外壁のコーキングが雨漏りの原因に。対処法は?
外壁のコーキングを自分で補修する、DIYの手順をご紹介します。価格的には、業者に頼むより安く付きますが、手間がかかるし、意外と難しいので不安な場合は専門業者にご依頼いただくのが良いでしょう。
コーキング補修の前にサイディングの現状を確認。
外壁よりも早く寿命を迎えてしまうコーキング。
定期的な打ち替え補修を行うことが、結果的に建物を長持ちさせることにつながるのですが、経済的な事情でなかなか業者に頼めないという場合もあるかと思います。
また、外壁や屋根の補修、室内の壁塗り等をご自分で手がけるのがお好きな、「DIY派」も、中にはおられるでしょう。
そんな方におすすめしたいのが、外壁のコーキングを自分で補修する方法です。価格的には、業者に頼むより安く付きますが、手間がかかるし、意外と難しいので失敗しそうな場合は無理をせず業者に頼みましょう。
今回は、「DIYで外壁のコーキングを補修する手順」についてご紹介しますが、その前に、サイディングの現状について確認していきます。
現在、主流である窯業系(セメント系)のサイディングには、工場塗装済みのものと、新築時に現場塗装で仕上げるための「無塗装板」とよばれるものがあります。
工場塗装のものは、最近ではクオリティがアップしたものもあるようですが、中には耐久性が高くない塗装が施されている場合もあるようです。
「無塗装板」の現場塗装でも新築時に特に塗料を指定しない限り、安価に仕上げられてしまいます。
そして、おおむね新築から7年程度でのメンテナンスが望ましいとされています。
外壁のコーキング補修をDIYでトライ!
コーキングは、「打ち替え」か「増し打ち」か、という問題があるかと思いますが、現状のコーキングが裂けていたり、サイディングの断面から剥がれているような状態であれば「打ち替え」をおすすめします。
では、コーキング補修のDIYの手順をみていきましょう。
【1】
まずは、既存コーキングにカッターで切れ目を入れて、撤去します。切れ目を入れると、古い部分が簡単に取り出せます。取り出しにくい際は、ラジオペンチを使用します。
【2】
メイン部分は取れましたが、サイディングの断面には、まだ古いコーキングが薄く残っているので、それを丁寧にカッターで削ぎ落とします。
この地道な作業はとても手間がかかり、カッターの刃もたくさん必要になるので予備を準備しておきましょう。
サイディング同士の継目を「目地」、目地の突き当たり面は「目地底」と言います。コーキングは目地底には接着していない「2面接着」が正しい施工なのです。
しかし、たまに目地底にも接着している「3面接着」になっていることがあります。そんな時は、張りついた古いコーンキングはカッターやドライバーでもなかなか取れません。「コーキング取り」という器具が、ホームセンターやインターネットから購入できるので、入手するのも良いでしょう。
雨があたるところは、撤去したその日のうちにコーキングしてください。内側に水が侵入したり、サイディングの断面が濡れてしまうと、乾きにくくなるので注意が必要です。
では、引き続き手順の解説をしましょう。
【3】
養生テープを張り、充填部以外にコーキングを付けないようしてから、削りカスやゴミを掃除用のハケで清掃します。
養生テープは、充填部に食い込むような張り方はしないように気をつけましょう。凹凸がある場合は、指で押えて、しっかりフィットさせながら、キレイに仕上げてください。充填部の2倍程度の長さのテープが必要であることを計算に入れておいてください。
だんだん完成に仕上げに近づく、DIYでコーキング補修!
【4】
コーキングをしっかり密着させるためるためには、充填部に接着剤的下塗材「プライマー」をハケ塗りします。
使用するコーキングに適した製品を選びましょう。ホームセンター等で相談するのもいいでしょう。
コーキングを剥がれにくくする大切な工程です。製品選びもハケ塗りもしっかり行いましょう。
その他の注意点として、コーキング部分の正面に上から長く立てられた縦樋があることがあります。その場合は、縦樋は留め具から外し、ずらすかいったん取り外して行いましよう。
【5】
では、コーキングの充填です。コーキングには色々な種類がありますが「低モジュラスでノンブリードのウレタン」、または「低モジュラスの変成シリコン」を使用してください。
業者によって「水性のコーキング」や内装用の「ボンドコーク」を使用したりするようですが、サイディングの目地には適さないこともあります。
使用量は、目地の長さや量(メーター数)、目地の幅と深さによって異なります。10本〜20本ほど購入して、作業状況を確認しながら必要量を把握しましょう。
サイディングの建物では、コーキングの上の塗膜が割れることがあります。
塗り替えの塗膜が割れた時になるべく目立たないように、コーキングの色を仕上の色に近い色にするといいでしょう。
コーキングの他に「コーキングガン」が必要です。充填部に、クリームを乗せるようにゆっくり塗ります。
【6】
ようやく仕上げです。弾力性があるヘラで調整してください。養生テープ除去し完成です。
高圧洗浄する場合は、十分な時間を置いてください(夏でも約1日、冬は2~3日以上)。コーキングが水圧に耐え硬化するまでには時間がかかります。