「まだ早い」は、もう遅い? 人生100年時代の「終活」のススメ
皆様、こんにちは。
株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。
「親も高齢になってきたし、そろそろ終活の話をしておきたい」
「でも、『縁起でもない!』と怒られたらどうしよう…」
「財産目当てだと思われたくなくて、なかなか話を切り出せない」
親を想うからこそ、将来のもしもの時に備えておきたい・・・。
そう考えるお子様世代から、こうしたお悩みを非常によくお聞きします。
そこで今回は、この最もデリケートな問題の一つ、「親への終活の切り出し方」をテーマに、
- 終活の話を切り出す、絶好のタイミングとは?
- 「まだ死んでない!」と怒らせない伝え方のコツ
- 親が元気なうちに、最低限聞いておくべきこと
- 親子で一緒に取り組む終活のメリット
などを、分かりやすく解説していきます。
【結論】「きっかけ」を利用し「聞き役」に徹すること。「親の希望を叶えたい」というスタンスが、親の心を開く鍵
親に終活の話をスムーズに受け入れてもらうための最大の秘訣は、「子供のため」ではなく、「親自身の希望を叶えるため」というスタンスを貫くことです。
「お父さん(お母さん)が、どんな最期を迎えたいか教えてほしい」
「あなたの希望通りのお葬式にしてあげたいから」
このように、あくまで親が主役であり、その意思を尊重したいという気持ちを伝えることが、親の頑なな心を開く鍵となります。
そして、話を切り出す際は、著名人の訃報や親戚の葬儀といった「きっかけ」をうまく利用し、決して一度で全てを決めようとせず、焦らずに「聞き役」に徹することが大切です。
終活は「死ぬ準備」ではありません。
それは、親が「これからの人生をどう豊かに生き、どう締めくくりたいか」を考える、前向きな活動なのです。
1. なぜ難しい? 親に終活の話を切り出せない心理的な壁
そもそも、なぜこの話題はこれほどまでにデリケートなのでしょうか。
親側の心理:
- 「死」をタブー視する価値観:親世代には、死について語ること自体が縁起でもない、という考え方が根強く残っています。
- 「まだ元気だ」という自負:「老人扱いされた」「死ぬのを待たれている」と感じ、プライドが傷ついてしまうことがあります。
子供側の心理:
- 親の死を考えたくない:親がいつまでも元気でいてほしいと願うからこそ、死を前提とした話をしにくいという気持ちがあります。
- 「財産目当て」と誤解されたくない:お金の話が絡むため、下心があると思われないかという強い遠慮が働きます。
これらの心理的な壁があることを理解した上で、相手の気持ちを尊重しながら話を進めることが重要です。
2. 今がチャンス!話を切り出す絶好の「きっかけ」5選
唐突に話を始めるのではなく、自然な流れで話題にできる「きっかけ」を探しましょう。
- 自分自身の終活を話す:「最近、自分のエンディングノートを書き始めたんだけど…」と、自分を主語にして話を始めると、親も受け入れやすくなります。
- 著名人や知人の訃報に触れる:「〇〇さんも亡くなったね。人生って、いつ何があるか分からないものだね」と、世間話から自然につなげます。
- 親戚の葬儀に参列した後:「〇〇さんのお葬式、大変そうだったね。うちはどうしようか?」と、身近な出来事をきっかけにするのが最も効果的です。
- 誕生日や記念日などの節目:「還暦おめでとう。これからの人生、どんな風に過ごしたい?」と、セカンドライフの話題から入ります。
- 実家の片付けをする時:「大事な物や、誰かに遺したい物はどれ?」と、モノの整理を通じて、親の想いを聞き出します。
3. 「縁起でもない!」と怒らせない伝え方の3つの黄金ルール
話を切り出せたら、次は伝え方が重要です。以下の3つのルールを心がけてください。
ルール①:「聞き役」に徹し、決めつけない
「こうしてほしい」「こうすべきだ」という提案はNGです。「どうしたい?」と、まずは親の希望や考えをじっくりと聞く姿勢が大切です。
親自身の言葉で語ってもらうことで、納得感が深まります。
ルール②:「親の希望を叶えるため」という目的を明確に伝える
「お父さんらしいお葬式にしたいから、好きな音楽とか教えてほしいな」「お母さんの大切な友人には、ちゃんと私から連絡したいから」など、あくまで「あなたのため」というメッセージを伝え続けましょう。
ルール③:一度にすべてを聞き出そうとしない
終活で話すべきことは多岐にわたります。
一度で全てを決めようとせず、「今日は葬儀の話だけ」「今度は介護の話をしよう」というように、テーマを絞って何回かに分けて話し合うのが成功のコツです。
【まとめ】終活は最高の親孝行。親子の絆を深めるきっかけにしよう
終活は、単なる事務的な準備ではありません。
それは、これまで語り合うことのなかった親の人生観や価値観に触れ、感謝の気持ちを伝え、親子の絆を再確認するための、またとない機会です。
では、本日のポイントをまとめます。
- 親への終活の話は「親の希望を叶えるため」というスタントで、「聞き役」に徹するのが大原則。
- 唐突に切り出すのではなく、身近な出来事や自分自身の終活といった「きっかけ」をうまく利用する。
- 「まだ死んでない!」と反発されたら、一度引いて時間を置く。焦りは禁物。
- 終活は「死ぬ準備」ではなく「どう生き、どう締めくくりたいか」を考える前向きな活動であると伝える。
- 親が元気で、判断能力がしっかりしているうちに話を始めることが、何よりの親孝行であり、将来の家族を守ることにつながる。
もし、ご家族だけでは話が進まない、専門的なアドバイスがほしい、と感じた場合は、ぜひ私たち葬儀のプロを頼ってください。
第三者が入ることで、客観的な視点から話し合いがスムーズに進むこともよくあります。
株式会社大阪セレモニー



