雨の日でも塗装は可能なのか
現在、日本にある屋根の中で一番使用されているのは、スレート(カラーベスト)屋根です。
屋根は普段見る事もない場所な為、経年劣化に気付いた時には屋根が割れていたという経験はありませんか?実はスレート屋根は比較的割れるケースが多くその要因もいくつか考えられます。今回はこのカラーベスト屋根についてお話していきます。
気象や環境の変化
スレート屋根が割れる大きな要因の一つとして気象条件や環境変化です。日光や雨、温度変化などの気象変化による影響を屋根は受けやすいと言えます。例えば雪深い地域では屋根に積もった雪がその下の屋根に落ちた際に割れてしまうというケースがあります。
また寒い地域では凍害にも気を付けなければなりません。屋根材に吸収された水が凍結すると膨張し溶けると元の体積に戻ります。
水が体積の膨張と収縮を繰り返すことで屋根材は徐々に傷んでいき、割れにつながってしまうのです。さらに、台風や暴風によって飛来してきた物がぶつかるケースも想定されます。そのほかにも雹(ひょう)など様々な自然現象によって、ダメージを受ける可能性があるでしょう。
経年劣化
経年劣化も、屋根が割れる要因の1つです。夏場は屋根の表面温度が70度近くにもなり、雨による含水や晴天時の乾燥などを何度も繰り返すことで、徐々に屋根が耐久性を失っていきます。その結果本来であれば問題のないレベルのダメージにも、耐えきれなくなってしまうのです。
特にスレート屋根は薄く作られているため、経年劣化によるダメージに弱い傾向があります。温度差による反りも発生しやすく、徐々に反っていくことでスレートの成分間に隙間ができてしまうため、さらにダメージに弱くなってしまいます。
踏み割れ
スレート屋根が割れる要因としては、踏み割れも挙げられます。踏み割れとは、人の足で踏んだ際に割れてしまうことを指します。業者に屋根の修理を依頼した際などに何らかの理由で作業員の方が踏み抜いてしまい割れてしまうのです。
踏み割れにはスレートそのものを踏んで割れてしまうケースと、スレートを固定している釘を踏むことで割れてしまうケースの2つがあります。
メンテナンス・対処の仕方
スレート屋根の耐久性を高める方法として、定期的な塗装メンテナンスが挙げられます。スレート屋根は軽量で耐震性に優れていますが耐久性が低く、しっかりとした塗装で保護することが重要なのです。そのためここでは、メンテナンスの基本とより耐久性を増す方法について解説します。
メンテナンス方法
- 塗装面の洗浄と補修を行う
- 塗料の下塗り・中塗り・上塗りを行う
- 最後に縁切りを行う
上記の「縁切り」とは、塗料によって接着してしまった屋根材のつなぎ目を切り離す作業のことを指します。スレート屋根はセメントが主成分であり、防水性がありません。そのため上記の塗装メンテナンスを定期的に行い、防水性能を高めるのです。基本的にはシリコン系塗料を使用し、10年程度は効果が続きます。
より耐久性を高める方法は?
塗料にはここまで紹介したシリコン系塗料の他にも、フッ素塗料や遮熱系塗料などがあります。これらの塗料は15年以上効果が持つため、長期間の保護を行いたい場合にはおすすめです。また、屋根の劣化が進んでしまった場合には「カバー工法」と呼ばれる手法も取られます。
カバー工法とは既にあるスレート屋根の上から金属屋根を重ねて、二重構造の屋根にする手法のことです。ただしこれも屋根が著しく損傷している場合には使用できないため、ご注意ください。
屋根の躯体を丈夫にする
人間が踏むことによってひび割れが入ってしまう「踏み割れ」を防ぐためには、屋根の躯体を丈夫にしてもらうことができます。踏み込んだときは小さなひび割れでも、次回点検までの10年が経過することで徐々にひびが大きくなり、割れてしまうのです。屋根の躯体を丈夫にすることでスレートの下にある「野地合板」に人が踏み込んだ際発生するたわみが少なくなり、結果としてひび割れが入りにくくなります。
スレート屋根が割れてしまう原因について解説してきました。ご自宅のスレート屋根が割れてしまう原因を特定する材料となりましたでしょうか?またご自宅にとってどんなスレート屋根の割れ対策が必要も確認できたと思うので定期的なメンテナンスを行うようにしてください。