未払い養育費は“相続される借金”。遺された家族を襲う支払い義務の現実
皆様、こんにちは。
株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。
「親が遺してくれた財産に、できるだけ多くの税金がかからないようにしてあげたい」
「相続税対策と聞くと、難しくて、お金持ちだけの話だと思ってしまう…」
そうお考えの方は、少なくないかもしれません。
しかし、実は法律で特別に認められた、相続税が一切かからない「非課税財産」というものが存在することをご存知でしょうか。
この知識があるかないかで、ご家族が最終的に手にする財産の額は、数百万円、時には数千万円単位で変わってくるのです。
今回は、誰でも活用できる、この「相続税の非課税財産」をテーマに、
- そもそも非課税財産とは何か?
- 最強の納税資金対策「生命保険金」の非課税枠
- お墓や仏壇の生前購入が、なぜ節税になるのか
- 忘れてはいけない「葬儀費用」の債務控除
などを、分かりやすく丁寧に解説していきましょう。
【結論】非課税財産は国が認めた節税策。生命保険と祭祀財産の活用が鍵
相続税の世界には、社会政策的な配慮などから、課税対象から外される特別な財産が存在します。
これが「非課税財産」です。
その中でも、特に重要で、誰でも活用できるのが、
- 生命保険金の一部(500万円 × 法定相続人の数)
- お墓や仏壇などの「祭祀(さいし)財産」
この二大巨頭と言えるでしょう。
これらの非課税制度は、法律で認められた、正々堂々とした節税策です。
ご自身が元気なうちに、これらの制度を正しく理解し、計画的に活用すること。
それが、単なる節税に留まらず、残されるご家族の納税資金の不安を解消し、負担を軽減するための、最も効果的で、思いやりに満ちた終活となるのです。
1.【相続税対策の王道】生命保険金の非課税枠(500万円×相続人の数)
相続税対策において、生命保険は他の金融商品にはない、圧倒的な優位性を持っています。
■ 非課税枠の大きさ
亡くなった方(被相続人)が保険料を負担していた生命保険金は、「500万円 × 法定相続人の数」まで、相続税がかかりません。
例えば、相続人が妻と子供2人の合計3人なら、500万円 × 3人 = 1,500万円までの保険金が、まるまる非課税で受け取れます。
■ なぜ優れた対策なのか
- 即効性の高い納税資金になる:保険金は、預金口座凍結の影響を受けず、請求から数日で現金として受け取れます。相続税の納税資金に最適です。
- 遺産分割協議の対象外:受取人に指定された人が、確実に、そして単独で受け取れる「固有の財産」です。争いの種になりにくいのも大きなメリットです。
2.【生前購入がカギ】お墓や仏壇(祭祀財産)が非課税になる仕組み
お墓や仏壇といった、ご先祖様を祀るための財産(祭祀財産)も非課税です。
■ 非課税となる祭祀財産の例
- 墓地、墓石
- 仏壇、仏具
- 神棚、神具など
ここに、大きな節税のポイントが隠されています。
例えば、あなたが現金300万円を遺して亡くなった場合、その300万円は課税対象となります。
しかし、あなたが元気なうちに、その300万円で生前にお墓を建てておけば、その300万円の現金は相続財産から消え、代わりに非課税財産である「お墓」が残ります。
結果として、課税対象となる財産を300万円圧縮できる、というわけです。
これは、残されるお子様たちのお墓建立の負担をなくすことにも繋がる、一石二鳥の賢い対策です。
3.【忘れずに申告】葬儀費用も遺産総額から控除できる
これは厳密には非課税「財産」ではありませんが、遺産総額から差し引ける「債務控除」として、非課税と同じ効果を持ちます。
■ 控除対象となる葬儀費用
- 通夜、告別式そのものにかかった費用(葬儀社への支払い)
- 宗教者へのお礼(お布施、読経料、戒名料など)
- 火葬、埋葬、納骨にかかった費用
■ 控除対象“外”となる費用
- 香典返しの費用
- 墓石や仏壇の購入費用(※生前購入なら非課税財産、死後購入は控除対象外)
- 初七日や四十九日といった法要の費用
これらの費用は、葬儀とは直接関係ないとみなされるため、控除できません。
どの費用が対象になるか分からなければ、税理士に相談するのが確実です。
もちろん、全ての費用の領収書やメモを保管しておくことが大前提です。
【まとめ】非課税制度は、知る人ぞ得をする“国の贈り物”
相続税の非課税制度は、いわば、国が用意してくれた「家族への思いやり」を形にするための贈り物のようなものです。
これを使わない手はありません。
では、本日の重要なポイントをまとめます。
- 相続税には、法律で認められた「非課税財産」というものが存在する。
- 「生命保険金の非課税枠(500万円 × 法定相続人の数)」は、納税資金対策と資産承継を両立できる最強のツール。
- 墓地や仏壇などの「祭祀財産」は非課税。生前に購入しておくことが、残された家族の負担軽減と、効果的な節税対策に繋がる。
- 葬儀費用は、遺産総額から差し引ける「債務控除」の対象となるため、領収書やメモの保管は必須。
- これらの非課税制度を、終活の一環として元気なうちから計画的に活用することが、賢く、そして愛情深い資産承継を実現する。
ご葬儀の場で、故人様が生前にご自身の終活について、ご家族とオープンに話し合われていたと伺うことがあります。
そうしたご家庭では、相続の話も実にスムーズに進むものです。
財産をただ遺すのではなく、「どうすれば家族が困らないか」という視点で、こうした制度を活用して準備をしておくこと。
それこそが、故人様が遺せる、最も価値ある無形の遺産なのかもしれません。
株式会社大阪セレモニー



