外壁サイディングの補修方法。劣化症状と度合い
外壁のサイディングは素材ごとに特徴や塗装の寿命、耐用年数が異なります。
それぞれのメリット、デメリット、塗装の目安をご紹介します。
最近の住宅で多く使われている窯業サイディング。塗装の寿命は?
外壁サイディングは、国内では、主に窯業系・金属系・木質系・樹脂系の4種類に大別され、その他コンクリート系のALCボートなどがあります。素材ごとの耐用年数が変わることはチェックポイントでしょう。
ただし、塗料の種類によっても耐用年数は変わってくるので、塗料選びも重要な鍵を握ります。
では、代表的な外壁サイディングを素材ごとに、特徴や耐用年数を確認していきましょう。
窯業サイディングボードは、石膏、セメントを混ぜ合わせて硬化した外壁材です。 窯(かま)を使用するために、「窯業(ようぎょう)」と呼ばれています。
現在、一般的な住宅で最も多く取り入れられているのがこのタイプです。
硬質で密度が高く、耐震性や防耐火性、遮音性などに優れており、商品アイテムも価格帯も豊富なのが特徴です。
表面上のデザインが豊富で、タイル目、レンガ調などがあります。本物の石や木の質感を持つアイテムまでさまざまなバリエーションがみられます。 優れた断熱性があるのですが、寒冷地では凍害が問題となるケースもあります。
よく起こる劣化の症状は、目地のコーキング割れ、ボードの反り、チョーキング(指でこすると白い粉が付く)、紫外線による褪色 、爆裂(寒冷地)などです。塗装までの目安は7〜8年ぐらいでしょう。
外壁サイディングの寿命は種類で異なる!
金属系サイディングは、表面材がアルミニウム合金板、ステンレス鋼板などで金属板を成型し、表面や接続部を加工、裏面材などで作られた建材です。
非常に軽量で建物に負担がかかりにくく、断熱性や防水性があり、防音性も高く、ひび割れや凍害などに強いことがメリットです。そのためリフォームに向いた材料だと言われています。タイル柄や石目など、比較的シンプルな柄が特徴でしょう。
よく起こる劣化の症状は、スチール素材では、サビ、褪色で、アルミ素材は傷がつきやすいことです。塗装までの目安は10〜15年ぐらいでしょう。
また、樹脂系サイディングは、塩化ビニル樹脂製で北米生まれの建材です。北米では、約50%のシェアを誇る外壁材ですが、日本では、知名度がまだまだ低い現状です。優れた耐久性、容易な加工性、軽量というのがメリットです。
また、撥水性もあり、水分を吸収しづらく凍害による割れが生じません。塩害酸性薬品等の影響をあまり受けない素材なので、変形や変色にも耐性を持ち合わせています。
塗り替えが不要でシーリングも使っていなため、メンテナンスはほぼ必要ではなく30年ほどの耐用年数になります。
しかし、耐火性が低いため、日本の住宅としては、適合しづらい点があり建築基準法により規制されているので注意が必要です。
日本の建築基準は外壁材自体に防火性能が要求されるのではなく、外壁材から内部までの壁面構造体として防火性能の対象となります。そのため防火規制区分と住宅の構造によって国の防火認定を取得しなければなりません。
このような事情が、日本の建物になかなか採用されない要因でしょう。
種類別、サイディング塗装の寿命を知っておこう。
木質系サイディングは、天然木などに塗装した建材で独特の味わいが美しく、自然環境にも優しい素材です。断熱性に優れていますが、木材なので、防火地域では使用できない場合もあります。
また、水に弱く、経年で木が腐る可能性があるため、劣化してきたら塗り替えなどの的確なメンテナンスが必要でしょう。
防火性能を持つタイプがおすすめです。基材保護のため定期的に塗装が必要で、表面の塗装が退色し、チョーキングを起こしたら塗り替え時です。塗装までの目安は10〜15年ぐらいでしょう。
そして、コンクリート系のALCボートは、コンクリートを軽量気泡化した外壁材です。 断熱性、耐火性、耐久性に優れており、商業施設やビルなどによく使われます。
よく見られる劣化の症状は、ひび割れ、爆裂(寒冷地)、紫外線による褪色などですが、劣化したまま放置していると、防水性が乏しいので内部からボロボロになり、手遅れになると再塗装ができません。 塗装までの目安は10〜15年ぐらいでしょう。