「火葬場が空いていない」都市部で増加する“葬儀待ち”とその影響

皆様、こんにちは。
株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。

ご家族が亡くなられた後、「すぐにでもお葬式をあげて、安らかに見送ってあげたい」と願うのは、ご遺族として当然のお気持ちです。

しかし、大阪をはじめとする都市部では、火葬場の予約が数日、場合によっては1週間以上も先まで埋まっており、すぐに葬儀ができない「葬儀待ち（火葬待ち）」が深刻な問題となっています。

そこで今回は、この「火葬場の予約が取れない問題」をテーマに、

なぜ「葬儀待ち」が起きるのか？その背景
葬儀までの間、ご遺体はどう安置されるのか
知っておくべき「葬儀待ち」による追加費用
遺族の負担を軽減する葬儀社の役割

などを、分かりやすく解説していきます。

【結論】都市部の“葬儀待ち”は常態化。長期安置に伴う「追加費用」が発生。遺体の状態保持と費用説明が明確な葬儀社選びが鍵

現在、特に都市部において、火葬場の供給が需要に追いつかず、ご逝去から火葬まで1週間以上の日数を要するケースが珍しくありません。

この「葬儀待ち」の間、ご遺体はご自宅や葬儀社の専用施設で安置することになり、その日数に応じて、

安置施設の使用料
ご遺体を保全するためのドライアイス代

といった「追加費用」が日々加算されていきます。

このような状況で最も重要なのは、
①ご遺体の状態を衛生的に、そして尊厳をもって保つための適切な処置ができること。
②長期安置に伴う費用の見通しについて、事前に明確で誠実な説明をしてくれること。
この2点を満たす、信頼できる葬儀社をできるだけ早く見つけることです。

先の見えない不安の中で、ご遺族の心身の負担を少しでも軽減することが、私たち葬儀社の使命だと考えています。

1. なぜ「葬儀待ち」は起きるのか？ 3つの複合的な原因

火葬場が混雑する背景には、複数の社会的な要因が絡み合っています。

原因①：死亡者数の増加
日本は多死社会を迎え、特に高齢者人口の多い都市部では、年間の死亡者数が年々増加しています。
火葬場の処理能力が、この増加ペースに追いついていないのが現状です。

原因②：火葬場の不足と老朽化
火葬場は必要不可欠な施設ですが、建設には広大な敷地と、近隣住民の理解が必要なため、新設は非常に困難です。
既存の施設も老朽化が進み、改修工事で稼働が制限されることもあります。

原因③：特定の日に予約が集中
六曜の「友引」の日は、「友を引く」として火葬を避ける風習が根強く残っています。
そのため、多くの火葬場が友引を休業日としており、その前後の日に予約が殺到する傾向があります。

2. 葬儀までの間、ご遺体はどうなる？安置場所と処置方法

火葬の日程が決まるまでの間、故人様のお身体を適切に安置し、保全する必要があります。

安置場所の選択肢：

ご自宅：故人様にとっては最も安らげる場所ですが、安置スペースの確保や室温管理、弔問客への対応など、ご遺族の負担が大きくなります。
葬儀社の安置施設：温度・湿度が管理された専用の保冷施設です。スタッフが常駐し、24時間体制でご遺体をお守りするため、最も安心できる選択肢と言えます。

ご遺体の保全処置：

ドライアイス：ご遺体の腐敗を防ぐための最も一般的な処置です。安置日数が長引くほど、ドライアイスを追加する必要があり、その都度費用が発生します。
エンバーミング：長期の安置が予想される場合に、最も有効な選択肢です。専門技術者がご遺体に防腐・殺菌・修復処置を施し、お身体を衛生的に、そして生前の安らかなお姿に近い状態で長期間保つことができます。

3. 無視できない「葬儀待ち」が招く費用への影響

葬儀日程が延びれば延びるほど、葬儀の基本料金とは別に「追加費用」が発生することを理解しておく必要があります。

主な追加費用：

安置料：安置施設を利用する場合、1日あたり1万円～3万円程度の費用が、日数分かかります。
ドライアイス代：1回（1日分）あたり1万円前後が相場です。5日間安置すれば、約5万円の追加費用となります。
エンバーミング費用：処置費用として15万円～25万円程度かかりますが、ドライアイスや安置料の追加が不要になる場合が多く、10日以上の長期安置になる場合は、結果的に総額が安くなる可能性もあります。

葬儀社を選ぶ際には、こうした追加費用の可能性について、事前にしっかりと説明を求め、見積もりに明記してもらうことがトラブル防止の鍵です。