通帳や印鑑が見つからない…死後の財産調査に必要な手順とは?
皆様、こんにちは。
株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。
ご家族を亡くされた深い悲しみの中、故人が遺した、人生そのものとも言える膨大な家財道具と向き合う「遺品整理」。
精神的にも肉体的にも、ご遺族だけで全てをやり遂げるのは、あまりにも過酷な作業と言えるでしょう。
そのため、専門の「遺品整理業者」に依頼する方が年々増えています。
しかし、その需要の高まりに比例するように、ご遺族の弱みに付け込む悪質な業者との間で、見積もりや作業内容を巡る深刻なトラブルが後を絶たないのも、また悲しい現実なのです。
「一体、いくらかかるのが普通なの?」
「見積りより高額な請求をされたらどうしよう…」
「大切な思い出の品を、ゴミのように扱われたくない…」
今回は、こうした不安を解消すべく、「遺品整理の費用と業者選び」をテーマに、最新の情報を基に、その費用相場から、悪質業者に絶対に騙されないための鉄則まで、徹底的に深掘りして解説していきましょう。
【結論】遺品整理のトラブルは“見積りの甘さ”が元凶。最低3社の「訪問見積り」と、許可証の確認が、故人の尊厳とあなたの財産を守る唯一の道
遺品整理業者との、あらゆるトラブルの根源。
それは、契約前の「見積もり」段階の甘さに集約されると言っても過言ではありません。
特に、
- 電話やメールだけで済ませる、安易な「概算見積もり」
- 見積書に「作業内容の内訳」や「追加料金の可能性」が明記されていない
この2つは、後々の高額請求トラブルに直結する、極めて危険なサインです。
このような悲劇を回避するための、唯一の防衛策。
それは、必ず、最低3社以上の業者に「訪問見積もり」を依頼し、作業内容と料金の内訳が詳細に記載された「書面の見積書」を、冷静に比較検討すること。
そして、その業者が、法律で定められた「一般廃棄物収集運搬業許可」や「古物商許可」といった許認可を、きちんと取得しているかどうかを確認する。
ご遺族の悲しみや無知に付け込む悪質業者から、故人の大切な思い出とご自身の財産を守るためには、この「手間を惜しまない」という、毅然とした姿勢が何よりも重要なのですね。
1. 遺品整理の費用、何で決まる?見積り額を左右する6つの要因
まず、遺品整理の費用が、どのような要素で決まるのかを知っておきましょう。
業者によって見積り項目は異なりますが、主に以下の6つの要因が複合的に絡み合って、最終的な金額が決定されます。
①家の間取り・広さ:
当然ながら、部屋数が多く、家が広いほど、作業範囲が広がり、物の量も多くなるため、費用は高くなります。これが、料金の最も基本的なベースとなります。
②遺品の量・種類:
間取りが同じでも、物がぎっしりと詰まった部屋と、整理された部屋とでは、料金は全く異なります。また、ピアノや大型金庫といった特殊な搬出が必要なものや、処分に手間がかかるもの(中身の入ったスプレー缶、液体など)が多い場合も、費用は増加します。
③作業内容(オプション):
単なる仕分け・搬出だけでなく、ハウスクリーニング、孤独死現場などの「特殊清掃」、エアコンの取り外し、仏壇の供養・処分、不用品の買い取りなどを依頼する場合、それぞれが追加のオプション料金となります。
④必要な人員数・日数:
遺品の量や作業内容に応じて、必要なスタッフの人数と作業日数が決まります。当然、これらが増えれば、人件費として費用に反映されます。
⑤建物の状況・搬出経路:
これは見落としがちなポイントです。エレベーターのないマンションの5階、家の前にトラックが停められず長い距離を手運びする必要がある、といった悪条件は、作業の難易度を上げ、追加料金が発生する大きな要因となります。
⑥貴重品の捜索:
相続手続きに必要な重要書類や、現金、貴金属などを、重点的に捜索してもらうサービスも、オプションとして用意されている場合があります。[/箇条書き]
2. 【2025年最新版】気になる遺品整理の費用相場(間取り別目安)
前述の通り、費用はケースバイケースですが、大まかな目安を知っておくことは重要です。
あくまで一般的な目安として、間取り別の費用相場を以下に示します。
| 間取り | 費用相場(目安) | 作業人数(目安) | 作業時間(目安) |
|---|---|---|---|
| 1R・1K | 30,000円 ~ 80,000円 | 1~2名 | 2~4時間 |
| 1DK・1LDK | 50,000円 ~ 150,000円 | 2~3名 | 3~6時間 |
| 2DK・2LDK | 100,000円 ~ 250,000円 | 2~4名 | 4~8時間 |
| 3DK・3LDK | 150,000円 ~ 400,000円 | 3~6名 | 6時間~2日 |
| 4LDK以上 | 200,000円 ~ 600,000円以上 | 4名以上 | 1日~数日 |
これはあくまでも平均的な物量の、基本的な仕分け・搬出作業を想定した目安です。
もし、いわゆる「ゴミ屋敷」状態であったり、孤独死などによる「特殊清掃」が必要であったりした場合は、この相場を遥かに上回る、100万円以上の費用がかかることも珍しくありません。
この表は、あくまで「極端に安すぎる、あるいは高すぎる見積り」を見抜くための参考程度に考え、最終的な判断は、必ず複数の業者からの訪問見積りに基づいて行ってください。
