性があり、塗膜がしっかり密着。
耐用年数: 8〜10年
メリット: 耐久性があり、適度な価格。
デメリット: 紫外線に弱く、変色しやすい。

■シリコン塗料
特徴: 汚れにくく、耐候性が高い。
耐用年数: 12〜15年
メリット: コストパフォーマンスが良く、幅広く使われる。
デメリット: 他の高耐久塗料に比べて性能が劣る場合がある。

■フッ素塗料
特徴: 非常に高い耐久性と耐候性。
耐用年数: 15〜20年
メリット: 長期間メンテナンスが不要。
デメリット: 高価で初期費用が高い。

■無機塗料
特徴: 無機物を主成分とし、耐久性が非常に高い。
耐用年数: 20〜25年
メリット: 紫外線や酸性雨に強い。
デメリット: 他の塗料に比べて非常に高価。

外壁材張り替えの特徴

外壁張り替えは大掛かりなリフォームであり、まず古い外壁を除去し、内側の建材のコンディションをチェックした後、必要に応じて建材の補修や断熱材の交換を行い、新しい外壁を作ります。外壁以外にも断熱材の劣化が進行している場合が多いため、古い断熱材を除去し、新しい断熱材(例えばグラスウールなど)を充填します。次に、防水透湿シートや防水機密テープなどの建材類も新しいものに交換し、新しい外壁を取り付けます。これにより、外壁を含む関係する建材のほとんどを交換し、外壁にまつわるトラブル原因をすべて取り除き、解決するリフォームが実現します。


外壁塗装のメリットとデメリット

■メリット
コストが比較的安い: 外壁塗装は、張り替えと比べて一般的にコストが低いです。
短期間で施工可能: 塗装は短期間で完了するため、生活への影響が少ないです。
多様なデザインが可能: 塗料の色や質感を選ぶことで、外観を自由に変えることができます。

■デメリット
耐久性の問題: 塗料の種類によっては、数年ごとに再塗装が必要です。
劣化の進行が止まらない: 既に劣化が進んでいる場合、塗装だけでは問題を根本的に解決
           できないことがあります。


外壁張り替えのメリットとデメリット

■メリット
長期的な耐久性: 新しい外壁材を使用するため、耐久性が向上します。
断熱性能の向上: 張り替え時に断熱材を追加すると、断熱性能を向上させることができます。
トラブルの根本解決: 劣化した部分を完全に取り除くため、問題の根本的な解決が可能です。

■デメリット
コストが高い: 外壁張り替えは材料費や工賃が高くなるため、総費用が増加します。
施工期間が長い: 大規模な工事となるため、施工期間が長くなりがちです。


外壁塗装と張り替えのタイミング

■外壁塗装
外壁塗装は通常10〜15年に一度が適切なタイミングとされていますが、建物の状態や使用している塗料の種類によって異なります。色褪せ、チョーキング(塗膜が粉状になる現象)、ひび割れ、カビや苔の繁殖、塗膜の剥がれ、防水性の低下などのサインが見られた場合は、早めの塗装を検討する必要があります。

■張り替え
外壁材の張り替えは一般的に30〜40年に一度が目安ですが、材料の種類や気候条件、メンテナンス状況によって大きく異なります。大きなひび割れ、外壁材の剥がれ、著しい腐食や変形、断熱性能の低下、雨漏り、構造上の問題などが見られた場合は、専門家による診断と張り替えを検討すべきです。

外壁塗装と張替えのどちらが適しているか判断の目安

■外壁塗装が適している場合
外壁塗装は、建物の築年数が比較的浅い場合や、外壁の損傷が軽度な場合に適しています。具体的には以下のような状況が当てはまります。

●築年数が10〜30年程度の建物
この年数であれば外壁の基本的な機能は保たれており、塗装で十分な効果が得られます。

●軽度な損傷がある場合
サイディングの軽い反り、チョーキング(塗料が粉状になる現象)、小さなクラック(ひび)、軽度のサビなどは、適切な下地処理と塗装で改善できることが多いです。

●極端な環境ストレスにさらされていない建物
災害や特に厳しい気象条件にさらされていない限り、30年程度までは塗装で対応可能な場合が多いです。



■外壁張替えが適している場合
一方、外壁の状態が著しく悪化している場合は、張替えを検討する必要があります。以下のような状況では、張替えが推奨されます。

●外壁の崩れや著しい腐食がある場合
これらの問題は塗装や簡易的な補修では対応しきれず、時間とともに悪化する可能性が高いです。

●目地や継ぎ目に大きな隙間がある場合
これらの隙間は塗装では埋められず、むしろ塗料が隙間に入り込んで状況を悪化させる可能性があります。

●サイディングに穴が開いている場合
穴は塗装では修復できず、雨水の侵入などさらなる劣化を招く恐れがあります。

●モルタル外壁の大規模な崩れ
モルタルの崩れが進行している場合、塗装では根本的な解決にはなりません。

●金属サイディングの深刻なサビ
サビが進行して穴が開いているような状態では、張替えが必要です。


費用と見積もり

外壁塗装や張り替えの費用は、使用する材料、作業範囲、追加作業の有無などによって大きく異なります。一般的な戸建て住宅の外壁塗装で100〜200万円程度、外壁材の張り替えで300〜500万円程度を見込む必要がありますが、建物の規模や状態、選択する材料によっては、これ以上の費用がかかる場合もあります。
見積もりを取る際は、複数の業者から詳細な見積もりを取得し、価格だけでなく、作業内容や使用する材料の品質、保証内容なども比較検討することが重要です。また、追加費用が発生する可能性がある項目についても、事前に確認しておくことをお勧めします。


注意点とトラブル回避

外壁塗装や張り替えを成功させるためには、いくつかの注意点があります。まず、天候や気温を考慮し、適切な時期に作業を行うことが重要です。また、近隣への配慮も忘れずに、作業による騒音や粉塵について事前に説明し、理解を得ておくことが大切です。
契約時には、作業内容や使用する材料、保証内容などを詳細に確認し、不明点があれば必ず質問してください。作業中も定期的に進捗を確認し、問題があれば早めに対応することが重要です。また、作業完了後は丁寧に検収を行い、気になる点があれば速やかに業者に相談してください。



まとめ

外壁塗装と外壁材の張り替えは、住宅の美観と耐久性を維持するために不可欠なメンテナンス作業です。適切な時期に、適切な方法で行うことで、建物の価値を高め、快適な住環境を長期にわたって維持することができます。専門知識や技術が必要な作業も多いため、DIYで行う場合は十分な準備と注意が必要です。迷った場合は、信頼できる専門業者に相談し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。長期的な視点で計画を立て、定期的なメンテナンスを心がけることで、美しく快適な住まいを長く楽しむことができるでしょう。

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Mybestpro Members

林照剛
専門家

林照剛(1級建築施工管理技士)

株式会社ラディエント

遮熱・断熱塗装のほか、ひび割れなどに強い特殊塗装によるリフォームで省エネ(節電)を実現し、快適空間を創造します。特殊塗装に慣れた職人の丁寧な作業は、お客様から高い評価を得ています

林照剛プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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