軒天のシミは放置して大丈夫?
どんなに立派な建物でも、経年とともに劣化は避けることができません。建物の劣化で回避したい症状の一つに雨漏りがあります。雨漏りは建物にとって深刻なダメージを与えるため、可能な限り起こらない方がいいです。でももし雨漏りが発生してしまった場合は、とりあえず応急処理をしましょう。今回は雨漏りの応急処置について解説します。
雨漏りの害
建物の損傷
雨漏れが続くと、屋根や壁、床などの建物の構造物に損傷を与える可能性があります。木材やコンクリートなどの建材が腐食し、弱くなってしまいます。
室内の損傷
雨漏れがあると、室内の壁や天井、床などに水が染み込み、シミやカビの発生を引き起こす可能性があります。また、家具や家電製品なども水によって損傷を受けることがあります。
家財の損失
雨漏れによって家具や電化製品、衣類などが水に濡れると、修復不可能な損傷を受けることがあります。これにより、貴重な家財が失われる可能性があります。
健康被害
雨漏れによって室内が湿気を帯びると、カビやダニ、シロアリなどの害虫の繁殖が進み、アレルギー症状や呼吸器系の疾患を引き起こす可能性があります。
電気系統の故障
雨漏れが電気配線やコンセントに影響を与えると、ショートや故障が発生する可能性があります。これにより、火災や感電のリスクが高まります。
雨水の浸入経路
屋根
屋根材の瓦やスレートの割れやズレが発生すると、できた隙間から雨水が侵入します。屋根材下には防水シートが施されていますが、運悪く防水シートの隙間や釘打ちの穴から雨水が浸入することもありますし、長期的な雨水侵入により木材の腐食が進行し屋根のズレが大きくなると雨水が大量に室内に侵入することもあります。防水シートも経年劣化しますので注意がひつようです。特に瓦屋根は塗装で表面を保護できないので、20年~30年では防水シートの葺き直しをすると安心です。
外壁
外壁からの雨漏れする原因はひび割れです。ひび割れはモルタルの建物だけの話ではなく窯業系サイディングの外壁も、ひび割れや反り返りによって隙間が発生します。また、サイディング材同士の繋ぎ目を埋めているコーキングの劣化もひび割れや剥がれによって隙間ができてしまします。外壁内も屋根と同じく防水シートが内側に施されていますが、壁材と防水シートの間に溜まった水分は少しずつ木材を腐食させ、雨水が室内に侵入する原因になります。
窓・ドア
窓やドアの隙間や、外壁との隙間を埋めているコーキング材の劣化部分から雨水が浸入してきます。古いお建てものなどは、建物の躯体に歪みが発生し隙間ができることもあります。また、横殴りの強い雨が降った時にサッシレール下の隙間から雨水が浸入する場合もあります。
ベランダ・バルコニー
ベランダやバルコニーの防水処理が不十分な場合、雨水が浸み込み室内に流れ込みます。また、ベランダの排水溝や配水管の詰まりなども雨漏れの原因となることがあります。
雨漏りした時の応急処置
水の流れを止める
雨漏りが発生している箇所にバケツや洗面器を置き、水の流れを止めることが最優先です。水が床や家具に浸み込まないように、できるだけ早く対処しましょう。
室内の水を拭き取る
雨漏りによって室内に水が浸み込んだ場合、できるだけ早く水を拭き取ります。床や壁、家具などに水が残っていると、カビやシミの発生を引き起こす原因になります。
雨水の浸入箇所をカバーする
雨水の浸入している箇所がおおよそ特定でき、安全性に問題のない場所であればブルーシートなどを使い雨水の浸入を和らげることをお勧めします。もしも侵入箇所がわからない場合は、怪しい箇所を大きめにカバーができれば雨漏りを止めることができます。また、雨水の浸入箇所が特定できている場合は防水テープなどを張ると迅速かつ手軽に雨漏り箇所を修復できます。
いかがでしたか。雨漏りは建物を弱らせる大敵なので、できるだけ起こる前に家のメンテナンスをすることを強くお勧めします。しかし雨漏りは新しい建物でも起こりうることなので、発生した場合は早急に専門業者に連絡し、必要な修繕をしてもらい建物を長期的に守っていきましょう。