家族葬の訃報を受けたら参列すべき?服装・香典マナーと判断基準を解説
皆様、こんにちは。
株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。
ご家族が病院で息を引き取られた直後、深い悲しみにくれる間もなく、看護師からこう告げられることがあります。
「ご遺体を、速やかに霊安室からご移動いただけますでしょうか…」
病院の霊安室は、あくまで一時的な待機場所。
次の安置先(ご自宅か、葬儀社の施設か)を、ご遺族はすぐに決めなければなりません。
しかし、この「遺体の搬送・安置」という、葬儀のまさに第一歩で、ご遺族がパニックに陥り、病院や葬儀社との間で深刻な混乱を招いてしまうケースが、後を絶たないのです。
今回は、この見過ごされがちだが極めて重要な、「ご逝去直後の遺体搬送」をテーマに、
- なぜ、病院は遺体の搬出を急ぐのか
- 実際に起きた、「安置先が決まらない」家族の混乱
- 病院提携の葬儀社に、安易に依頼してはいけない理由
- すべての混乱を避けるための、唯一にして最善の備え
などを、葬儀の最前線で起きているリアルな実態と共に、詳しく解説していきましょう。
【結論】病院は長時間安置不可。搬送・安置先の即決が必須。事前に依頼する葬儀社を決めておくことが、混乱を避ける唯一の道
まず、動かしがたい事実として、病院の霊安室は、ご遺体を長時間安置しておくための場所ではない、ということを理解しておく必要があります。
次の急患の受け入れや、他のご逝去された方のために、スペースを空けておかなければならないからです。
そのため、病院側は、数時間以内にご遺体を搬出するよう、ご遺族に要請するのが一般的です。
この時、もしご遺族が、
- どこへ搬送すればいいか、決めていない
- どの葬儀社に搬送を依頼すればいいか、決めていない
という状態だと、事態は一気に混乱します。
限られた時間の中で、冷静な判断ができず、病院から紹介されるがままに、よく知らない葬儀社に全てを任せてしまい、後で高額な請求や、希望と違う葬儀内容に後悔する、という悲劇に繋がりかねないのです。
このような混乱を100%確実に回避するための、唯一にして最善の方法。
それは、事前に、万が一の際に依頼する葬儀社を、一社、決めておくこと。
そして、その葬儀社の連絡先を、家族全員で共有しておくこと。
たったこれだけの準備が、ご逝去直後のご家族を、パニックと後悔から守る、最も有効な“お守り”となるのです。
1. なぜ混乱する? 病院の霊安室が“待ってくれない”理由
「家族が亡くなったばかりなのに、どうしてそんなに急かすんだ!」
病院側の対応に、不満や怒りを感じるご遺族のお気持ちは、痛いほど分かります。
しかし、病院側にも、そうせざるを得ない事情があるのです。
- 霊安室のキャパシティの問題:大学病院などの大病院であっても、霊安室の収容能力には限りがあります。次々と亡くなる方のために、常にスペースを確保しておく必要があります。
- 衛生管理上の問題:病院の霊安室は、葬儀社の安置施設のように、ご遺体を長期間、衛生的に保全するための専用の保冷設備が整っているわけではありません。
- 病院本来の業務:病院の使命は、あくまで「生」を支える医療を提供することです。葬儀に関する業務は、その専門外なのですね。
こうした理由から、ご逝去後、2~3時間以内、長くても半日以内には、ご遺体を搬出してほしい、というのが病院側の本音と言えるでしょう。
2. 【実例】「どこへ運べば…」安置先を巡る、ある家族の悪夢
実際に、私たちが深夜に緊急の依頼を受けたケースです。
ある病院でご主人を亡くされた奥様から、涙ながらにお電話がありました。
そのご家庭が直面した混乱:
- 突然の死と、病院からの搬出要請:ご主人が深夜に急逝。悲しむ間もなく、病院から「朝までにご遺体を移動してください」と告げられ、パニックに。
- 自宅安置の不可:住んでいるマンションが、規約でご遺体の搬入を禁止しており、自宅に連れて帰ることができない。
- 兄弟間での意見対立:「葬儀社なんてどこでもいいから、早く決めてくれ!」と焦る弟さんと、「ちゃんとした葬儀社を、今からネットで探すべきだ」という奥様とで、意見が対立。
- 病院提携の葬儀社の高圧的な態度:混乱を見かねた病院から紹介された葬儀社が、「うちで決めてくれないと、今すぐには搬送できませんよ」と、半ば脅しのような口調で契約を迫ってきた。
八方塞がりになった奥様が、藁にもすがる思いで、スマートフォンで探し当てたのが、私たちだったのです。
すぐに私たちが病院へお迎えに上がり、自社の安置施設へご主人様をご安置し、奥様が少し落ち着かれてから、翌日、改めてゆっくりと葬儀のお打ち合わせをさせていただきました。
3. 病院提携の葬儀社に、安易に依頼してはいけない理由
パニック状態で、つい頼ってしまいがちなのが、病院の受付や霊安室で紹介される「提携葬儀社」です。
もちろん、すべての提携葬儀社が悪いわけではありません。
しかし、そこには、ご遺族が不利な立場に置かれやすい、構造的な問題が潜んでいることを知っておくべきです。
- 価格競争がない:病院という閉鎖された空間で、独占的に紹介を受けるため、価格が高止まりしている傾向があります。
- 比較検討の時間がない:「今すぐ決めないと、搬送できない」というプレッシャーの中で、他の葬儀社と見積りを比較する時間的余裕が、ご遺族にはありません。
- セットプランの押し売り:ご遺族の希望を丁寧に聞くよりも、「このプランが一般的ですよ」と、高額なセットプランへ誘導されがちです。
- 搬送だけを依頼したつもりが…:「とりあえず、搬送と安置だけお願いしよう」と思って依頼したところ、「搬送を請け負った以上、葬儀も弊社で行うのが前提です」と、断れない状況に追い込まれるケースもあります。
【まとめ】“もしもの時”の電話番号一つが、家族の未来を守る
ご逝去直後の、最も混乱し、判断力が低下している数時間。この時間帯の行動が、その後の葬儀全体の満足度と、費用を大きく左右します。
では、本日のポイントをまとめます。
- 病院の霊安室は一時的な待機場所。ご逝去後、数時間以内に、次の安置場所へご遺体を搬送する必要がある。
- このタイミングで「安置先」と「依頼する葬儀社」が決まっていないと、パニックに陥り、望まない契約を結んでしまうリスクが極めて高い。
- 病院提携の葬儀社は便利だが、価格やサービスの比較検討ができないまま契約してしまう、という大きなデメリットがある。
- すべての混乱を避ける最も有効な対策は、元気なうちに、信頼できる葬儀社を1社見つけ、「もしもの時は、ここに電話する」という連絡先を、家族全員で共有しておくこと。
- 葬儀社の「事前相談」を利用し、安置施設の有無や、深夜の対応力などを確認しておくことが、究極のリスク管理。
大切なご家族の、人生最後の旅立ち。
その最初のステップであるご遺体の搬送が、混乱と後悔にまみれたものであっては、あまりにも悲しいではありませんか。
私たちは、ご逝去の連絡一本で、深夜でも、早朝でも、ただちにお迎えに上がり、まずは故人様とご遺族が、心安らげる場所を確保することをお約束します。
その後のことは、少しお気持ちが落ち着かれてから、一緒に、ゆっくりと考えていきましょう。
株式会社大阪セレモニー



