クリア塗料の耐久性

林照剛

林照剛

テーマ:外壁塗装の豆知識

外壁塗装は、建物の美観を保つだけでなく、建物を風雨や紫外線から守る重要な役割を果たします。特にクリア塗料(クリヤー塗料)は、外壁の元の色やデザインをそのまま活かしながら保護するために用いられる特別な塗料です。本記事では、クリア塗料のメリットとデメリット、耐用年数、適用できる外壁材や適用できない外壁材について解説します。

クリア塗料とは

クリア塗料とは、顔料が含まれていない透明な塗料のことです。そのため、元の外壁の色やデザインをそのまま保ちながら、汚れや紫外線から外壁の劣化を防止する保護効果を提供します。




クリア塗料のメリット

元のデザインを保てる

クリア塗料を使用する最大のメリットは、元の外壁の色やデザインをそのまま保てる点です。これにより、新築時の美しさを維持しつつ、外壁の保護が可能です。

防汚性能が高い

クリア塗料は、防汚性能が高く、外壁に付着した汚れを防ぎやすくなります。特に、親水性の高いクリア塗料は、雨水が汚れを洗い流してくれるため、外壁が常にきれいな状態を保ちやすくなります。

紫外線からの保護

クリア塗料には紫外線カット機能が含まれているものが多く、外壁材の色褪せや劣化を防ぐ効果があります。これにより、長期間にわたって外壁の美観と耐久性を維持することができます。

防水性能

クリア塗料には防水性能も備わっており、雨水の浸入を防ぐことで外壁の劣化を防止します。特に木造建築物においては、防水性能が重要となります。

クリア塗料のデメリット

施工費用が高い

クリア塗料の施工費用は、一般的な色付き塗料に比べて高いことが多いです。これは、クリア塗料自体の価格が高いことや、施工に高度な技術が必要となるためです。

外壁の状態によっては使用できない

クリア塗料は、外壁の状態が良好であることが前提となります。すでに外壁が劣化している場合、クリア塗料だけでは保護効果が不十分なことがあります。外壁が汚れていたり、クラックが入っている場合は、まず修復が必要です。

耐用年数が限られる

クリア塗料の耐用年数は、使用する製品や外壁の環境によって異なりますが、一般的には5~
10年程度です。定期的なメンテナンスが必要となるため、長期的な視点でのコストを考慮する必要があります。

適用できる外壁材が限られる

クリア塗料は、特定の外壁材にしか適用できません。例えば、サイディングやタイルなどの素材には適していますが、モルタルやコンクリートには適さない場合があります。

クリア塗料の耐用年数

クリア塗料の耐用年数は、製品の種類や使用環境によって異なります。一般的には、以下のような耐用年数が目安となります。耐用年数を延ばすためには、定期的なメンテナンスや点検が必要です。特に紫外線の強い地域や降雨量の多い地域では、耐用年数が短くなることがあります。
一般的なクリア塗料:5~10年
・アクリル系 ・ウレタン系

高耐久性クリア塗料:10~15年
・シリコン系 ・フッ素系

クリア塗料が使用できる外壁材

・サイディング 特に新築時の美観を保ちたい場合に適しています。
・タイル タイルのデザインを活かしつつ保護が可能です。
・レンガ レンガの自然な風合いをそのまま維持できます。

クリア塗料が適用できない外壁材

・モルタル クラックが入っている場合、クリア塗料では保護しきれないことがあります。
・コンクリート 表面が粗く、クリア塗料の密着性が低いことがあります。
・一部の木材 木材の種類や状態によっては、クリア塗料が適さないことがあります。

まとめ

クリア塗料を使用することで、外壁の美観を保ちながら保護することが可能です。しかし、クリア塗料にはデメリットもあり、適用できる外壁材が限られるため、事前にしっかりと検討することが重要です。定期的なメンテナンスを行うことで、長期にわたって外壁の美しさと耐久性を維持することができます。
外壁塗装を検討する際には、専門業者と相談し、最適な塗料と施工方法を選ぶことをおすすめします。

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林照剛
専門家

林照剛(1級建築施工管理技士)

株式会社ラディエント

遮熱・断熱塗装のほか、ひび割れなどに強い特殊塗装によるリフォームで省エネ(節電)を実現し、快適空間を創造します。特殊塗装に慣れた職人の丁寧な作業は、お客様から高い評価を得ています

林照剛プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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