塗装の面積について

林照剛

林照剛

テーマ:外壁塗装の豆知識

複数の業者から外壁塗装の見積をお願いして、確認した時に、塗装面積がバラバラだった。あるいは、建坪表記でそもそも塗料面積の表記が無かった、こんな場面に合った場合無いですか?このような場合、判断する知識が無いし、どれが一番正しいかわからないと思います。外壁塗装の値段は建物の塗装面積から必要な塗料を計算し、それに人件費などを加えて算出されるものです。なので正確な塗装面積がわからないと正確な見積もりも出せないのです。
こちらを理解しておかないと塗装業者にいわれるがまま決めてしまう可能性があります。自分の家の外壁塗装面積の算出方法をお伝えします。参考にしてください。

建坪から正確な塗装面積は出せない

よく外壁塗装の見積を見てみると塗装する数値を「〇坪」と表記する業者がいます。この表記は一見わかりやすい表記になっていますが、坪数で塗装面積を出す事はできません。外壁の高さ、窓や玄関といった開門部の面積によって大きく塗装面積が変わってきます。建坪面積表記だと消費者からするとわかりやすい為、目安として表記して起き、後から正確な塗装面積を出し直す業者もいてます。しかし「○○坪○○円」と表記する業者もいてます。その場合は要注意です。坪表記が悪質という訳ではありませんがどうしてその額になったか、という根拠を納得するまで説明してもらうようにしてください。また「㎡」で出してくれる業者にお願いするようにしてください。

建坪と塗り面積の違い

では建坪と塗装面積の違いはどこにあると思いますか?それは「外壁の面積を算出しているかどうか」になります。建坪は1階の床面積を表したものです。これは建築面積とも呼ばれ、家の床を塗装するのであれば良いかもしれませんが、外壁塗装するなら話は変わってきます。建坪は全く関係ありません。外壁には窓、玄関、といった物があります。その分は塗装しないので面積が入っていない事を確認してください。坪数の場合は入っている場合が多く、㎡数なら入っていない事が多いです。


40坪の図の赤い点線がそれぞれ上と左に平行移動しただけであり、外壁塗装面積は変わらないのです。つまり、建坪は35坪と40坪と違いますが、塗装面積変わりません。このように、坪数は単なる床面積であり、塗装面積は坪数と比例しないことがわかります。

外壁塗装の算出方法

外壁の塗装面積を算出する方法は2つあります。実測をして算出する方法か、図面から算出する方法です。まず、実測をして算出する方法から見ていきたいと思います。

実測して算出する方法

実測で算出する場合、スケール(巻尺)を使用して外壁周りの長さ、外壁の高さ等の実寸を測ります。その他に、窓や玄関といった開口部が何箇所あり、それぞれ大きさはどのくらいかを調べます。スケール(巻尺)で実測することが主流でしたが、レーザー距離計というレーザーを利用して実測できるハイテク機器も出てきており、より正確な実測が可能となってきました。



図面から概算で算出する方法

図面から概算として算出する場合、延べ床面積から計算することができます。概算には「延坪×3.3×係数=外壁塗装面積」という計算式を使用します。
係数の範囲は1.2から1.7ぐらいと言われています。建坪が20平米で2階建ての家の外壁塗装面積を算出するとしましょう。まず、延べ床面積を出しますが、1階と2階がそれぞれ20坪とすると、総延べ床面積は40坪となります。
つまり、「40×3.3×1.2」といった計算式が出来上がります。計算してみると、158.4㎡という外壁塗装面積が出てきました。

延べ床面積: 20(坪)+20(坪)=40(坪)

(※1階と2階の延べ床面積がそれぞれ20坪の場合)外壁塗装面積:40(坪)×3.3×1.2=158.4㎡上記の方法で概算の外壁塗装面積を求めることができるのです。

しかし、この数値はあくまで概算です。窓や玄関と言った開口部の数や大きさの違いによって外壁塗装面積に差が出て来ます。ある程度は自分で算出できますが、より正確にしる為には業者に実測してもらうか、次に紹介する「図面から算出する方法」をオススメします。

図面から精密に算出

図面から算出する場合、家の平面図、立面図、矩図(かなばかりず)、屋根伏図が必要となります。これらの図面は家を建てた時に買った際に業者、不動産から提出されているはずですので確認してみてください。この4種の図面をもとに、CADというコンピュータで図面設計されたものから塗装面積を算出することが出来ます。図面からコンピュータで計算して塗装面積を算出するものですから、精度が高い正確な数値が出て来ます。


まとめ

いかがだったでしょうか?
この記事では外壁塗装を依頼する時に、正しい塗装面積を算出して見積もりが作成されているかどうかを確認すべきということ、そして正しい塗装面積はどうやって算出するのかをお伝えしました。リフォーム図面などの自分のものさしを持ち、相見積もりもりをとることで、自分の家の塗装面積はどのくらいで、外壁塗装をする場合の費用はどのくらいでできるのか判断基準となります。この記事をきっかけに外壁塗装の塗装面積について理解いただければ幸いです。

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林照剛
専門家

林照剛(1級建築施工管理技士)

株式会社ラディエント

遮熱・断熱塗装のほか、ひび割れなどに強い特殊塗装によるリフォームで省エネ(節電)を実現し、快適空間を創造します。特殊塗装に慣れた職人の丁寧な作業は、お客様から高い評価を得ています

林照剛プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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