塗料の機能や特性
「外壁塗装をしたのに外壁に膨れができてきた!」そのようなトラブルが発生した家主様からご相談を受けることがあります。メンテナンスをしたはずなのに、外壁にこのような症状が現れると驚きますよね。今回は、何故膨れの症状がでるのか、対処方法について解説していきます。
外壁の膨らみの原因
外壁が膨らむ症状は壁材自体の問題ではなく、外壁塗装を行った際に塗布した塗料が(塗膜)膨らんでいるためです。膨らむ原因は大きく分けて2通りあり、1つ目は経年劣化、2つ目は施工不良が原因です。以下にて、それぞれの膨らみを放置していると
経年劣化による膨らみ
築10年前後経ったお建物や、前回の塗装から10年前後経過したお建物は塗膜の経年劣化が進むと、表面にひび割れが発生してきます。そのひび割れから雨水が浸入し、塗膜内と壁材の間に水がたまることで塗膜が膨らんでしまいます。また、少量の雨水であっても、侵入した水分が蒸発することで塗膜を押し広げ膨らみになってしまう場合もあります。
施工不良による膨らみ
施工不良により塗膜が膨れる主な原因として3つあります。
高圧洗浄不足
塗装工事を行う際は、外壁に付着した汚れや苔、藻、カビ、剥がれかけている旧塗膜などを高圧洗浄で落とします。そうすることで、外壁表面の凸凹が平になり塗料が外壁にしっかり密着し隙間を防ぐことができれば膨れのリスクを減らすことができます。この高圧洗浄不足がある場合に、塗膜の膨れが発生する原因になります。
下地塗布前に外壁が濡れていた
塗装前の外壁が、しっかり乾いていない状態で塗装をした場合、塗膜と壁がしっかり密着しないばかりか、壁と塗膜の間の水分が蒸発し、その圧力で塗膜が膨れしまいます。
適切な塗料の選定ミス
外壁の建材の性質、前回の塗装に使用した塗料の種類、劣化した外壁の状態によっては、相性として使用できない塗料があります。また、塗装を行う際に一番最初に塗布する下地材がありますが、その下地材とその上に塗装する塗料の相性が悪い場合も塗膜が膨れる原因になります。
塗膜が膨れてしまった場合の対処法
塗膜が膨れている状態は、塗膜本来の役割が果たせていない状態と言えます。
上記にて解説した、劣化による膨れ症状については一番重要な防水機能が果たせていません。雨が降るたびに雨水が侵入し続けると膨らみに水分が溜り、雨漏れや雨漏れにともなう壁材の腐食が進行します。また、シロアリ発生のトラブルも招きやすくなるため、早めに対処することをお勧めします。
メンテナンス方法は再塗装を行います。まずは膨らみ部分を除去する必要があります。その除去した部分を整え再度塗装を行うことで防水効果を得られるようになります。膨れを長期間放置して壁内の劣化が深く進攻している場合は、壁内の腐食した建材の取り除き整えた後で塗装を行います。
また、施工不良による膨れについては、経年劣化の膨らみに比べると緊急性は低いですが、塗膜本来の役割を保っている状態ではないといえます。その為、長い間放置すると経年劣化の膨らみと同じようなリスクが高まります。たとえ塗装した塗料が10年の耐用年数があったとしても、膨らみの部分はすぐにひび割れや剥がれが起こりやすくなる為、注意が必要です。メンテナンス方法としては同じく再塗装を行いますが、前回の施工不良塗膜の上に塗装を行うため、塗装工事内容も限定的になります。業者に現状をよくみてもらい判断してもらいましょう。