水性塗料と油性塗料の違いについて

林照剛

林照剛

テーマ:外壁塗装の豆知識

外壁や屋根塗装で使用する塗料には、水性塗料と、油性塗料があります。
今回は水性塗料、油性塗料の違いについて解説していきます。

水性塗料と油性塗料の違い


水性塗料とは
水性塗料は、希釈剤として水が使われている塗料のことです。従来の油性塗料は、シンナーなどの有機溶剤を希釈材として使用していましたが、水性塗料は環境に優しい塗料として注目されています。また、近年では水性塗料の品質に改良が重ねられ、耐久性の高い水性塗料が開発されたことから、油性塗料同等の耐久性を持った水性塗料も外壁塗装で多く使用されています。

油性塗料とは
油性塗料とは、油や合成樹脂などで作られており、シンナーなどの有機溶剤を希釈して使用する塗料です。近年は水溶性塗料へと少しずつ移行していますが、従来より高耐久の塗料として多く使用されていました

水性塗料のメリット・デメリット

油性塗料のメリット

● 水を主成分とすることで有害な揮発性有機化合物(VOC)の発生を抑えることができます。そのため、塗装作業時の匂いや揮発物の影響を軽減し、施主様の室内環境や近隣の方、作業者の健康に配慮します。

● 有機溶剤を使用していないため、火災のリスクが低くなります。また、塗料の取り扱いや廃棄処理も簡単で、作業時の安全性が高いです。

● 近年では、従来の油性塗料と肩を並べるほど耐久性や耐候性が高まり、長時間にわたって美しい仕上がりを保つことができます。また、色褪せや剥がれにくい特徴もあります。

● 木材や金属、プラスチックなどの様々な素材に対応しています。また、水溶性塗料は柔軟性があり、素材の伸縮に対応することができます。

● 水で簡単に洗い流すことができるため、作業後の道具や周辺の汚れが付いた場合も修復が比較的簡単です。(しっかり乾燥した後は、強固な塗膜を形成します)

● 油性塗料とは違い水を希釈するので油性塗料よりも価格を抑えられます。

水性塗料のデメリット

● 近年では高耐久な水性塗料も増えてきましたが、一般的に油性塗料よりも耐久性が低いとされています。特に高負荷の場所での使用は不向きです。

● 油性塗料に比べて塗膜の強度が低いため、傷や剥がれが生じやすいとされています。特に激しい摩擦や衝撃を受ける場所では、塗膜の保護が不十分となる可能性があります。

● 油性塗料に比べて、乾燥時間が長い傾向にあります。特に湿度の高い環境では、乾燥に時間がかかることがあります。そのため、作業時間や塗装の進行に制約が生じる場合があります。

● 油性塗料に比べると、塗りムラが生じやすいとされています。特に塗料の粘度が高い場合には、均一な塗り面を作るのが難しいことがあります。

● 油性塗料に比べて、経年劣化により色が変化がしやすいとされています。特に塗料の種類や塗り方によっては、色の濃淡や光沢の違いが生じることがあります。

油性塗料のメリット・デメリット


油性塗料のメリット
● 油性塗料は水性塗料よりも耐久性が高く、乾燥後に硬化し長時間にわたって保護効果を持続させることができます。特に屋外の木材や金属などの表面に使用すると、耐候性が向上し、劣化を防ぐことができます。

● 油性塗料は水を弾く性質が高く、表面をしっかりと保護するため、防水効果が高いです。そのため、雨や湿気から建材を守ることができます。

● 油性塗料は水性塗料よりも粘度が高く、塗った表面にしっかりと密着します。そのため、凸凹や傷などの表面の不均一さをカバーし、美しい仕上がりを実現することができます。

油性塗料のデメリット

● 揮発性有機化合物(VOC)が含まれており、これが大気中に放出されることで環境汚染や健康への悪影響を引き起こしす可能性があります。また、塗装作業時にはシンナーの匂いが発生するため、換気に注意しなければなりません。

● 油性塗料は時間の経過とともに塗装面が黄ばむことがあります。特に白色や淡色の塗装面では、黄ばみが目立つことがあります。

● 一般的に難燃性が低いとされています。特に高温の場所や火気の近くで使用する場合には、火災のリスクがあるため注意が必要です。

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林照剛
専門家

林照剛(1級建築施工管理技士)

株式会社ラディエント

遮熱・断熱塗装のほか、ひび割れなどに強い特殊塗装によるリフォームで省エネ(節電)を実現し、快適空間を創造します。特殊塗装に慣れた職人の丁寧な作業は、お客様から高い評価を得ています

林照剛プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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