遮熱塗料の塗装に補助金や助成金ってもらえるの?

林照剛

林照剛

テーマ:遮熱塗料の効果と活用法

遮熱塗料による塗装には補助金や助成金がもらえる場合があります。その条件や一般的な手続きについて見てみましょう。



なぜ遮熱塗装に補助金や助成金が出るのか

遮熱塗料による屋根や外壁の塗装に補助金などが出ることになっているのは、地球環境問題の中でも大きな課題になっている地球温暖化防止に遮熱塗料の効果が期待されているからです。

ご存知のように、地球は大気の層にすっぽりと包まれています。この大気に含まれるのが水蒸気、二酸化炭素、メタン、フロンなどいわゆる「温室効果ガス」です。
この「温室効果ガス」があるおかげで、地球の気候(温度)は私たち人間を含め生物の生息に適したものになっているわけですが、しかし、いま「温室効果ガス」の主役である二酸化炭素の濃度が大幅に増加しています。これが地球温暖化の大きな要因です。

そして、二酸化炭素の濃度が高くなっている理由は、石炭や石油など化石燃料の使用によって二酸化炭素の排出量が増えているからです。
エアコンをはじめ電化製品は私たちの生活に欠かせなません。しかし、電気を作るもとになる石炭や石油をたくさん使うことは、二酸化炭素の排出を増すことになります。

たとえば、夏涼しく、冬は暖かく。これは私たちの理想とする暮らしですが、その暮らしのためにエアコンの使用量を増すことは、電気をより多く使うことになります。そのため石炭や石油の使用量が増え、それによって二酸化炭素の排出量が増加し、地球温暖化を加速させることになります。

遮熱塗料は日射しを反射することで室内の温度を下げる効果があり、エアコンの使用量を抑えることができます。その結果、二酸化炭素排出による地球温暖化の抑制への効果が期待されているわけです。これが遮熱塗料による塗装に補助金や助成金が出されることになっている理由です。

どこで調べればいいか

しかし、全ての自治体で遮熱塗料による塗装工事に助成金を出しているわけではありません。
たとえば、断熱材を使い住宅を高断熱住宅にフォームする場合には助成金を出しているものの、遮熱塗料による遮熱・断熱には助成金を出していない自治体もあります。

また、屋根だけではなく外壁も塗装すること、そしてその塗装面積は○㎡以上というように各自治体によってさまざまな条件が設けられています。
ご自分が住んでいる自治体が遮熱塗料による塗装工事に対して助成金等を出す規定を設けているかどうか、塗装前に自治体に問い合わせることをおすすめします。

また、インターネットに「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」というサイトがあります。このサイトで調べてみるのもいいでしょう。
試しに、このサイトで、京都府を選択し「支援分類」のうち「省エネルギー化」と「環境対策」にチェックを入れ、さらに「支援方法」のなかから「補助」にチェックを入れて、「検索」をクリックしてみました。

すると「検索結果」の一覧が出ます。その「検索結果」の中から、京都市の「既存住宅省エネ支援事業」を選択してみると、京都市の「支援事業の概要」が出ます。
そして、そのページの「詳細ホームページ」をクリックすると、「対象工事及び補助金額一覧」が出て、その「6遮熱工事」という欄には、
「ア屋根面の遮熱工事(遮熱塗装等,遮熱鋼板) 施工面積50㎡以上:30,000円/式 施工面積25㎡以上50㎡未満:15,000円/式」
「イ外壁面の遮熱工事(遮熱塗装) 施工面積50㎡以上:30,000円 /式 施工面積25㎡以上50㎡未満:15,000円/式」と出ていました。
つまり、定められた施工面積以上であれば補助金が出るということです。

ただし、これは「平成29年度」と題されています。より正確には京都市に直接問い合わせる必要があります。
また、屋根や外壁の塗装だけでは遮熱塗料を使っていても補助金等は出ないのが普通のようです。一般的にはリフォームと一緒に屋根や外壁に遮熱塗料を用いる際に限って助成の対象となるようです。

一般的な手続きの流れ

もし、お住まいの自治体で遮熱塗料による塗装工事に助成金が出ると分かった場合、その手続きは大体以下のようになります。

①自治体に助成金の申請を出す(申請書等もインターネットでダウンロードできるようになっている自治体が多いようです)
②各自治体が定めた条件に合っている場合のみ決定通知が届きます
③工事開始と終了
④工事終了後、報告書を自治体に提出します
⑤施工した住宅の確認(各自治体が行います)
⑥各自治体が条件を満たしていると判断すれば決定通知が届きます
⑦そして、助成金を受給することになります

ただし、助成金当を受けるには、ある程度の時間がかかることは覚悟をしなくてはなりません。
しかし、遮熱塗料による塗装工事は現在、大きな課題となっている地球温暖化抑制への貢献に対するものですから、ぜひ、申請をなさることをおすすめします。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

林照剛
専門家

林照剛(1級建築施工管理技士)

株式会社ラディエント

遮熱・断熱塗装のほか、ひび割れなどに強い特殊塗装によるリフォームで省エネ(節電)を実現し、快適空間を創造します。特殊塗装に慣れた職人の丁寧な作業は、お客様から高い評価を得ています

林照剛プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

屋根・外壁塗装、雨漏りに強いリフォームの専門家

林照剛プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