遮熱塗料ガイナの施工方法を紹介
今回は遮熱塗料の原理・しくみについてお話ししましょう。遮熱塗料の効果の理由がお分かりいただけるとおもいます。
太陽光と遮熱
太陽の光は波長の短い順に「紫外線」「可視光線」「赤外線」に分類されます。
「紫外線」は英語でウルトラバイオレット(Ultraviolet)、略して「UV」と言われたりします。女性の方には「UVカット」をアピールした化粧品をお使いの方も多いでしょう。
「可視光線」は、目に見える光線。私たちが見る太陽の光です。
そして、「赤外線」は波長が長く一番熱に関与するもの、私たちが暖かさを感じる光線です。しかし「暖かさ」はいいですが「熱い」は困りますね。
赤外線を吸収すると物体の温度が上がります。
夏、家の屋根は60℃を超え、金属の屋根の場合、70℃~90℃まで上昇することもあります。これは屋根が赤外線を吸収し、熱くなっているのです。
遮熱塗料は、赤外線の吸収を反射によって少なくし、熱くなるのを抑ええてくれるわけです。
日射反射率という言葉があります。これは太陽光の熱エネルギーをどのくらい反射するかを示すものです。
日射反射率の数値が高くなるほど遮熱効果が高いということになります。計測データでは、遮熱塗料は一般塗料に比べ圧倒的に高い反射率を示し、屋根の表面温度が熱くなるのを抑えるものであることを証明しています。
遮熱塗料には、さまざまなものが開発されていますが、多くは塗料を形成する樹脂にセラミックを配合しています。ミクロンサイズ(ミクロンは1000分の1ミリを表す単位)の特殊なセラミックです。
多孔質のものは、孔(あな)に空気を含み太陽の光と熱を反射し、無孔質のものには、反射と排熱を兼ね備えたものがあります。
熱の移動について
ところで、熱の伝わり方には3つのパターンがあります。「伝導」「対流」「放射(輻射)」の3つです。
「伝導」は、たとえばフライパンでハムエッグを作る時をおもうと分かりやすいでしょう。火で熱くなったフライパンから卵やハムに熱が伝わり、ハムエッグができます。また、寒い冬、使い捨てカイロを手にしていると手が暖かくなります、これも「伝導」です。接することで物体の中に熱が伝わって行く、移動していくことを「伝導」と言います。
「対流」。ヤカンでお湯を沸かす時の熱の伝わり方が「対流」です。ヤカンの底が熱せられると、熱くなった水は上へ行き、まだ熱くなっていない水は下へ行き、徐々にヤカンの中の全体が熱くなり、沸騰します。
対流は空気でも起こっています。夏、エアコンから出された冷たい空気は下へ行き、暖かい空気は上に行きます。熱が対流することで伝わって行く、移動しているわけです。
さて次に「放射」ですが、これは熱いものの近くにいると暖かくなるということです。たとえば、冬、ストーブのそばは暖かいですね。あるいは縁側の日向ぼっこも暖かいですね。いずれも「放射(輻射)」による熱の伝わり方です。
遮熱塗料は主として「放射」による熱の伝わり方を抑える効果を持つ塗料ですが、「伝導」とも関係しています。
というのは、夏、家の屋根が熱くなれば、その熱は「伝導」によって屋根材に伝わります。そして、天井裏が「放射(輻射)」によって暑くなります。
遮熱対策が施されていない家は、夏、2階へ上がる階段の途中で暑さが感じられる空気の層が現れ、2階は暑くて寝られないということにもなります。
また、遮熱塗料には、反射によって屋根が熱くなるのを抑えるだけでなく、反射しきれなかった熱を放散する機能を持った塗料もあります。これは、そうすることで、いわゆる「熱だまり」を抑制しようとするものです。
遮熱塗料と断熱ハウス
みなさんは「断熱材」という言葉をご存知でしょう。
大工さんが施工するグラスウール系の断熱材もあり、吹き付けタイプの断熱材もあり、素材も施工方法もさまざまです。
現在、断熱効果が高いと言われているのは、家全体を断熱材ですっぽり覆い、ちょうど魔法瓶のように内・外の熱を断熱する方式です。
現在、家の断熱を念頭にリフォームをご検討でしたら、ぜひ、屋根や外壁の塗装もお考え下さい。
断熱材による断熱と遮熱塗料による遮熱、この二つを合わせたなら断熱効果がより向上します。夏涼しく、冬暖かい家、これは過ごしやすさという観点から考えたら理想的な家でしょう。
ただ、断熱材を使って家の断熱性を向上させようとすると、家の気密性も高める必要があり、同じ金額を支払っても施工業者によって効果に大きな違いがあります。技術が伴わなければならないからです。
これは遮熱塗料を使って家の屋根や外壁塗装を行う際にも言えることです。しっかりした技術がなければ、遮熱塗料もその性能を十分には活かせないのです。
遮熱塗料の扱いについては、専門家にご相談されることをおすすめします。