3. 費用を賢く抑える!今日からできる5つの実践的テクニック
「少しでも費用を安く抑えたい!」そう考えるのは当然ですよね。
遺品整理の費用を抑えるために、ご遺族自身でできること、工夫できることを5つご紹介します。
①自分でできる範囲は、自分でやる:
業者にすべてを丸投げするのではなく、事前に自分でできる範囲の仕分け(明らかに不要な雑誌や衣類の処分など)や、貴重品・重要書類の捜索を行っておくだけでも、業者の作業時間を短縮でき、費用削減に繋がる可能性があります。
ただし、決して無理は禁物です。
②不用品を“先に”買い取ってもらう:
まだ使える家電、家具、骨董品、貴金属などがあれば、遺品整理業者だけでなく、リサイクルショップや骨董品商といった専門の買取業者にも、先に査定を依頼しましょう。
遺品整理業者の買い取り査定は、必ずしも専門的とは限りません。
先に専門業者に高く売れるものを売っておくのが、最も賢い方法です。
③最低3社から「相見積もり」を取る:
これは、もはや必須の防衛策です。
必ず2~3社から訪問見積もりを取り、料金だけでなく、サービス内容、スタッフの対応などを、冷静に比較検討します。「今決めてくれたら安くします」といった、契約を急がせる業者には、特に注意が必要でしょう。
④繁忙期を避ける:
引っ越しシーズンである3月~4月や、年末の大掃除シーズンは、遺品整理業者も繁忙期となり、料金が高めに設定されたり、予約が取りにくかったりします。
もし時期を調整できるのであれば、これらの繁忙期を避けることで、費用を抑えられる可能性があります。
⑤自治体のサービスを最大限に活用する:
粗大ごみなど、自治体のルールに従って自分で処分できるものは、可能な範囲で自分で行うことで、業者の処分費用を削減できます。
自治体によっては、高齢者世帯向けの粗大ごみ運び出しサービスなどがある場合もありますので、確認してみましょう。
4. 失敗しない!信頼できる遺品整理業者の選び方【7つの鉄則】
費用と同じくらい、いやそれ以上に重要なのが、信頼できる業者を選ぶことです。
大切な故人の遺品を安心して任せられる業者を見つけるために、以下の7つのポイントを、必ずチェックしてください。
鉄則①:「訪問見積もり」が無料か?
電話やメールだけで見積りを済ませようとする業者は、高額な追加請求のリスクが非常に高いため、論外です。
鉄則②:見積書の内訳が詳細で、明確か?
「遺品整理一式 〇〇円」といった、どんぶり勘定の見積書を出す業者は信用できません。
作業内容、人員、時間、料金の内訳、そして「どのような場合に追加料金が発生するのか」が、素人目にも分かるように明記されているかが、最も重要です。
鉄則③:必要な「許認可」を持っているか?
これが、合法業者と違法業者を見分ける、絶対的な基準です。
家庭から出る一般廃棄物を収集・運搬するには、自治体が発行する「一般廃棄物収集運搬業許可」が必要です。
また、買い取りを行う場合は「古物商許可」が必須です。
これらの許可証の提示を求め、必ず確認しましょう。
鉄則④:「遺品整理士」などの資格保有者が在籍しているか?
必須ではありませんが、「遺品整理士」という民間資格を持つスタッフがいる業者は、専門知識やコンプライアンス意識が高い傾向があり、一つの信頼の証となります。
鉄則⑤:「損害賠償保険」に加入しているか?
万が一、作業中に家財や建物を破損してしまった場合に備えて、損害賠-償保険に加入しているかを確認しましょう。プロ意識の高い業者なら、当然加入しています。
鉄則⑥:スタッフの対応が丁寧で、親身か?
電話での問い合わせや、見積もり時のスタッフの言葉遣い、態度、身だしなみ。ご遺族の悲しみに寄り添い、親身になって相談に乗ってくれる業者こそ、本当に信頼できるパートナーです。
鉄則⑦:「契約書」をきちんと交わすか?
作業内容、料金、日時などを明記した契約書を、きちんと説明の上で取り交わしてくれる業者を選びましょう。
口約束は、あらゆるトラブルの元凶です。
【まとめ】遺品整理は、故人への最後の“お見送り”。価格だけで選んではいけない
遺品整理は、単なる部屋の片付けではありません。それは、故人が生きてきた証と一つひとつ向き合い、ご遺族が心の整理をつけるための、非常に大切な儀式の一つなのです。
では、本日のポイントをまとめます。
- 遺品整理のトラブルは、契約前の「見積もりの甘さ」が最大の原因。
- 必ず3社以上の「訪問見積もり」を取り、作業内容と料金が詳細に書かれた書面の見積書を比較する。
- 「一般廃棄物収集運搬業許可」「古物商許可」の有無は、その業者が合法か違法かを見分ける絶対的な基準。
- 料金の安さだけで選んではいけない。故人の思い出を、敬意をもって丁寧に扱ってくれるかという「姿勢」こそが、最も重要な選択基準。
- 「追加料金は一切なし」という一文を見積書に入れてもらうことが、高額請求を防ぐ最強の対策。
故人が愛し、大切にしてきたモノたちを、まるでゴミのように、乱暴に扱われる姿を見るのは、ご遺族にとって耐えがたい苦痛でしょう。
信頼できる業者選びは、故人の尊厳を守り、ご遺族の心を穏やかに保つための、最後の重要な務めなのです。
私たちも、ご葬儀後のサポートの一環として、ご遺族が安心して遺品整理を任せられる、優良な専門業者をご紹介する体制を整えていますので、いつでもご相談ください。
株式会社大阪セレモニー



