塗装の面積について
外壁塗装や屋根工事、雨漏りの件を細かく説明してきました。今回も外壁塗装についてのブログ記事になりますが、ちょっと違った内容になります。外壁塗装にもできるものとできない物があります。そこで今回は外壁塗装が出来ない家の特徴を紹介していきたいと思います。
まず最初に塗装が出来ない、ではなく塗装を行う必要がないという意味の方が正しいです。
【築10年前後の建物で新築時に耐久性の高い塗料でコーティング
新築時に外壁に高耐久のフッ素や光触媒などが使用されていて、築年数が10年前後に外壁塗装を希望される場合、劣化状態も踏まえて確認し、現状塗装の必要なしという判断をする可能性があります。一般的に新築の際に使用されるサイディングボードの塗装は工場の生産段階で行われて出荷されます。新築時、サイディングボードの塗装は工事金額を抑えるために耐久性が低い塗料が使用されます。施主様の希望でフッ素や無機など高耐久塗料でコーティングすることも可能です。このような高耐久塗料で塗装している外壁は、築10年前後ではまだ塗膜が生きているので塗装を行ってもすぐに新しい塗膜が剥がれる可能性があります。そのため、高耐久塗料で外壁がコーティングされている場合、劣化状況などを確認したうえで業者によっては塗装の必要がないという判断になる場合があります。
【サイディングボードが直張りの建物】
直張りされているサイディングボードは塗装できません。塗装を行った場合は塗装が早期に剥がれてしまう可能性があります。そのため、新たな外壁材に張り替える施工が一般的です。一般的にサイディングボードの張り付けは通気工法という工法で行われており、サイディングの内側に隙間を作って空気の通り道を作る施工になります。直張りと言われる工法はサイディングと躯体との間に隙間を作らないでそのまま張り付けることを言います。通気構法が周知されてきたのは2000年4月以降になります。それより前に建てられた建物の場合は直張り工法の可能性が高くなります。直張りのサイディングボードに塗装を行った場合、湿気や熱の逃げ道になる隙間がありませんので塗膜が膨れあがり、最終的に剥がれてしまう可能性があります。そのため、直張りと判断された場合、基本的には塗装はできません。
【外壁の破損がひどいサイディング外壁】
外壁の大きなクラックが原因で雨漏りが発生していたり、爆裂箇所などが外壁に確認される場合は塗装を行うより、張り替えやカバー工法で施工します。外壁の大きなクラックなどでサイディングボードの中に問題が出てくると雨漏りや爆裂などが発生します。雨漏りの原因は中の防水シートなので、サイディングボードを塗装だけ直したとしても、クラックが再発した場合は雨漏りも再発します。また、爆裂の原因はサイディングボード内部に溜まった水が凍ってしまい、体積が大きくなってしまうことで発生します。そのため、外壁が原因で雨漏りや爆裂箇所が発生した場合は塗装を行うと再発する可能性がありますので、カバー工法か張り替えを行う必要があります。
【築20年以上で塗り替えを一度も行っていないサイディング外壁
築20年以上の建物で塗り替えを一度も行っていない場合は雨漏りや爆裂箇所が発生していなくても建物自体の劣化がある可能性が高くなります。基本、張り替えやカバー工法の工事が必要になることもありますが、劣化状況は建物の環境や立地条件などにもよるので、塗装で対応できる場合があります。
【人が入り込めないほど狭い場所】
人が入れないくらい狭い場所は基本的に塗装できません。体が入るところであれば塗装を行えますが、動ける面積がないので良い仕上がりにはならないことが多いです。そのため、狭い場所で塗装をご依頼する場合は手の届く範囲での塗装や仕上がりに関してはあまり期待しないようにしましょう。